檸檬日記

後悔ばかりしている

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  • ライトエッセイ

    特に思い出に残ってる出来事たち

最近の記事

来世

可能ならば来世はお父さんとお母さんの親になって、もらった幸せ分幸せにしたい もしも親よりも早く死んでしまったらせめて二億円くらいになって使って欲しい

    • おじいちゃんのガチャポン

      近所のクレジットカードの使えない文房具店の前には、100円でスライムが買えるような古びたガチャポンがまだ置いてある。新宿ではこんなおもちゃにはもう子供は見向きもしないのだろう。カプセルの山が減らないのを毎日出勤時に確認してしまう。そして世界で一番優しいおじいちゃんのことを思い出す。それは祈りに近い。 今思えば、お母さんがたのおじいちゃんおばあちゃんの家は大学生向けの学生寮をしていた。(子供の頃は理解していなかった) だから二階にはたくさんの部屋があったしお風呂も、食堂も2つ

      • しば犬30万円

        怒っている訳じゃないし誰かに何かをされたわけでもないのに怒ってしまうことがある。八つ当たりしないけど何かがとても憎い。 ずっと昔、高村光太郎の智恵子抄を読んで  天然の向こうに行ってしまった智恵子 人間商売さらりとやめて などと描かれた智恵子みたいになりたいと思ったはずなのに、生きれば生きるほどいらないものを感じる。 いつになったら捨てられる日が来るのだろう 近所にあるペットショップでかわいい子犬が30万円で売られている。いつも夕方は寝ていてこちらを見ることはない

        • 柔らかいとげ

          柔らかい棘は刺さって仕舞えば抜けにくい じんわりと皮膚の下にあることだけ感じてずっと刺さっている ピンセットで取ろうとしても頼りない振りをして 時に先がトカゲの尻尾のよう残る 五円玉で押し出したかったのに 柔らかい顔で私を確実に傷つける そんなものが厄介だと、みんないつ気がつくのだろう たった一つの失言よりもそんなものが厄介だと その棘を埋める大きな奴らはこっそりと私たちを操ると いつになったら気がつくのか 埋められたチップの通りに動く馬鹿たちに飽き飽きす

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        • ライトエッセイ
          5本

        記事

          つまらない

          ノートの記事を読むたびにつまらなくて悲しくなる これは文ではなく記事です 自我を削ぎ落としてしまったほお肉のない文です これで生きていけるひとといけない人の狭間で 私はいつも揺れてる さよならと言って仕舞えば簡単だけど、そう言った人に救われる瞬間もたくさんあって 切り捨てたい怒りも覚える いつまでも劣等感が大きいくせに熱中してしまうそんなものに

          つまらない

          2/3 髪を乾かす

          私のできないことに髪を乾かすことがある。 髪を乾かすのはとても面倒くさい、まず両手が塞がってしまう。しかも眺めるものは鏡に映る自分。髪の水分が蒸発して重量が軽くなるのを眺める。本当につまらないイベント。 髪をまとめてもう少ししてから乾かそう、、、そう思って時間が経つと私の髪はすっかりバサバサになっている。 髪を乾かさないで寝ると地肌にカビがはえると言われたことがある。だからドライヤーは丁寧に地肌に当てる。奇妙なことに頭をマッサージするのは嫌いじゃない。血行が良くなります

          2/3 髪を乾かす

          2/2 メルカリ

          部屋にあるものをメルカリに出すようになった。探してみると使ってないものがたくさんある。一つ一つ写真に撮って値段をつける、静かなお別れの儀式のよう。このお財布を持って海外旅行に行った。この札入れには海外のお札が入ったことがあります。そんなことをコメント欄に描きたくなる。 買う人には非常にどうでもいいことである。 冷静になってノスタルジックな文を消した。大きさ、厚み、定価 そんなつまらないけれど機能的な情報ばかりを羅列させる。 私の手を離れる瞬間に何者でもなくなってしまう私

          2/2 メルカリ

          1/28

          あっという間に一月が終わる。この日々が手の隙間からこぼれ落ちるような感覚がとても好きじゃない。こうやって気がついたら死んでしまうのがとても怖い。やりたいことは書いておかないと忘れてしまう。 あるバグをとるためにサーチしてその先で私の知らないことに出会ってさらにそれを調べ出してしまう。気がついたらゴールが見えなくなるところが私の生き方だ。一つ一つ重ねていくしかないので毎日ひたすらノートに記録している。読み返すとその記録でさえ補えない時間も見つかって困惑する。 一本の道をいく

          soldes

          年越し前と年明けのセールで買ったものを書いておく。 コロナのこともあってデパートで買い物をするのは久しぶりだったけど、二次元の画像から似合うか類推しなくちゃいけないオンラインより三次元の買い物買い物はいい。 大体買う場所は決まっている。 結果的に買ったものは、アニエスべーのオーバサイズの黒いコート、ポロラルフローレンでネイビーに赤でPOLOロゴの入ったコットンニット、アニエスでゴールドのフロントボタンのブラックカーディガン、ハイネックで閉じたらトップスとしても着れそう。

