穂高ハジメ

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穂高ハジメ

サークル:Gotta-ni novels. ( https://sites.google.com/site/gottaninovels/ ) 所属の物書き。 エッセイを不定期にマガジン『常夜灯だって豆電球』に投稿中。

マガジン

  • 常夜灯だって豆電球

    ぼんやりと滲み出る日々のひらめきを、エッセイ風味に仕立て上げていきます。不定期更新。

  • 美味しかった本まとめ

    美味しい本は美味しい。 備忘録を兼ねたマガジンです。

最近の記事

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母と私とデリバリー妖怪「えんこう」

 各家庭に必ずと言ってよいほど置かれていた固定電話。今ではスマホにとって代わられてしまったのか、目にする機会はめっきり減ってしまった。  今どきの親たちは、やはりスマートフォンでサンタさんと通話してみせるのだろうか?なまはげさんへの我が子の悪事報告も、LINEで済ませてしまったり…?色々と小芝居も打ちやすくなってはいるのだろうが、どうも自分には味気なく感じてしまう。  そんなことを考えているとふと思い出すのが、幼少期、当時やんちゃだった私がよく母から与えられていた恐怖の一言

    • 私の陰嚢はよく腫れる

       私の陰嚢はよく腫れます。  初めて腫れたのは忘れもしない、15年前の冬。父の誕生日を祝い、家族でささやかなパーティーを開いていた時のことでした。  食卓の上には普段は買わないような贅沢な総菜や割引シールのついたお寿司が並び、まるで帝国ホテルのバイキングのようです。  唐揚げをひとり1パックずつ食べてよいなんて!いまの若い方には信じられないかもしれませんが、当時の人々にはめったに出来ない極上の贅沢でありました。  どれを食べても美味しい!最高の晩餐です。  そんな楽

      • 僕と炎症と「8」の話

         足の裏外側の真ん中辺りがどうにも痛い。  揉んだり撫でたり摩ったり、果てには湯たんぽで温めながら寝てみたりと様々を試してみましたが……どうにも良くならない。しまいには歩くのにも支障をきたし始める始末。  痛み方や部位を元に調べてみた結果、「短腓骨筋腱付着部炎」というのが私の今の症状にピタリと当てはまりました。  本来はバリバリのスポーツマンがトレーニングのしすぎでなってしまう……いわゆる”故障”というやつなのでしょう。私のように食って寝てゲームして寝るだけの半分(?)

        • ミニカーに自我が芽生えたときの話

           幼い頃の私がミニカーを人間だと思い込んでいた話は以前にもした通りですが(「僕とミニカーと”人間”と」参照)、今回はその続き。  ミニカーに自我が芽生えた時の話です。 ※「僕とミニカーと”人間”と」を読んでないと、少し分かりづらいかもしれません。↖にリンク貼ってますのでお時間よろしければ先にどうぞ※  ミニカーが人間であるという偉大な発見をしてしまった私は、それ以降、学校から帰るやいなやミニカーさんたちをおもちゃ箱から引っ張り出し、戦争ごっこやらおままごとやらに興じる日

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        • 常夜灯だって豆電球
          16本
        • 美味しかった本まとめ
          1本

        記事

          美味書籍①ピーター・ゴドフリー=スミス著 夏目大訳『タコの心身問題』2018年

           読書歴の浅~~い私ではありますが、気に入った本に関し、備忘を兼ねて読後の感想エッセイ的なものを記してみようかなと。  そんな風に思い立った次第でございます。    記念すべき第一本目は、つい先日読み終えたばかりの書籍、『タコの心身問題 頭足類から考える意識の起源』(みすず書房)。  「(思考/認識/記憶の集合体という観点での)心」について・・・その正体とは一体何であるのか、またその起源はどこにあるのか。そういった事柄を考えるための手がかりとなる一冊。 (みすず書房

          美味書籍①ピーター・ゴドフリー=スミス著 夏目大訳『タコの心身問題』2018年

          「主人公」になりたかった私の話

          主人公の方程式 ゲームにおける「主人公」というものは、何故だか知らないが歩くスピードが異常に速い。  名もなきNPCたち・・・ノロノロと歩く、というよりはむしろ這いずるようなスピードでどこへとも無い無為な移動を続ける彼らの間を、しかし彼らを一瞥もせずスイスイと闊歩する主人公。ゲーム画面を眺める私に電流が走った。これだ、と。  何を隠そう、私は何かの「主人公」になりたかった。いや、今でもそうだ。私は主人公になりたい。  その為ならば(無理ない程度で)いかなる努力も惜しま

          「主人公」になりたかった私の話

          僕とミニカーと「人間」と

           何よりも先ず最初に。これだけは伝えておきたい。  かつて私のクラスメイトはミニカーであり、ミニカーは私のクラスメイトであった。 と。 ※重度の下ネタを含みます。ご注意下さい。  今回はミニカーについてのエッセイ。小学生の頃の私の「趣味」のお話をさせていただきます。  当時の私は、それはそれはクルマが大好きでした。  クルマ・・・というよりはトミカが、と言った方が正しいやもしれません。誕生日がくれば両親に新しいトミカをねだり、誕生日が来なくともトミカをねだり・・・。

          僕とミニカーと「人間」と

          あかい硝子

          ※[前回]に引き続き、金赤硝子についてのエッセイ。赤い硝子は人を魅了するんです。  小学生の時分、「たからもの」を集めるというのは私の大切な業務のひとつであった。我が家に設置された『宝箱』には、各所より拾い集めてきた数多のお宝が仕舞い込まれており、これを撤去せんと目論む母とは日々熱い戦いを繰り広げていたものである。  形の良い木の棒につるつるの小石、ネジにボルトに錆びたバネ…。そんなに集めてどうするのかと問われても当時の私には答えることは出来なかっただろう。集めたいから集

