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卒論・修論研究の攻略

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卒論・修論研究に挑もうとする学生さんにおすすめの記事をまとめていきます。諸先輩方がどう挑み、いかに悩み、どうやって乗り越え、何を学んだのかを知ることで、経験値を積んだような状態で… もっと読む
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#教育

プレゼンテーション・アドバイス(6):発表本番時に守るべきルール

発表までに十分な準備をしてきました.いよいよ発表本番です.ここでは,発表本番で守るべきルールを示します. <発表のルール> 1) 発表原稿は見ない.もし持つなら工夫する. 2) 発表態度で好印象を与える. 3) 聴衆を見ながら話す. 4) ゆっくりと大きな声で話す. 5) 強調すべきところで強調する. 6) ポインターを振り回さない. 7) 時間を厳守する. このルールを守るだけで,拍手喝采を浴びるプレゼンにはならないまでも,目的を達成できいるプレゼンに近付きます.ここで

研究指導から見る,目的と目標の違い

日本人はよく「目的」と「目標」を混同していると言われる。 字面が似ているからか,日常生活で使い分けを意識することはあまりない。 「今後の目的は?」ではなく,「今後の目標は?」と聞くことが多いが,実際聞いていることは目的の方だったりする。 正直自分も学生時代は全く理解していなかったが,研究活動を通してなんとなく使い分けがわかってきた。 本記事は,これまでの経験や以下の書籍を参考にして書いた。 目的と目標の定義まとめると,目指すものが「目的」で,目的を達成するための目じ

研究の心得4 研究をまとめよう

"ある男の牧場では、どうも白馬の方が黒馬よりエサをよけいに喰うと悩んでいます。男は、それに散々頭を痛めているのですが、どうしてだかサッパリ分からず、友達に相談しました。すると、友達は言いました。それは白馬の方が黒馬よりたくさんいるからじゃないか。男は、友達に指摘されるまで、馬の数のちがいを考えていなかったのです。" リチャード・ファインマン 「科学は不確かだ!」より抜粋改変 あなたは自由研究や課題探究をしたことに満足してしまっていないでしょうか。研究はまとめなければなりませ

研究・執筆・発表の基礎をしっかり学ぶ【石原尚のnote記事一覧】

大学・大学院で学んでおきたい研究・執筆・発表の方法を「基礎からしっかり」学んでいただくための解説記事の一覧です。ご卒業後の学び直しに。在学中の自学自習に。大学研究室での教育の教材に。中学・高校での探求学習の参考に。ご自由にお使いください。すべて無料で最後までお読みいただけます。 記事を気に入っていただけましたら、より網羅的かつ体系的に研究・執筆・発表の実践的な技術と学び方を解説している拙著『卒論・修論研究の攻略本』も是非ご覧ください。卒業研究や修士研究を楽して早く終わらせる

卒論指導について考える 教養と専門性と

3月も下旬となり,今年も4年生が卒業した。 毎年自問自答することだが,自分は4年生に対して約1年間かけて指導してきた結果,何を残せているのか? 卒業生の多くが研究職には就かないという現実の中,専門性の高い研究を通じて,学生に何を教育すれば良いのだろうか? 週末には4月になり,また新たな4年生が卒論生として研究室に配属される。 この変わり目に,卒論指導について改めて考えてみたい。 専門性について冒頭でも書いたが,卒論では我々教員の専門分野の研究を行う。 大学教員とし

教授も知らない論文の書き方

こんにちは、URAKOMEです。 今日は論文の読み方・書き方について書いていきたいと思います。 表に出ている論文の構造については、下記の通り以前公開した記事に書いていますが、実は科学論文には裏の型があります。 論文の型を知れば誰でも速読で著者の意図を捉えられますし、アクセプトされやすい論文が書けます。 日本の大学院ではまだまだ徒弟制度的なところがあるので、指導教官が体系的に教えてくれる以外に習得する方法はなかなか難しいです。 また、海外の有名な大学院に行ったとしても

