「足音」 Mr.Children

誰かの足音が聞こえてくる

足音

その音が人を恐怖に陥れた時代があった。それは20世紀のソ連。この時代、この国では内部通報が横行していて、国家への裏切り行為と見做された場合、それは即、自分自身の生命の終わりを意味した。

深夜、公営住宅の扉が開かれる。静まり返った建物の中に、軍靴の足音が遠くから聴こえてくる。それが自分の部屋のドアの前で止まれば終わりの合図。そんな時代は、確実に現実にこの世界にあった。

足音

足音が誰かを救うこともある。

自分自身が意志を持って歩む足音。それは自分自身が自分自身の意志で、行動しているサイン。生命の謳歌の証明。

誰かに委ねられた生命ではなく、自分自身で自由に彩りを変えることができる生命。

本当の意味での自由。

この足音は、きっと周りの誰かの救いにもなっている。

この足音で世界が満たされたなら。

この足音を世界に響かせよう。力強い足音を。