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ヒトミシルカフェ Vol.1「タイ語で好きと言ってもいいですか บอกรักได้ไหม」

初めまして、長崎県佐世保市で「ヒトミシルカフェ」を運営しているゆかまると申します!
東京の大学を卒業後、就職・転職で長崎県にやって来た言語好きの運営人一同(Uターン、Iターンというやつですね)で、地域のみんなの好きを共有し、楽しむための場所づくりを目指して活動しています。

あれ、カフェって飲食するところじゃないっけ…?と思われると思うのですが、人と会って好きを語り合う、楽しい時間を過ごす、というコミュニティづくりに焦点を当て、現在企画を行っています。
人見知りの人も人見知りでない人も、ゆるりとつながれるような優しい空間を一緒につくっていけたら、というのが「ヒトミシルカフェ」の由来です。どうぞよろしくお願いします。

そして今回初投稿のnoteでは、記念すべき第一回目の活動レポートを書いてみたいと思います。今後もイベントの開催をインスタグラム(hitomishirucafe)でお知らせしていきますので、よろしければチェックしてみてくださいね。


前置きが長くなりましたが、2022年7月10日に第一回目「ヒトミシルカフェ」を開催しました。タイトルは、Vol. 1「タイ語で好きと言ってもいいですか บอกรักได้ไหม」でした。
参加いただいたみなさん、素敵な時間を一緒につくっていただき、本当にありがとうございました。

タイブックらがお出迎え。

本日のテーマは「タイ語」。プレゼンを担当したのはヒトミシルカフェの発起人、みどまるです。高校、大学でタイ語漬けの日々を送り、タイ語でお経まで読める(!?)生粋のタイ好き、みどまるによるタイ語レッスンが開始しました。

心意気はほぼタイ人、みどまるによるタイ語レッスン開始!

まずは、タイ語をただ聞いてみる、の時間。動画の音声中、ふくおか~とかながさき~、といった単語は私にも聞き取れましたね(当たり前か…笑)。
実際に聞いてみると分かったことなのですが、タイ語では日本語の語彙を発音する際、語末が上がるんですね。ふくおか~⤴、ながさき~⤴、みたいな。こういう発見があるのも、未知の外国語を学ぶ醍醐味かもしれません。

続いては、発音と文字のレッスン。実はタイ語にも声調があるんです!あの中国語のあ~あ~⤴あ~⤵ってやつです(?)。ちなみにみどまるは初めてタイ語を聞いたとき、中国語っぽいな~と思ったそうです。声調があるが故に、ということでしょうかね。

タイ語の声調5つを下に記してみました。単語によっては表記された声調記号通りに発声するものもあれば、子音の種類によって声調記号通りに読まないものもあるらしく…慣れるまで使い分けが難しそうです。
しかし慣れてくると、音の上がり下がりと文脈で単語を判別できるようになるのだとか。音で意味を把握するとは!そういう感覚、味わってみたいですね~(我々も日本語ではすでにできてるかもしれませんが…!笑)

*声調*
第一声調 กา  ー 平たい音
第二声調 ก่า  \ 下げる
第三声調 ก้า  ∧ 上げて下げる
第四声調 ก้า  / 上げる
第五声調 ก๋า  ∨ 下げて上げる
(※กา=/kaa/)

そして文字について。作り方は一見ローマ字と同じように見えますが、タイ語ではなんと母音が子音の左右上下、つまり全方位に配置されます。なるほど、そういう発想ですね!母音は常に子音の右側に配置されるとは限らないんですね!笑
文字自体も絵みたいでかわいらしい。アーティスティック!

*母音の位置*
เก๋  /kee/ 母音() は左側。声調は∨。
ตา  /taa/ 母音()は右側。声調はー。
รู้    /ruu/ 母音(อู)は下側。声調は/。

タイ文字。50音表のごときもの。それぞれの文字から始まる単語の絵が描いてあります。กは鶏のก!どれだかわかりますか?

