飯田隆『言語哲学大全』より
「デカルトを始めとする近代の哲学者たちにとって、概念の明瞭化に至る道は、個々人の心の内省によって見いだされるとされる、観念(idée, idea, Vorstellung)の明晰化・判明化にあった。「明晰かつ判明な観念」の獲得は、デカルトからカントに至るまでの哲学者たちにとって、概念を解明するためのもっとも重要な手段であり続けた。たしかに、観念を他人に伝達するためには、言語を用いざるをえない。だが、言語は、観念を表現するための手段に過ぎない。言語を不注意に用いることは、せっか