藤原希

食っちゃ寝が趣味です

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最近の記事

内診というものは

嫌である。 わたしは今、持病でいくつか病院に通っている。 そのうちのひとつが、子宮内膜症で薬を飲んでいる。薬がなくなる頃にやっとこやっとこ病院にいくわけである。 この病院は産科がメインというか、腕の良い先生なのでほぼ妊婦さんばかり。おばちゃん肩身狭い。置いてある雑誌がひよこクラブとかファッション系。おばちゃん週刊誌読みたい。 さて、今回も薬がなくなるので病院へ。しかし、前回言われたのだ。「2年経つし、そろそろ検査しよっか」 子宮がん検診である。毎年の健康診断でも2年に1

    • 推し推しからあげ

      からあげが好きだ。 好きな食べ物はと聞かれると、必ず頭に浮かぶくらいには、好きだ。 からあげ弁当なんて最高だし、パンに挟まってたら真っ先に選ぶし、油淋鶏とかチキン南蛮とかになるとご馳走だし、フライドチキンはカーネルサンダースと握手したくなる。ちなみにこの世でいちばん好きなのは、マックのチキンタツタである。鶏肉大好き。 そんなからあげは、自分で作るとなるとちとめんどうだ。揚げ物ってハードルが高い。鶏肉切ると手と包丁とまな板がギトギトして嫌だし洗うのも嫌だ。粉をまぶせばとっちら

      • 拝啓 世界でいちばん愛してる君へ

        拝啓 愛しい君へ 元気にしていますか? 君が虹の橋を渡ってもう12年になります。 わたしも年を取ったし、君の大好きなお母さんもそちらへいってしまいましたね。仲良く暮らしているでしょうか。 今日は君の命日。最近は少し月命日を忘れがちで、あんなに忘れたくないって思ってるのにね。お父さんはね、お母さんの月命日をこの5年忘れたことないんだよ。すごいでしょう。 君がわたしの元にやってきたのは、今から28年前の、わたしの誕生日でした。書いてて末恐ろしくなったね、28年前。 それま

        • 今年出逢った本たち2023

          今年読んだ本は550冊。読んだね。 とにもかくにも読んで、出逢うのが目的だったので熟読には至っておらず、そこは来年ということで。 知らなかった作家さんにたくさん出逢えました。自分の好みの傾向なんかもわかったりしました。 さて、そんな今年出逢った本たちの中からベスト10をご紹介致します。 去年のようにぶっちぎりでこれ!というのはなかったので、これよかったなあというものを。 ①光のとこにいてね/一穂ミチ 本屋大賞3位の作品。わたし的にはぶっちぎりでこれでしたけどもね。 なん

        内診というものは

          ブラックフライデーの思い出

          ここ数年でブラックフライデーも定着しつつあるように思う。黒字出す日なんだろ?という適当な認識しかないし、あまり買い物しない人間ではあるのだが、ブラックフライデーと聞くと必ず思い出されるのが、3年前のことだ。 世間はコロナ真っ只中。初めて迎える冬。不安しかない中、父の体調が悪くなった。 下血である。元々大腸にポリープがあり、取らなきゃ癌になるよ!と言われてるのに手術を怖がり放置した結果、その間に母を大腸癌で亡くしている身の上に。下血である。 来たか、である。 うすぼんやり

          ブラックフライデーの思い出

          秋、はればれ

          仕事が休みの日朝、寝てるところに父親が来た。 「おめ今日病院だが」 ちがいます予定ないです寝かせてください。答えると何をかブツブツ言いながら出ていった。そのまま寝た。 昼近く、よく寝たよく寝たと居間にいくと父親が少しうなだれていた。あ、これデジャヴ。体調悪いフラグ。 どっかわるい? 「耳聞けね」 はい!?なんですと!? なんで!?どして!? 「病院さ行ぐはんで車出してけ」 早く言え!! 朝の時点で言え!! 午後の診療なんだろけども。早く言いなさいよう。どこの病

          秋、はればれ

          30代をふりかえる

          月がかわった途端40歳になる。 なので、30代も今月いっぱいでお別れだ。 30代というこの10年間をふりかえってみようと思う。 まず思うのは、亡くなった人たちだ。 祖母を31歳の時に、母を35歳の時に亡くした。母に至ってはマジで早過ぎるよといいたい。 仕事は変わっていない。多分このまま変わらないんじゃなかろうか。 好きなものもあんまり変わってない。 30代はずっとK-POPを推しBUMP OF CHICKENを愛して歩いてきた。これもこの先も変わらず進んでゆく。

          30代をふりかえる

          命の選択

          あの時、選んだから今がある。 たとえそれが間違っていたとしても、『今』は正しく存在している。 あの選択は正しかったのだろうか、間違っていたのだろうか。そんなふうに考えてしまうことが、ひとつだけある。 つまりそれは、選んだ『今』に不満があるということなんだろう。 当たり前だ。だってそれは、最愛の母に関することだからだ。 今から5年前の春、桜が満開になった日に母は逝った。 亡くなる1年程前に、母は大腸癌の宣告を受けた。冬から体調不良が続き、病院嫌いの母もさすがに音を上げて

