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【読書】甲子園名将の本音から学ぶ組織論・育成論

名将達の夢のような対談

甲子園常連校の名将監督が一堂に会して、高校野球にまつわる様々なテーマを本音を交えて熱く対談した模様を抜粋した本である。
高校野球好きには眉唾物のような本であるが、高校野球に関わる方だけでなく、組織をまとめ、人を育成する立場にある、多くの人にも学びが多い本だと感じた。

こんな方におすすめ
・あらゆるスポーツや音楽の指導者的立場にいる方
・会社でリーダーをしている方
・トップとして組織をまとめているかた
・リーダーシップを育みたい方
・部下の育成をしたい方

我が恩師が対談者の一人

日大三高 小倉全由監督【春8回出場(準優勝2回)夏11回出場(優勝2回)】
星稜 林和成監督【夏3回出場】
作新学院 小針崇宏監督【春2回出場、夏6回出場(優勝1回)】
今治西 大野康哉監督【春6回出場、夏5回出場】
山梨学院 吉田洸ニ監督【春3回出場(優勝1回、準優勝2回)、夏4回出場】
市立和歌山 半田真一監督【春1回出場、夏2回出場】
彦根東 今井義尚監督【春1回出場】

2017年本書発売時のデータのため2018-2022年の甲子園出場回数は入っていません。

今井義尚監督は私が彦根東高校野球部在籍時の監督であり、恩師である。錚々たる顔ぶれの中に、恩師が肩を並べておられることが、自分ごとのように嬉しく、誇らしい。

僕はひょんなことから野球を始めただけだったのに、甲子園監督との出会いに恵まれたことは幸運中の幸運だ。
高校野球を通じて、自分の人生における生き方の指針、人間形成、人格形成をできたといっても過言ではない。良き指導者、先輩、同期、後輩に恵まれたことに感謝している。

1.目的目標と手段を明確に切り分けている

全監督に共通していたのは、圧倒的な成果主義であること。
「甲子園出場」という明確な目標達成を、毎年毎年チーム状況が変わる中でも一番監督がビジョンを描き、方向性を示し、達成に燃えている。

「挨拶は負けないが、勝てない言い訳になっていないか?」
というコメントが刺さった。
甲子園という目標達成へのやるべきこと、やったほうがいいことは沢山ある。その中で、

挨拶をどの高校よりも日本一目指してやる。
掃除をどの高校よりも日本一といえるくらいやる。
白米を毎日3合食べるまでは練習させない。食べさせることによる体づくり

など、一見するとプロセスとしてはとても大事なこと。
ただ、甲子園出場のために上記をやるという目標から逸脱し、手段が目的化し、実際試合に勝てないという、本末転倒なサイクルに陥っている指導者が沢山いると学んだ。

卵が先か鶏が先かという話かもしれないが、目標の達成のために常に創意工夫し柔軟に変化させていくことはとても大切だと学んだ。

今一度皆さんも、自分の目標を明確にし、今やっている業務や、意識している部下や仲間への関わり、やり方は効果的か?を見直すことはとても重要ではないかと思った。

2.振り切った優先順位

日大三高の小倉監督は選手と同じ寮に寝泊まりし、寝食を共にされている。
選手が熱で体調を崩した時は看病もしたりされている。

目標達成のために、自己実現のために24時間を全て捧げられるか?
振り切った優先順位が甲子園優勝監督になる結果の原因だと感じた。

人に見られていないときの自分を人に誇れるか?

組織のトップとして、率先垂範、一貫性、どこを切り取っても信頼信用を勝ち得る自分か?が本当に大切である。
トップのコミットメントがチームの勝敗を決めると感じた。

3.飽くなき探究心

7人それぞれに強烈な個性がある監督達の対談は、学びがとても多かった。

とにかく、目標達成のために、預かった生徒との最高の人生を創るために、いつも批判を恐れず、果敢に変化に挑戦されていることがひしひし伝わってきた。

全員が、全責任を取る覚悟を持ち、ちぎれるくらい四六時中勝利のためにできることを考え、いいものは常に吸収していく成長者の皆様だと感じた。

結果には必ず原因がある。

刺激を受けまくった本でした。


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