初めてタイ語を書いた、という参加者のみなさんですが、とてもお上手でした!

みなさんが書いた人生初のタイ文字。未知との遭遇ならぬタイ語との遭遇。

そしていよいよ本題に突入します。・・・ここからが本題なんです(笑)本日のメインテーマはタイ語の「複合動詞」でした。
みなさん複合動詞について聞いたことはあるでしょうか。例えば、話し始める、売りさばく、断ち切るといったような動詞のことを指すのですが、異なる動詞と動詞を重ね合わせることで創ることができます。
例に挙げた動詞類はみなさん聞いたことがあられるのではないか、と推測します。ところがタイ語では、日本語に馴染みのない複合動詞があるようなのです…例えば、こんな感じ。

ロン(落ちる)+ラック(愛する)+シアレーオ(~してしまった・完了)
キット(思う)+トゥン(着く、~に向かう)

「落ちる+愛」は恋に落ちる(日)や、fall in love(英)、に似ている印象ですね。一方、「思う+着く」の方は、考えていたらいつのまにか君のところに着いてしまった…という感じでしょうか。タイ語オリジナル感があって、なんだかテンションが上がります!

みどまるいわく、タイ語には主語(例:私は)や目的語(例:あなたを)を省く傾向が強く、動詞と動詞が結びつきやすいような性質があるそう。この点から、複合動詞も生まれやすいということみたいですね。
日本語にない動詞の結びつき方を知ることで、新たな視点を獲得することができたような気がします…新しい言語との遭遇は刺激的ですね。

続いては、参加者のみなさんに気になる動詞を日本語で考えてもらい、それをくっつけてオリジナルの複合動詞を創ってみました。日本語です、たぶん。

みどまるによるオリジナル複合動詞。標準日本語にありそうでなさそう!

みんなで創ってみました★複合動詞
・走り寝る   
例 目覚めると、走り寝ていたような感覚を覚えた。
・嘆き満ちる  
例 この気持ちが嘆き満ちてしまうとは、驚きだ。
・倒れ寝る   
例 泥のように働いた後、ベッドに倒れ寝た。
・寝忘れる   
例 君の特技はなんといっても、寝忘れられることだ。
・損ない辱める 
例 何の変哲もない、人との会話によって損ない辱められた。
・死に入る   
例 死に入っただけで、永遠の別れというわけではない。
・起き返る   
例 今日起き返ることができたのも、ありがたいことだ。

などなど・・・みなさんのオリジナル、とても興味深かったです!そして、なぜか寝る系の動詞が多いですね…そして、心なしかネガティブ寄り!笑
なんとなく意味は伝わるでしょうか?そのうち標準日本語になっているかもしれませんよ・・・

また、気づきとしては、同じ複合動詞の中にも、1つ目の動詞の結果が2つ目の動詞となっているパターン、前後関係が曖昧なパターン、どちらかの動詞が核となっていることがなんとなく感じられるようなパターン、などさまざまな種類があることがわかりました。他にも、自動詞・他動詞の区別を考慮した場合に、意味がぼやけてしまうようなパターンなどもありそうです…

ただ、既存の言語観や結びつきやすい動詞、コロケーションなどを全く無視して、ジャンジャン組み合わせていくのも表現として面白いと思いました!

タイ語にヒントを得た「複合動詞」は、単独の動詞にはないニュアンスを含むことができるため、外殻と本質の出会いが(?)可能となるのではないでしょうか。動詞への新たな可能性を感じた時間でした。
自分の伝えたいことにより近い表現を生み出したい!というときにはぜひ、オリジナル複合動詞を使ってみてはいかがでしょうか。良い案が浮かびましたら、ぜひともおしえてください。とても喜びます!

ちなみに、タイ語とは関係ありませんが、参加者の方から出た一言「本業は自分の人生」が今回のヒトミシルカフェでは印象的でした。本業、大切にして生きたいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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