Yusuke | ひととき &いとなみ

福島県西会津でゲストハウスを夫婦で運営しています。ゲストハウスのあれこれや、地域での新…

Yusuke | ひととき &いとなみ

福島県西会津でゲストハウスを夫婦で運営しています。ゲストハウスのあれこれや、地域での新しい取り組みなどについて書いていきます。ご一読いただければ嬉しいです(^^Twitterもやってます。@itomami_10

最近の記事

私設図書館を私設公民館に再構築した話

こんにちは。「私設公民館いとなみ」館長の佐々木雄介です。 みなさんは私設公民館と聞いてどんな場所をイメージしますか? 「公民館」は自治体が運営している公的な施設のイメージが強いかもですが、それを「私設」ってどういうこと? カルチャーセンターのようなイメージ?若い人が集まっているイメージはあんまりない? たぶん人によって様々なイメージがあると思いますし、それぞれ違くていいのだと思っています。そんな懐の深さを求めて、私たちも「私設公民館いとなみ」を日々試行錯誤で運営しています

    • 私設図書館をつくってみた

      佐々木雄介です。 福島県の西会津町・上野尻集落で、ゲストハウスひとときを運営しています。このたび、ひとときから徒歩3分の空き家を活用して、2021年6月19日(土曜)に私設図書館をオープンしました。 様々な営みが生まれ、育つ場所新しく立ち上げた場所は、”多世代向けワークプレイス「いとなみ」”と名付けました。地域や住民の日々の「営み」が積もり、今の暮らしや景観、いわゆる私たちの日常が形作られています。その日常をさらに豊かにするための「営み」が生まれ、さらに育っていく場所であり

      • 器用貧乏から「地域の絆創膏」へ

        最近、私たちが暮らす西会津町には移住者が増えつつある。 その大きな理由の一つが「NextCommonsLab西会津」の存在だろう。 NextCommonsLabは「ポスト資本主義」の実現を目的に、地域に大小の起業やプロジェクトメイクを目指す仕組みで、地域おこし協力隊の制度を活用している。(だいぶざっくりした解説なので、詳しくは以下をご参照ください) その西会津版が昨年立ち上がり、今年はその起業候補者たちがメンバーとして参画してきている。私が移住した2017年に比べると、西

        • アフターコロナのローカル新時代に向けて

          Switch版「集まれどうぶつの森」がやりたい。 でもswitch持ってないので、せっせと現実世界で自宅の庭を整備している今日この頃です。 さて、いつ「アフター」が来るのかまったく見通しはたたないわけだが、 いつか来るだろうコロナの「アフター」に向けて準備をしていきたい。 コロナによる問題提起唐突だが、今回のコロナウィルスが明らかにしたことは、都市の人口密度がリスクであり、それを前提にしてきた経済構造にも限界がきている、ということだと思う。100%全員ではないにしろ、選択

        私設図書館を私設公民館に再構築した話

          ロゴできましたー!

          まだ立ち上げたばかりの事業「いとなみ」ですが、このたび、ロゴができあがりました! 地域の「営みづくり」を通して、人のつながりを創出していく、そんなイメージを込めてデザインしていただきました。 デザインは同じ西会津に暮らす、小柴絵美裕さんです! そして改めて、いま計画中のいとなみの事業についても備忘録として残しておこうと思います。 1.農村における仕事環境の創出 コワーキングスペースや、オフィス、はたまた住居まで、空き家を活用して農村で心地よく働ける環境を整備していき

          夫婦で事業運営する上での役割分担 〜case of ひととき〜

          いま、目の前で奥さんが11月のイベントを一気に立ち上げている。 (写真、リトリート、落語、イタリア料理、パンとチャイ、テントサウナ、などなど) 奥さんはもともと心配性な性格だが、10月は集落のお祭り等もあり、あまり売上がたたなかった反動かもしれない。おかげでなんとか無事年を越せそうだ。いつも感謝である。 全国のゲストハウスには、夫婦で運営しているゲストハウスも多いと思う。そして、これからゲストハウスを始めようとする夫婦も多いことだろう。 そんな皆さんといつか「夫婦で事業運

          夫婦で事業運営する上での役割分担 〜case of ひととき〜

          田舎コワーキングに必要なものとは?

          いま、人口400人の過疎高齢化集落にコワーキング兼シェアオフィススペースを作ろうとしている。 あったら嬉しいという声はちらほら聞くし、自分も欲しているので、需要はゼロではないものの、果たして事業として成立するかどうかは結構厳しめな事案な気はしている。 そもそも、働く場所に縛られずにコワークする人材が地方には圧倒的に少ない。地方で成立しているモデルを探しても、新幹線アクセスが可能な地域や、人口数万規模の「市」レベルの市町村がほとんどで、人口6000人の西会津町と同規模の事例

          田舎コワーキングに必要なものとは?