          命の選択

          お別れと、こんにちはと

          車が壊れた。 わたしは再来月に40歳になる。普通自動車免許をとったのは大学4年生になる春休み。就職活動を見据えてだった。 結果的に就職活動は失敗し、車に乗ることもなく30歳を過ぎた。35歳ゴールド免許で車を持つことになった。 母親が癌で治療中、もう公共交通機関で病院に通うのが難しくなり、毎回タクシーだった。毎日諭吉先生1枚ずつ飛んでいく。 うーむ。車があればなあ。 と呟いていたら、お向かいのおじさまが知り合いの車屋さんに頼んで手頃な車を見つけてくれたのだ。それが5年間

          お別れと、こんにちはと

          災害級大雨から一年

          1年経ちました。 被害という被害があったわけではないけれど、あの日を忘れたくないから記すことにします。 2022年8月9日火曜日、我が県は2日程前の大雨からまたもや大雨になるという予報が出ていました。線状降水帯の発生もあると。 しかしそうは言っても大雨でしょ?酷いのは県境の海の方でしょ?と軽く考えておりました。 朝から雨。なんと、隣の部屋が雨漏りしているのに気付く。なんちゅうこったい。 昼頃に買い物に出掛ける。途端にものすげえ雨。ゲリラだゲリラ。しかも止まない弱くもなら

          災害級大雨から一年

          暴力的だけど、好きなところ

          記事タイトルの危険度よ。 安心してください。何もDVなわけではありません。 暴力的な夏。10年に1度の暑さ。 そんなことをひとつ前の記事に書きました。 暴力的で湿度がやたら高くて体に堪える夏は好きじゃないけれど、夏そのものはけして嫌いではない。 暑くなるとやたらにクリエイティブなことをしたくなったり、散歩に出掛けたくなるのは夏を楽しんでいるから。 でもね、この暴力的な暑さではないんだよ。わたしが好きなのはちょっと前までの夏。最高気温28度くらいでお願いします。 好

          暴力的だけど、好きなところ

          40歳にして夏に大敗す

          夏である。 昨今の夏は暴力的で、40歳になる今年は特に『10年に1度の暑さ』であるという。確かに去年より暑い。 それがわかるのが、部屋の暑さである。我が家でいちばん室温が高くなる自室は夏暑く冬寒い昭和家屋の決定版とも言える。わたしの暮らす本州北端県はまだまだクーラー無しの家も多い。必要ないのだ、夜には涼しくなるから。我が家ももちろんクーラーはない。なんなら扇風機も20年くらい前に買ったもので動かしたら首飛んできそうで怖くて使っていない。あるのは団扇だ。団扇で夏に挑む。 そん

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          逝く時

          父の病院にひょこひょこついていった時だった。 普段から会話の少ない親子選手権では上位入賞するであろう我ら、椅子に座ってそれぞれ順番を待っていた。わたしは本を読む。父はもそもそ動いてわたしにイラッとされる。 そんな時。ふと、父が言った。 「あのあれ…床屋、逝ってまったね」 父がずっと通っていた床屋さん。父より10歳ほど年上の方で、友達と呼べる人物はいないと豪語する父と仲良くしてくれていた。 1度この病院で会ったことがある。向こうも何かしらの病気があるようだ。 去年くらいか

          どすどす歩くよ、アラフォーは

          余談だが(余談から始まるスタイル)、 はじめタイトルを『夏は短し歩くよババア』にしようとした。パクリ丸わかりもいいところである。次に考えたのが、『ババアは歩くよどこまでも』だった。これもよくあるし、ババアって怒られそうな気がしてやめた。気の小さい奴である。常日頃「あなたまだ若いでしょ!」と言われる職場に居る所以である。しかしわたしはまごうことなき中年である。 結果、このタイトルに決定した。余談終わり。 さて、本題に入るとしよう。 このあいだTwitterで、#/夏に読むな

          どすどす歩くよ、アラフォーは

          生まれて育って、この先も生きて

          細長い日本列島で、わたしの住むのは北のほう。桜の便りは例年GWに入る頃、であったのだけれども。 今年はめちゃ早で桜が咲いた。4月になったと思ったらあっというまに桜吹雪である。 こりゃまた観光に関係する人が泣くね GWに桜が見頃というのをずーっとやってきてるから、桜祭りとかそういうのもGW近くに開催なんだわ。こんなに早く咲くと、前倒しだGWはもう葉桜だどうするどうする、となるわけである。 まあ、地元民は気にせず花見いきますけどね。 そんな日本一の桜の街の近郊、生活圏内に

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          12年の時を経て

          東日本大震災から12年。 わたしは本州の北端に生まれ育ちましたので、あの日もそこにおりました。海沿い暮らしではないので津波被害はありませんでしたし、地震による被害もありませんでした。ただ、同じ県内でも津波被害もありましたので、被災地と呼ばれたかもしれません。 揺れは多分東京の方が強かったと記憶しています。停電こそしましたが、次の日には復旧しましたので、ほんとうに、軽いものでした。 なのでわたしが大きな声であの日を語るのもおこがましいかとも思われましたが、あの日を生きていた

          12年の時を経て