見出し画像

私設図書館をつくってみた

佐々木雄介です。
福島県の西会津町・上野尻集落で、ゲストハウスひとときを運営しています。このたび、ひとときから徒歩3分の空き家を活用して、2021年6月19日(土曜)に私設図書館をオープンしました。

様々な営みが生まれ、育つ場所

新しく立ち上げた場所は、”多世代向けワークプレイス「いとなみ”と名付けました。地域や住民の日々の「営み」が積もり、今の暮らしや景観、いわゆる私たちの日常が形作られています。その日常をさらに豊かにするための「営み」が生まれ、さらに育っていく場所でありたい。そんな想いを込めて「いとなみ」と名付けました。

対象は子どもだけでなく、大人にこそ使って欲しい場にしたいと考えたので、あえて冠を”多世代向けワークプレイス”とし、開かれたオープンな場所にしていきたいという想いも込めさせていただきました。

画像6

具体的な機能としては、1階を私設図書館、2階がシェアオフィスです。1階は誰でも自由に使える場所で、本を読むだけでなく、子どもたちが勉強したり、大人が資格試験などの自己学習に使ったりできます。もちろん図書館なので、本の貸出もしています。

2階のシェアオフィスは本記事執筆時点でまだ改修中で、2021年7月オープン予定です。

なぜ図書館か?

私がここ最近で一番影響を受けた本「マイパブリックとグランドレベル」

世の中には、まちをつくり、地域をつくるための、さまざまな手法がありますが、私たちの特徴は、多くのポテンシャルを秘めているパブリックとプライベートの交差点であるグランドレベル(1階)と、潜在的にひとびと(個人)が持つ能動性を引き出すことに注力します。
(グランドレベルHPより抜粋。http://glevel.jp/approach.html)
日本は、グランドレベル(1階)のポテンシャルをないがしろにしてきました。もっと人が佇める、たくさんの会話が生まれるグランドレベルをつくることができれば、さまざまな効果が期待できます。

まず、人々のまちでの滞在時間が増え、行動範囲は広がっていきます。同時に、まち全体に対する経済効果も高まっていきます。日常的にひとがまちにいる光景は、次々にさまざまな社会的メリットへとつながっていきます。軒先から、あらゆる施設の建築、都市づくりのルールまで、その伸びしろは、果てしなく広がっています。
(グランドレベルHPより抜粋。http://glevel.jp/approach.html)

この本を読んでから「公共空間」に興味を持ち、どう自分たちの生活圏の中にパブリックを成立させるか、考えてきました。

図書館の根幹でもある「本」はどこの家にでもあるものだし、コミュニケーションツールになるのではという仮説があったので、本×パブリックをグランドレベル(1階)で実現できればと構想(妄想?)を少しずつ形にしてきました。

本を介する場所の選択肢としては、本屋、古本屋、ブックカフェ、様々な形態があるが、最終的に「図書館」に着地したのは、「ノルマを背負いたくなかった」のが大きいです。

本を販売する場所になると、運営費を捻出するためには、ある程度の「量」を販売しなければならない。これでは、そもそもパブリックとしての居心地の良さ、誰でもどんな滞在スタイルでも許容することができなくなると思いました。

そんな時に出会ったのが 静岡県焼津市の土肥さんの記事でした。

この記事を読んで「図書館」の実現を決意しました。
もちろん、土肥さんと同じようにできるスキルもないし、地域としての違いもあるのですが、素直に”自分もやってみたい”と思わせてくれる内容でした。

画像2

↑ 土肥さんが館長をつとめる「みんなの図書館 さんかく」に倣って導入した【一箱本棚オーナー制度】。

立ち上げからの3週間

そんなこんなで2021年6月19日に、無事「いとなみ」をオープンさせることができました。(途中のプロセスは長くなるので別で書きます。)

本格的な改修は2021年1月から行い、たくさんの仲間たちに助けてもらいながら、ほぼセルフリノベーションで作り上げました。

置いてあるインテリアも、もらいものや廃材をリメイクしたものが多いです。

画像3

画像4

何より嬉しいのが、ここを訪れてくれる人たちとの出会いです。

これを書いている目の前では、中学生が机に突っ伏して寝ています笑
まさに図書館の光景(良いのか悪いのか)を見て、あー、ここは図書館なんだなーと実感が湧いてきました。

町外からも本を借りて行ってくれる人がいたり、地元の俳句会で使ってもらったりと、「本」というツールを介して、今まで出会えなかった人たちと交流が生まれているのが何より嬉しいです。

画像5

そして、その「本」たちがまさにマイパブリックを体現してくれているなと思います。寄贈してくれた本も、一箱本棚オーナーさんたちの本も、誰かの家に眠っていた状態から、「いとなみ」を介して誰かの目に触れ手に取られ誰かの知恵になる。みんなの”マイパブリック”が集積されている場所になっているのが、何よりも心地いいです。

画像6

次のフェーズは、早いですが、”場を手放す”ことです。自分たちだけが運営の矢面にたつのではなく、もっといろんな人の顔が見える場所にしていきたい。そうすることでさらに多様かつ持続的な場所になっていくと思います。自分以外の人が店番してくれたり、勉強会が発生したり、まさにみんなの日々の「営み」が生まれ育つ場所になるよう、工夫を続けていきたいと思います。

多世代向けワークプレイス「いとなみ」
住所:福島県耶麻郡西会津町上野尻字下沖ノ原2622−1
開館日:毎週土日月 10時〜17時 ※臨時開館・休館はHP参照
HP:https://www.100itonami.com/
問合せ先:yusuke.s@100itonami.com

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!