          地域の営みに寄り添うチャレンジを 〜イトナミ〜

          このたび、個人事業主として登記をしてきた。 屋号は「イトナミ」 地域の「営みづくり」を仕事にしていきたいと思って名付けた。 なぜあえて「営みづくり」としているかと言うと、個人的な思いとして、「まちづくり」という言葉に最近違和感がある。 まちは誰か一人、どこかの企業がつくるものではなく、そこで暮らしている住民全員で結果として作り上げるもの、と考えている。ましてや、よそ者の自分がまちづくりなんておこがましくて、言えたもんじゃない。これまで町を作り、育ててきた住民のみなさん

          地域の営みに寄り添うチャレンジを 〜イトナミ〜

          助成金から考える、事業の「純度」のはなし

          最近、あいちトリエンナーレに対する文化庁の助成金不交付が話題だ。 7800万円の全額を不交付というインパクトは、運営側には甚大なるものだと想像に難くはない。(個人的には、金額の大小ではなく、全体運営費の何%なのか気になるとことだが) 私はアートに関しては素人なので、この件に関してどう着地すべきかに言及するつもりはない。運営側に配慮が足りなかった部分もあるだろうし、文化庁側の後出し感もいなめない。おそらく、双方の歩み寄り不足と、そうできない状況を作ってしまったこと自体に問題

          助成金から考える、事業の「純度」のはなし

          「移住」の本質と「暮らし」 〜暮らしをシェアするための装置としてのゲストハウス〜

          みなさんは「移住」という言葉からどんなイメージを持ちますか? 私自身、西会津町の中では「移住者」という属性になり、仕事でも「移住担当」として「移住」を希望する人たちのコーディネートや空き家の相談をしておりますが、今更ながら、そもそも「移住」って何だろう?という疑問を感じてしまいました。 一昔前の、移住=田舎での自給自足のスローライフでしょ? というイメージはだいぶ薄れてきたように思いますが、馴染みの無い人もまだまだ多いと思います。 「引っ越し」と何が違うのでしょうか。単

          「移住」の本質と「暮らし」 〜暮らしをシェアするための装置としてのゲストハウス〜

          私たちのゲストハウスひとときについて【開業編】

          私たちが夫婦で運営しているゲストハウスひとときについてもせっかくなので紹介させてください。今回は【開業編】と題して、どんな物件か、どんな許可で営業しているのか、などお伝えしようと思う。 福島県の北西部、西会津町の上野尻集落で2018年5月にオープンしたゲストハウスひととき。20年間空き家だった元桐下駄屋さんをリノベーションし、自分たちの住居兼ゲストハウスとして使わせていただいている。 "ゲストハウス"と冠はつけているが、営業許可としては「農家民宿」である。改修資金が潤沢で

          私たちのゲストハウスひとときについて【開業編】

          地方の空き家利活用の現状について(西会津町上野尻集落のケース)

          全国で問題になる空き家問題。私たちが暮らす上野尻集落も例外ではなく、年々空き家が増えたり、解体して更地になるケースが増えている。それぞれに事情はあるだろうが、壊してしまうと昔の趣は元には戻せないだけに、とても残念なことである。 私たちのゲストハウスは20年空き家だった物件を賃貸で活用させてもらっているのだが、地方において、実は賃貸を許諾してくれる空き家は非常に少ない。(西会津町における感覚値ではあるが、他の地域はどうなのだろう?) 空き家の現在の所有者は60代前後の世代で

          地方の空き家利活用の現状について(西会津町上野尻集落のケース)

          ゲストハウスにAIのシンギュラリティは来るのか?交流型ゲストハウスの可能性を考えてみる。

          今日は、新潟でビール醸造をやっている友人と話すことができた。ビールイベントの企画や、西会津独自のクラフトビールの可能性など、とても有意義でワクワクする時間だった。 その中で、醸造業界にも全自動化、その先にはAI化の可能性もあるらしく、将来的に醸造業に人が介在する余地はあるのだろうか、という話になった。 確かに効率面では、製造業という観点だけで見ると全自動化の可能性・意義は高いように感じる。 しかし、それが売れるかどうかという点では、疑問が残る。 いかに美味しかろうと、作り手

          ゲストハウスにAIのシンギュラリティは来るのか?交流型ゲストハウスの可能性を考えてみる。

          街道×ゲストハウスのポテンシャルについて

          昨日の投稿で、"ゲストハウスとまちづくりのジレンマ"について書いた。 「まちづくりが目的ではない」と書いたわけだが、関心がないわけでも、おざなりにしているわけでもなく、バランスの話であり、まちづくりに関する本も好きで読んでいる。 先日読んだのが、株式会社グランドレベル代表の田中元子さん著の「マイパブリックとグランドレベル」である。 株式会社グランドレベルは、「1階づくりはまちづくり」をモットーに掲げ、建物の1階(グランドレベル)のポテンシャルに注目した事業を展開している。

          街道×ゲストハウスのポテンシャルについて

          ゲストハウスとまちづくりのジレンマ

          地方でゲストハウスをやっていると、必ずと言っていいほど、「まちづくり」や「地域活性」とセットで語られる。 もちろん、結果的にそういうものにつながることは意識しているものの、私たちはそれ自体を目的には据えていない。 とはいえ、地域に遊びに来てくれるお客さんたちに充実したひとときを過ごしてもらえるコンテンツを作る・整備する過程では地域全体の課題や魅力向上に向き合わなければならないわけで。 このジレンマと向き合った1年でしたが、悩んだときに大事にしてきたのが、発酵デザイナー小倉

          ゲストハウスとまちづくりのジレンマ

          地方におけるゲストハウスの意義を考えてみた

          ゲストハウスを1年ちょっとやってみて、地方においてこそ、ゲストハウスを運営することが「オーナーにとって」とても意義のあることだと感じている。 ※ここで言う「地方」とは、現在自分たちが暮らす人口1万以下の自治体を指して書いてます。もちろん自治体によって状況は違うので、あくまで私の主観です。(私の暮らす西会津町は、人口6200人・高齢化率47.2%) 私も妻も大学から新卒、その後数年を東京で過ごしていた。 東京は昔も今も、多様性の宝庫であり、意思さえあれば学びの場にアクセスす

          地方におけるゲストハウスの意義を考えてみた