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真っ直ぐな姿勢と水泳奥義

 小学校から高校まで、水泳部でした。種目はクロール。当時の常識としては、「額で水を切る」のが水泳の基本でした。
 練習では、斜め前のプールの底を見つめながら、泳いでいたわけです。
 ついでに、高校生の時には、遠泳の大会に出たことがあります。7キロをクロールで2時間ほどで泳ぐのです。準優勝2回。
 左右に背筋が曲がっていると、海ではコースロープがないので、正しい方向から、それてしまいます。
 あんまりひどいと、いつの間にか、スタート地点に向かっていたりして。仲間には、本当にスタートした浜に、向かってしまった者がいました。
「おーい、どこ行くんだよ」
 みんなで声をかけたものです。
 これ、本当の話。
 幸い私は曲がらず、プールの中では勝てなかった者に、海で勝ったりしました。自分としては、これは姿勢がよいからだと思い込んでいました。
 以後、ずっと水泳の姿勢には、自信がありました。
 ところが、水泳部を卒業して何十年も経ってから、スポーツジムの室内プールで泳いでいるうちに閃いたのです。
 クロールを、額で水を切らずに「脳天の真ん中」で水を切ってみよう。
 なんと、体が水にのっていくではありませんか。
 実に軽く進みます。
 クロールで前進するときの水を切る位置を、頭の中央、つまり体の中心軸に合わせてみたわけです。
 目は真下のプールの底を見ています。前を見ていないので不安はありますが、息継ぎで横のコースロープを確認して進めばいいのですから、まっすぐ泳ぐのは簡単です。
 つまり、脳天で水を切ることで、反り気味だった『腰が水平』になったわけです。体の正中線に沿って真っ直ぐな姿勢にしたら、水の抵抗が大きく減って、楽に泳げるようになったのです。
 こんな簡単なことが、今までわからなかったのか。
 現役部員の時に気がついたら、もっと早く楽に泳げたかもしれません。自分の姿勢は正しいと過信して、工夫をしなかったわけですね。
 最近、腰痛で整体師に姿勢を確認してもいました。
 猫背だったり、逆に腰を前傾して反り返っていたり。なかなか正しい姿勢がみつかりません。
 整体師の指導を受けながら、以前、運動不足解消に泳いでいた時の閃きを思い出した次第です。
「まっすぐな姿勢とは、まさに水の抵抗がない」姿勢であると。こう悟ると、水泳が姿勢の矯正になるのではないでしょうか。
 ぜひ、お試しを。
 私も久しぶりに水泳に行ってみようかな。まてよ、高校生の時に気が付いていたら、優勝していたんじゃないのか。 
 もう遅いよ。
 


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