見出し画像

地方の空き家利活用の現状について(西会津町上野尻集落のケース)

全国で問題になる空き家問題。私たちが暮らす上野尻集落も例外ではなく、年々空き家が増えたり、解体して更地になるケースが増えている。それぞれに事情はあるだろうが、壊してしまうと昔の趣は元には戻せないだけに、とても残念なことである。

私たちのゲストハウスは20年空き家だった物件を賃貸で活用させてもらっているのだが、地方において、実は賃貸を許諾してくれる空き家は非常に少ない。(西会津町における感覚値ではあるが、他の地域はどうなのだろう?)

空き家の現在の所有者は60代前後の世代であることが多く、そのほとんどが自分たちの息子娘世代への相続をできればしたくないと考えている。みなさんの言い分としては、賃貸すると、数年後にまた空き家として戻ってくることとなり、より高齢の時点で不動産を整理する事態は避けたいため、可及的速やかに売却して手放したいと考えている人がとても多い。

西会津の空き家相場は300万〜400万のものも多く、都市部と比較すれば圧倒的に低価格ではあるものの、特に若い世代で物件を購入するケースは少なく、需要と供給の不一致により空き家の流動化がスムーズにはいかないのが現状だ。
(”若い世代”と特定したのは、個人的には、退職後のシニア世代の移住施策には賛成しかねるからだ。厳しい言い方だが、若い世代のモデルにはなりえないし、長期的に集落を支えることはできない。)

個人的には、若者がリスクをとり、空き家を活用した事業を興し、集落全体の価値を高めていくことが必要だと思う。「価値」とはわかりやすく言えば、「地価」であり、賃貸でいえば家賃として可視化されるだろう。物件を賃貸で流動化させるためには、家賃収入が事業として少しでも見込めるように、土地全体の価値向上が絶対条件なのだと思う。
(本来このコントロールは不動産屋の範疇なのだと思うが、西会津には不動産屋が一軒もない。もしかするとこれが要因の一つの可能性も高い)

大規模な人口減少と高齢化という、これまで人類が経験したことのない状況に立たされている中、答えのわからない未来を一緒にリスクを楽しみながら創っていく仲間をどうにか集めていきたいと強く願う。
(みんな、リスクって言っても、車1台分でできること超たくさんあるよ。)

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?