          12/25花火大会

          花火が五分間だけ上がるということで、父と母と二回のベランダに上がった。今年はコロナの影響で、場所が公にされていなかったけど、予想通り観光港の方から上がっていくのが見えた。他にも二箇所から、一気に三箇所でクリスマスの花火は開催されたようだった。父と母と花火を見たのはとても久しぶりだったと思う。小さい頃は縁日の出店でイカ焼きを買ってもらいながら見ていた。いつの間にか友達と行くようになったけれど。 花火を見ていると隣の家の人もベランダから見ていてきれいねと声をかけてきた。家のまえ

          12/25花火大会

          12/21

          夢の中でお祭りを企画した。みんなで盆踊りを踊る。こんな記憶はないはずなのに。着付けをしてあげてかわいい女の子たちの写真を撮った。お菓子もあげる。起きてから、チェキ代とかで稼げるかなと思った。

          12/20

          地元に帰ってくると不思議と空を見ることが増えている気がする。 高村光太郎の詩 あどけない話の 「智恵子は東京に空が無いといふ、ほんとの空が見たいといふ。」 という一説がなんとなく頭に浮かぶ。 東京に空がないなんて思ったことはないのに。東京の家のベランダから見える空は飛行機を追っても向かいのマンションに遮られてしまう。何にも邪魔されない真上の空を覗くにはベランダの手すりから身を乗り出したらいいのだけど、手すりをきちんと拭いておかないとお気に入りの白いフーディーには薄いすすの

          ひとりずもう

          ひとりずもう はさくらももこさんの自伝的な漫画のタイトルだ。まるちゃんでおなじみちびまる子ちゃんより少しだけ、情緒が揺さぶられるのは多分ちびまる子ちゃんよりもリアルが書かれてるからだと思う。 大体ひとりずもうというタイトルがすごくいい。他人から(人生を長く送ってきている親からも)見たら大したことのないくだらない心の葛藤が細かく書いてある。目を背けたくなるくらい。大体人生は格好悪いけど、それを自分が勝手に感じている他の人隠したい気持ちが強くてひとりで右往左往するのが思春期なん

          ひとりずもう

          セミの羽化

          時間があると考えてしまうことがある。今の私を高校生の私が見たらどう思うんだろうか。あの頃の私は23過ぎたら大人だと思っていたのに、今日も私はトイレットペーパーを切らした。自分が失敗するたびに母の顔が脳の中に浮かぶ。 「ちゃんとしなさい。」私はいつもちゃんとしたいと思っている(し言っているらしい)。何をどこまでを成長というのだろう。 小学生の時住んでいた団地で、お母さんが羽化しかけのセミを見つけてきてくれて、深夜に見に行ったことがある。懐中電灯に照らされたセミの体は、白っぽく

          セミの羽化

          おじいさんの森

          貸し出しカードの上限は10冊だった。 私と妹と弟とそれからお父さんとお母さん、5人分のカードで 50冊も借りることができる。 兄弟がいてよかったと思いながら、真剣に本を選んでいた。 こまったさんシリーズも借りなくちゃいけないし、 斎藤羊さんのシリーズも借りなくちゃいけない。 借りれる期間は10日間だけど、おかあさんが連れてきてくれるのは たいてい木曜日だから一週間で持ち越さなくていい量を選なくてはいけない。 もちろん延長することもできたけれど 一回返却してすぐに同じ本を借り

          おじいさんの森

          おじいちゃんとガチャポン

          今思えば、 お母さんがたのおじいちゃんおばあちゃんの家は 大学生向けの学生寮をしていた。 だから二階にはたくさんの部屋があったし お風呂も、食堂も2つあった。 いつも使わない方の食堂のレンジに グラタンがはいっていたことがある。 じっと見つめていたら後ろにしらない男の人が立って困った顔をしていた。 お風呂が湧いたことを 知らせる放送をするためのマイクもあった。 一度祖父母の代わりに ”オフロガワキマシタ” をしたことがある。 祖父母の言葉を真似してキャッキャと笑っていた

          おじいちゃんとガチャポン