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青沼静哉
2023年6月28日 17:38
「小説北海道」は道民なら誰でも執筆に参加できます。道民のかたは以下の注意事項をよく読んでから執筆を開始してください。 特定の個人、集団、国家の誹謗中傷を目的とした表現は鮭てください。⒉ 過度に広告的な表現は鮭てください。⒊ 過度に変態的な表現は鮭てください。⒋ オリジナルへのリスペクトを欠いた著作権侵害は鮭てください。*道民とは?〔編集中〕純道民・現道民・元道民・心の道
2023年6月28日 17:40
第2章(承)『組曲』『ホカ』『ホカ』『道画』『流氷群』にノってみた 郵便局を出て、歩き始めてまもなく(緑色のリュックを背負った男が通過……)どこからともなく声がする。 自分のリュックがモスグリーンであることが頭をよぎった。 誰だ? 監視されている。 右肩は無反応。 つまり、声は耳から入ってきたようだ。 犯人はすぐにわかった。 警官だった。 小さなゲートの前で、小声で
2023年6月28日 17:42
第3章(転)シバれよわが泡沫、と毛ガニは言った 郵便局を出て、秋晴れの下を警官に見送られながら歩いていくと、ベンチに誰か座っているのが見えた。 スーツを着た細身の男。 依頼者だろうか。 だったらいいのだが、一般人なら今日は別のベンチにしよう。栗尾根が男の前へ差しかかると、男は目も合わさないうちにすっと立ち上っていた。「あれ、網羅……寒獄院さんですか?」 お待ちしておりました、と言
2023年6月28日 17:43
第4章(結)おめでとう、ありがとう、さようなら、いいのかよ、カイゾクたち 細く薄い果物ナイフが丁寧に熟れたマンゴーの皮を剥いていく。 剥き終わった黄金色の果実を白く長い指が捉え、薄い唇の奥に白すぎる歯の並んだ顎のほうへ運んでいった。「それ、おれに剥いてくれたんじゃなかったんですね」「あたりまえだろう。沖縄産だぜ」 旨そうに果実を頬張る鰐を横目で見ながら栗尾根は溜め息をついた。