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2020年に生誕80年、ジョン・レノンのファーストソロアルバム ~ レビュー


生誕80年

ジョン・レノンは2020年10月に生誕80年を迎えました。それを記念して新たなベストアルバムも発売されていました。

80回目の誕生日に合わせて、エンパイア・ステートビルが青い色にライトアップされるなど、イベントも目白押しだったようです。

そんな、ジョンの生誕80年を振り返るとともに、彼の魂を見つめなおすべく、今から50年前に発表された彼の実質的なファースト・ソロアルバムのことを書いてみようと思います。

ジョン・レノンのファーストソロアルバム



『ジョンの魂』 (John Lennon/Plastic Ono Band) は、1970年12月にリリースされたジョン・レノンのファーストソロアルバムです。(これ以前に発表された実験的作品は除く)

アーチスト自信が自己の内面を掘り下げて、それを全面的に押し出していて、曲も全体が非常に内省的。これはある意味、コンセプチュアルなアルバムといえます。

ただもともと、コンセプトアルバムを作ろうと意図していたわけではないので「コンセプチュアルな、非コンセプトアルバム」と言えようかと思います。

進化的変容

ジョン・レノンは、ビートルズ中期のアルバム『HELP!』に収録されている「You've Got To Hide Your Love Away」から、それまでの普遍的なロックンロール的なアップテンポなシャウトから、自己の内面を見つめていくような、歌に魂を込めていくような、つまりは内省的な、、そして、マイナー調で、かつ詩的な楽曲を作り始めます。

また、この「You've Got To Hide Your Love Away」の歌詞は、ボブ・ディランの詩的世界の影響を受けていることは有名です。

その後もビートルズが英国的様式美に踏み切った『Rubber Soul』というアルバムでも「Norwegian Wood (This Bird Has Flown)」、「Nowhere Man」、「Girl」そして「In My Life」といったあまりにも郷愁を感じさせる、詩的な味わい深い楽曲を提供しています。

ビートルズが外に向けて影響力を発揮していく中、ジョンは徐々に内に意識を向けていっていたわけです。

そして、この流れは「Tomorrow Never Knows」、「I Am the Walrus」そして「Strawberry Fields Forever」という楽曲に進んでいきます。

この流れは、
明日は見えず、自分を鳥獣戯画化し、地元の風景を唄うに至る。。世界に羽ばたいて地元に還りついた。。ような世界観。
 
彼がこのような世界観を持つに至った時期。新たな幕開けとなる1970年代を迎えようというその時期。ビートルズは解散状態を迎えます。

このファーストアルバムは、そんな時代に発表されたアルバムです。

幼少期の記憶

ジョンは、複雑な幼少期を過ごしています。それは「ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ(Nowhere Boy)」という映画に詳しく描かれています。

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