研究の心得2 重要で難しいテーマ決め

『人間の頭の力の限界を自覚して大自然の前に愚かな赤裸の自分を投げ出し、そうしてただ大自然の直接の教えにのみ傾聴する覚悟があって、初めて科学者になれるのである。しかしそれだけでは科学者にはなれない事ももちろんである。やはり観察と分析と推理の正確周到を必要とするのは言うまでもないことである。つまり、頭が悪いと同時に頭がよくなくてはならないのである。』 寺田寅彦 「科学者とあたま」より あなたは自由研究や課題探究をするとき、どうやって研究テーマを選んでいるでしょうか。研究で、もっ

「書く」ことと大学院生活1年を振り返って

今日のコンテンツ 過去note見てたら本当に恥ずかしくなるくらい若くて若くて苦すぎて胸が恥ずかしさのあまり苦しくなるんだけど、「書く」ことによってあの時の自分の感情や出来事を残すことが出来るから大切。 ただ、今も然り当時は目先のことやなんでも出来る!って酔ってる自分もいて見るに見兼ねない酷い有様なってる…。気がしなくもない。 「書くこと」による対話「書くこと」が苦手な自分は自分の気持ちを文章に表すのが非常に苦手。 誤字脱字も多いし支離滅裂だしとにかく書くことを避けてきた…。

「じゃあどうする?」を考え続ける専門性を養う

どうも。藁科侑希(わらしなゆうき)です。 普段は大学教員やスポーツ現場でコーチやトレーナーをしております。 今日が384日目のnote投稿です。 今日は、いつも軸にしている考え方について。 先ほどまで、後輩学生からの依頼で、大学の卒業論文と修士論文計画の相談にのっていたので。そこで思っていたこと。 「じゃあどうする?」の選択肢をいくつ挙げられるのか、がその道の専門性を表しているかもしれないですよね、というお話。 ●「むずかしい」で止まらない これはいつも思っていることで

卒論・修論チェックリスト

卒論・修論の原稿を書くときに、そして、発表会・審査会の準備をするときに、何を書くべきか・何を目指すべきかの道しるべがあると大きな助けになります。 チェックリストを使って、長期的に取り組む卒論・修論でも、現時点とゴールまでの差を逐次チェックしながら、迷子にならずに、ゴールに向かって着実に進んでいきましょう。 原稿&スライドのポイント内容について 題目 この研究のテーマを適切に表現するものになっていますか? 目次(論文原稿) 目次だけをみて、論文の全体像が分かるように

より良い訊き手になる

研究室の活動では、研究内容についての発表をおこない、それに基づいて議論することが多々あります。発表し、教員や他の学生から質問・意見をもらうことで、自分の研究のどこが評価されているのかを理解し、どこに解決すべき課題があるのかを気づき、研究をさらに進めるための手がかりを見つけることができます。 このような場では、その発表による気づきや理解を深めるために、話し手が上手に発表しようと心がけるだけではなく、聞き手がしっかりと「聴く」・より良く「訊く」ことを心がけることも大切だと思って

論文執筆の手順の一工夫

こんにちは。 今日は論文執筆において私が意識していた手順をまとめてみたいと思います。 論文執筆とは、研究した内容を文章として形にしていく非常に重要な肯定です。 練りに練った研究デザインによって実施した研究内容を、正確に記述して誤解のない文章として形にしていく必要があります。 ここでは、私が修士論文を執筆するときに考えていた(意識していた)ことをまとめていくことで、少しでも皆様の参考になればと思います。 そして私自身の振り返りとしてもこの記事を活用していきたいと思っています。

卒論も、だれかのために書いてください

いま、卒業論文の書き方についての指導内容をまとめている。哲学者で小説家のウンベルト・エコが『論文作法』の中でこんなことを言っているのを見つけた。 「ある術語(筆者注:専門的な学術用語)を初めて導入するときには、いつもそれを定義したまえ。その術語の定義ができない場合には、その術語の使用を避けたまえ。もしそれが君の論文の主要術語の一つであって、しかも君がそれをうまく定義できないのであれば、すべて破棄したまえ。君は論文(または仕事)を間違えたのだ」(エコ, 2006: 184)。