          あかい硝子

          金のガラス

          「金」を材料とする硝子があることをご存知だろうか。 パッ…と香り付くように鮮やかで、しかし触れれば壊れてしまいそうに繊細な、澄み渡った赤い色の硝子である。 「金赤」…と。そう呼ぶらしい。 詳しくは こちら (ガラス工芸広場HP、http://www.glass-kougeihiroba.jp/arekore/index03.html)に記載されている通りであるが…なんとこの「金赤」、加工に王水を使用するのだとか。 金に王水…ド文系の私には、なんともロマン溢るる

          金のガラス

          桜の花は 別れの栞

           ―――そんな歌詞の曲があちらこちらから漏れ聞こえてくる季節になった。  別れの季節は同時に出会いの季節でもあるんだ・・・なんて安っぽい言葉を聞いたことがあるが・・・そもそもが人の心はプラスの記憶よりもマイナスの記憶の方がより強く刻み込まれやすいように出来ているのだ。  春は、別れの季節。間違いない。 ―――――この文章は半フィクションです  先日、私は大学生としての3年間を共に過ごしたと言っても良い大親友の卒業式を観に行くこととなった。私は浪人組のため、同い年の友人

          桜の花は 別れの栞

          「●んぽ材」ってなぁに? ―明日使えぬ豆知識①―

           前回の更新から、実に2か月ほどの期間が空いてしまいました・・・。  これまでの遅れも取り戻すべく、この1カ月は昨年以上の勢いでもって、毒にも薬にもならぬ文章をただひたすらに書き連ね通す所存でございます・・・。あなかしこ。  さて、そんなわけで今回は小学生もビックリな豆知識。  江戸時代の林業についての うんちく で御座います。どうでもいいですが今「く」って書くか30秒くらい迷いました。うんちうんち。  閑話休題。  江戸時代から明治時代にかけて、生産された原木(=

          「●んぽ材」ってなぁに? ―明日使えぬ豆知識①―

          言の葉を「紡ぐ」ということ。

           言の葉を紡ぐ、ということ。  話すとき。書くとき。思考の海の中で、曖昧なままにふんわりと漂う「もや」の中からピッ・・・と、細く洗練された一筋を引き出してくるということ。  紡ぎ出された言の葉は、糸となり、紡ぎ手の「意図」としてその色、長さ、太さを他者からつぶさに観察されることとなる。衆目にさらされた糸は、しかし、その様相を紡ぎ手の「意図」そのままに見てもらえるとは限らない。  故に、慎重に。しかし迅速に。  一生をかけて紡ぎ出された言の葉は、無数の糸としてあなたの周

          言の葉を「紡ぐ」ということ。

          調理法に「どう考えたら コンビニの三景」(東京都 21歳学生男性)

           ※本記事は朝日新聞に投書されたエッセイ「どう考えたら 新幹線の三景」をリスペクトしたものです※  11月も半ばの秋の夕暮れ。学校帰り、腹が相当に減っていたので最寄りのセブン-イレブンに寄ってみた。  お世辞にも広いとは言えない店内ではあったが、薄暗い外の街路とは対照的に煌びやかな店内には、所狭しと陳列された品々が彩りを加えていた。  ふと見ると、壁際の冷蔵陳列棚の一角にパック詰めされたおかず商品のコーナーが据えられており、その中にとりわけ目を引く「サバの塩焼」。  

          調理法に「どう考えたら コンビニの三景」(東京都 21歳学生男性)

          第27回文学フリマ東京 参加レポ

           2018年11月25日。  東京流通センターにて開催されました第27回文学フリマ東京!私の所属するサークル Gotta-ninovels. もバッチリ出店させていただいておりました。  まずはブースにお越しくださった皆様。本当に、本当にありがとうございます。  今回も様々な形で、多くの方に私たちの本を手にして頂くことができました。  自身の本を手に取って頂けるということは(端くれでしかないとはいえ)、一応「物書き」の一人である私にとりましては、これ以上ないほどの至福

          第27回文学フリマ東京 参加レポ

          ”Challenge”の中に”Change”を見る

           「Challengeという綴りの中には、“Change”という単語が含まれている。挑戦の中にこそ、変化は存在する。挑戦しなければ、変化はない」    私の所属するゼミの教授が、何かの折におっしゃっていた言葉です。  まあもっとも、これ、教授自身の言ではなく教授が誰かから聞いただけの受け売り言葉らしいんですがね。HAHA。  いや、それはともかく。確かに良い言葉ですよね。  先週の記事でも書いたことですが・・・2年前、新しい事への挑戦として、私は友人と共に「同人誌即

          ”Challenge”の中に”Change”を見る

          休日を「長く」するために

          最初の一歩が踏み出せない。 取りかかりさえすれば後は全てがトントン拍子に進むという事を知っていたとしても、です。 今日は日曜日。 普段から十二分に暇をもて余しているような文系大学生の私にだって、週末特有のウキウキは等しく訪れます。 何をしよう。何でもできるぞ。アキバに行こうか?いや、図書館にしようかしら?いやいやボウリング、いやいやいや昼から酒場に入り浸って……。 妄想は金曜日の夜から膨らみ続け、そして今日の朝。最終的に私が下した結論は、 「…まあ家で

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