デリダ『他者の単一言語使用』より

「〔…〕真実を問題化している以上、あなたの言うことは真ではないし、そうさ、あなたは懐疑論者で、相対主義者で、ニヒリストで、つまりは真面目な哲学者なんかじゃないのだ! もしあなたがそのまま事を続けるなら、人はあなたを修辞学あるいは文学の一部門に押し込むことになるだろう。もしあなたがなおもこだわるなら、断罪ないしは追放はいっそう深刻なものとなりかねないし、人はあなたを詭弁術という部門に幽閉することになるだろう。というのも、実際にあなたのしていることは詭弁術に属しており、嘘や偽誓や贋の証言から決して遠くはないからだ。あなたは自分がなにを言っているかを考えていない。われわれを惑わそうとしているのだ。」

ジャック・デリダ『他者の単一言語使用 あるいは起源の補綴』守中高明訳、岩波文庫、2024年、18〜19ページ。

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