見出し画像

出口大地トーク&レクチャー「指揮者って普段何してるの?」_2022年9月14日

■指揮者って普段何してるの?

2022年9月14日に、出口大輔さんによる「出口大地トーク&レクチャー『指揮者って普段何してるの?』」を聞きに行ってきました。

出口さんは、東京およびベルリンを拠点に各地で活動中の指揮者で、2021年6月6日から12日までアルメニアの首都エレバンで行われていた「第17回ハチャトゥリアン国際コンクール」にて日本人初の優勝。「クーセヴィツキー国際指揮者コンクール」では最高位及びオーケストラ特別賞を受賞しています。

講演は、出口さんの幼少期から現在までを、スクリーンに映したパワーポイント資料や動画とともに遡りました。
パワーポイントの完成度は、ビジネスパーソンのプレゼンばりに高く、学生時代に東京音大の合同レッスンで受けた広上淳一先生の指導を振り返っては、ソックリな物真似で会場の笑いを誘う。エンターテイメントにあふれた講演でした。

■指揮者によって変わる「音」を、会場の全員で実演

有料コンテンツなので詳細には書けないのですが、オーケストラとのリハーサルの模様や心構え、ステージに出る直前の心境や朝からのルーティンについても言及。
「指揮者の仕事はどういうものか」を伝える際には、2014年3月末までフジテレビで放送されていたお昼の番組「笑っていいとも!」で、タモリさんが観客の拍手を導く恒例の遊びを実演して見せてくれました。
出口さんがジェスチャーや目線、呼吸などを使って、私たち聴衆の拍手をリード。私たちは自分の音がどう変わるかを体験でき、面白かった!

ステージに出る直前には楽屋で一人になり、
「5分間、マインドフルネス瞑想をして心を整える」
など、指揮者でなくとも実践したい秘訣がたくさんありました。

初めから終わりまで、とても魅力的な講演だったのですが、とくに私の心に響いたのは「指揮者にはどうしたらなれるの?」というテーマのところでした。

過去の経験を話す中で、音楽学校を卒業して帰国した後も、肉体労働のアルバイトをしながらストイックにコンクールに挑み続けた時期について言及され、多くの指揮者がターニングポイントに経験している奇跡を、簡単なマイルストンで見せてくださいました。これは、とても励みになりました。

■クラシック音楽の知識と勇気がもらえた講演!

後半では、講演の約1か月後に予定されている、読売交響楽団と亀井聖矢さんの共演で演奏される2曲、ベートーヴェン ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調Op 73 「皇帝」と、ブラームス 交響曲第1番の解説とともに、聴きどころについても語られました。これも、作曲家の顔が見える楽しいエピソードが盛り込まれていて、ずっと聞いていたいほど。

全体を通して雑誌の巻頭特集のような構成で、とても分かりやすく、楽しく魅せてくださいました。講演会場を出る頃には「よーし! 私もがんばるぞ!」と勇気凛々! 会場に行くことができてよかったです。


★101回目の投稿になりました★
ききみみ日記】というマガジンに、ここ数年のオペラ・クラシック演奏会の感想を毎日UPしてきました。
直近の演奏会はもちろん、ここ数年のSNSへの投稿を遡りながら、微調整しています。

ここで一旦、毎日投稿は終了。
この後は演奏会に行く都度、投稿させていただきますね。 是非お越しいただけますとうれしいです。
(2022年10月10日開始)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?