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栄える地域と、衰える地域の差…!
なかなか複雑な問題ですけれども
実際に差がありますので考えてみます。

栄える地域、というのは、
人が多くて、賑わっていて、
商売が盛ん、つまりお金が回っていて、
「好循環」が続いている場所です。

衰える地域、というのは、
人が少なく、さびれていて、
商売がうまくいかず、お金も回らず、
「悪循環」が続いている場所

…読者の皆様も何となく、頭の中に
「〇〇は栄えている」
「〇〇は衰えている」と、
具体的な場所や都市が
思い浮かんだのではないでしょうか?

本記事では、日本の都市を例にとって
考えてみよう、と思います。

今、栄えている地域、人口が多い都市、
と言って、私が思い浮かべるのは…。

東京、横浜、
京都・大阪・神戸(京阪神)、
名古屋、福岡。
それに札幌、仙台、広島
、など。

東京は、昔の江戸、です。
江戸幕府、将軍様のお膝元。
明治時代からは横浜が文明開化。
これに対し京阪神では、
昔から偉い人が本拠地にしていた。
(神戸は開港から栄えましたが)

名古屋は「尾張名古屋は城で持つ」、
信長あたりから商売が盛んなイメージ。
福岡は歴史が長く、
大陸などとの貿易で栄えた港町!
札幌は明治時代からの開拓の本拠地。
仙台と言えば、伊達政宗、です。
広島は明治時代の日清戦争の頃には
大本営が設置された軍都でもありました。

…そう考えていきますと、
それぞれ、栄え出した時代が違う。
時系列で並べ替えてみましょう。

◆福岡:古代から
◆京都:平安時代から
◆大阪:古代~戦国あたりから
◆名古屋:戦国あたりから
◆東京:江戸時代から
◆仙台:江戸時代から
◆横浜:幕末~明治時代から
◆神戸:幕末~明治時代から
◆札幌:明治時代から
◆広島:明治時代から

時々の政権、偉い人がいるところは
人も集まって栄える。移り変わりがある。

では、ざっくり日本の歴史から
政権の「場所」の移り変わりに着目して
確認していきましょう。

◆古代:西のあたりから近畿へ
邪馬台国~大王・朝廷~奈良~平安

邪馬台国の場所は諸説ありますが、
九州とか関西とか、西、ですよね。
これが徐々に東に移動、
近畿のあたりで特に栄える。
ついには京都が「都」になりました。

◆中世:東も栄える、共存体制

この平安の都、貴族たちに対して、
武士たちが東で幕府を作る。
鎌倉時代は鎌倉、関東が栄える。
ただ室町時代などには
「京都に幕府が移る」わけですから
東西の共存の時代、とも言えます。

◆戦国時代:各地で群雄割拠

それがいったんバラバラになるのが
応仁の乱からの戦国時代です。
武田信玄の甲府、上杉謙信の春日山など、
各地域の有力者の本拠地が栄える。
逆に京都は応仁の乱で炎上、
貴族たちが疎開したりします。
「小京都」が各地にできました。

◆江戸時代:東が強いが地方自治

徳川家康が江戸に本拠地を定め、
江戸時代には各地の大名たちが
「参勤交代」をしていきます。
ただ、基本は「地方自治」。
各地域の政治は藩に任せる。
大阪は「天下の台所」として、
物資が各地から集まり繁栄しました。

◆近代:中央集権しつつ西が強くなった

これが開国、明治維新、となると、
東の江戸幕府が倒れ、
西の薩長土肥が天下を獲る。
廃藩置県で中央集権。東京が爆誕!
しかし明治政府は大陸へ進んでいくため、
自然と西に目が向きます。
台湾、朝鮮半島なども手中に収め、
統治するために
西日本での交流が盛んになります。
(北の北海道でも開拓が進みますが…)

◆戦後:再び東に戻る

この海外拡大路線が、
戦後には一変するわけです。
大陸から撤退。もう進んでいかない。
代わりに「太平洋ベルト」などの
工業地帯が栄えて、世界との貿易を行う。
アメリカとの結びつきが強くなり、
東側の港を重要視。
「東京一極集中」と言われて、
東京と他の都市・地域との差が
どんどん開いていきました。

…マクロにまとめると次の通り。
(もちろんミクロに細かく見ていけば
個別に栄えている都市もありますが)

◆古代:西日本中心(徐々に東へ)
◆中世:東日本中心(西との共存)
◆戦国:各地
◆江戸:東日本中心(地方自治)
◆近代:西日本中心(中央集権)
◆戦後:東日本中心(東京一極集中)

振り子のように、西と東を
行ったり来たりしている。
現在は、どちらかと言えば、
東京、東日本の天下です。
地方自治だけれど、東京一極集中。
地方交付税交付金頼みの市町村も多い。

ただ、そう考えていけば、
いずれ西に振り子が振れるかも…?
「大阪都構想」は否決されましたが、
その動きの一つと言ってもいい。
幕府が西の雄藩に倒されたように、
東京政府が西の有力都市の連合に
倒される未来がある、かもしれません。
あくまで「東の」京ですから…。

草の根レベルでも、徐々に
「都市と農村の二拠点生活」や
「地方移住」なども増えていますよね。

では最後に、最初のテーマに戻り、
本記事をまとめていきましょう。
栄える地域と衰える地域の差とは?

私は、あくまで経済的に言えば
「風通しの良さ/悪さ」
「新規参入のハードルの高さ/低さ」

の差だと思うのです。

「閉鎖的」な都市や地域では、
過去の繁栄を担ってきた既得権益層、
いわば「昔の勝ち組」が強い。
彼らはそれまでの権益を守るべく、
新規参入者を排除しようとしがち。
ローカルルールが根強い。

商売が昔から盛んな地域ならば、
ビジネスは一種の「実力主義」ですから
そこまで新規参入のハードルは高くない。
福岡や大阪が「ずっと」栄えているのも、
商都として栄えてきたからだ、と思います。

しかし、具体的な商売などではなく、
「政権」「誇り」「家柄」など
目に見えないものに支えられ栄えた場所
は、
どうしても「代々続く家・商売」のほうが
強いのではないか?
代々の「〇〇っ子」がいる家のほうが、
当然、つながりも誇りも強いもの。

もちろん「史跡」「伝統」「文化」など、
歴史がある場所には、
そこならではの個性が生まれます。
それが「ブランティング」にも役立つ。
良い面も、おおいにある。

ただ、個性があまりにも強すぎたり、
成功体験が強かったりした場合には、
それらに縛られて「技術革新」や
「新しい商売」を妨げることもある…。

「新参者」も寄り付きにくくなる…。
京都や名古屋には、そんな傾向が
あるようにも思うのです。

誤解を招かないように言えば、
福岡や大阪が良い、京都や名古屋が悪い、
ではありません。「個性」の話。
現にいま、京都も名古屋も
独特の文化を活かして好循環、
栄えているわけですから。

良い悪い、ではなく、傾向の問題。
新参者に優しいとは、逆に言えば
「生存競争が厳しい」「夢破れる人も多い」
「新しい敵が続出、商売が安定しない」

ということでもある。

これは、都市だけでなく
『業界』にも当てはまることです。

さて、読者の皆様の住む街、地域、
そして業界には
どのような歴史があり、
地理があるでしょうか?

どこでビジネスをしていきますか?

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