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卒論・修論研究の攻略

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卒論・修論研究に挑もうとする学生さんにおすすめの記事をまとめていきます。諸先輩方がどう挑み、いかに悩み、どうやって乗り越え、何を学んだのかを知ることで、経験値を積んだような状態で…
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2022年3月の記事一覧

元理系大学院生が思うプレゼン資料の作り方

3年の研究室活動が無事終了し、今回は備忘録も兼ねて研究以外のノウハウを蓄積するために元理系大学院生が培ったプレゼン資料の作り方を公開したいと思います。 プレゼン資料の作成方法はこのnoteにもSNSにも既に大量の情報が載っています。私もアイコンの素材や見やすいスライドの作成方法など、度々参考にさせていただいていました。 しかし、ほとんどはUIやUX関係のお洒落なスライドや企画提案時のプレゼン資料など、理系大学生が実際に知りたいプレゼン作成方法と若干分野が異なっていると感じ

論文を読むための3つのTips

みなさんは論文を読み解むときどんな読み方をするでしょうか? そもそも論文なんて読まないよって方が大半だと思いますが、今回は、これから研究室に配属されるであろう学部生に向けて、いくつかTipsを紹介していきたいと思います。 ちなみに誰でも論文が読めるようになる翻訳サイトを利用した邪道な方法や慣れると爆速で読めるようになる方法も紹介しているので、良かったら見てみてください。 実際、私は学部生どころか修士の間も、今回紹介する方法を実践することなくダラダラと読んでいました。今思

論文のお勉強 4時間目

ワークその1ー1 先行論文を集めて構造を知る。 人から聞いた話だけど、論文ノートって物を作るらしい。 例えば大学院生が卒論を書くために、なるべく多くの先行論文を読む必要があり、 100とか、200とか・・・読み記録するノートなのだと思う。「論文ノート」を検索すると、アプリとか、フリーテンプレートとか、色々出ているではないか! 論文を読む上で最も大事なことは「論文の情報を抽出すること」ノートを作るのはあとで高速で目的の記事を引っ張り出すためのツールとして最も効果を発揮するも

卒業論文に対する後悔とか反省とか学年別に(多分)やるべきこととか書くよ。

タイトル通りだ。 卒業論文は「弱さの露呈」卒業論文を書き終わった身として、絶対に思うのは「書き直したい」である。 「書き直したい」とまでは言わずとも「あの時、あの部分で、もっとこうしてたら」的なことは、思うものである。 だが、卒業論文は、如実に自分の姿が現れる。未熟な部分も、優れた部分も、サボった部分も、誤魔化せずに全て出る。そして、そうやって露呈することに、卒業論文の1つの意味がある。 自分の弱さを知れること、そのうえで、次にどこへ向かうか、考えるきっかけになること

文章力をどう高めたらよいのか?

2001年秋に中国に行った時、本屋さんに複数立ち寄った。印象的だったのは、作文集が山のように積んであったこと。小学1年生から中学生に至るまで、各学年のすぐれた作文を掲載した冊子が、学習教材の一角を占めていて、中国ではいかに作文に力を入れているかが分かった。さすが科挙の国。 日本は、感想文みたいな作文は書くことがあるけれど、文章力を鍛えるような指導が行われていない。何を書いても先生が花丸をくれる。うまいヘタはあるけれど、どう書くとよいかなんていう指導はまず受けない。私は大学4

卒論指導について考える 教養と専門性と

3月も下旬となり,今年も4年生が卒業した。 毎年自問自答することだが,自分は4年生に対して約1年間かけて指導してきた結果,何を残せているのか? 卒業生の多くが研究職には就かないという現実の中,専門性の高い研究を通じて,学生に何を教育すれば良いのだろうか? 週末には4月になり,また新たな4年生が卒論生として研究室に配属される。 この変わり目に,卒論指導について改めて考えてみたい。 専門性について冒頭でも書いたが,卒論では我々教員の専門分野の研究を行う。 大学教員とし

大学院生活を振り返る〜"Ikigai(生きがい)"を見つけるために

こんにちは、東京大学の池谷裕二研究室で脳の研究をしている紺野大地と申します。 去る3月24日、4年間の大学院生活を終え、東京大学大学院博士課程を卒業しました! 支えてくださった全ての方々に心から感謝しています。 さて、池谷研究室では「博士最終セミナー」というイベントがあり、博士号取得者が思い思いに話をします。 私は研究の話に加えて、 「人生における"Ikigai(生きがい)"をどうやって見つけるか」という話をしたので、その内容をまとめたいと思います。 まずは、4年間

とある理系の研究室7 論文ばっかり読み過ぎ

某国立大学の理系の研究室の話。 そこそこの大学のそこそこの研究室。国内外の学会にもコンスタントに出ていて、論文もそれなりに出している。活気もそこそこ。古き良き時代の雰囲気を残している研究室。 一時期ハマった論文読み漁りについて。 論文読みにハマったきっかけ論文ばっかり集めて読み漁ってた時期がありました。自分の研究分野の論文を片っ端から集めてコレクションして、読みまくっていた。きっかけはB4の時の論文紹介ゼミ。自分の研究テーマに沿った論文を選び、見開き2ページ以内で和訳レ

とある理系の研究室8 卒論修論のテーマ決め

某国立大学の理系の研究室の話。 そこそこの大学のそこそこの研究室。国内外の学会にもコンスタントに出ていて、論文もそれなりに出している。活気もそこそこ。古き良き時代の雰囲気を残している研究室。 研究室生活が充実するかどうかにも大きく関わる研究テーマ決めの話。 なんとなく決まる人が多いのでは?高い意識を持っている人達は、高い志を持って研究テーマを決めているのだろうが、大半の人はなんとなく流れで決まっているのではないだろうか。でも別に悪いことじゃないと私は思う。 どうやって

伝えるべき「結論」は相手によって違う -結論ファーストの3つの方法-

研究やビジネスの場面では、結論から話すことが求められます。「結論」を言わずに「結論でない話」を長々としていると、「つまりどういうことですか?まず結論から話してください。」と口酸っぱく言われることになるのです。これは、結論ファーストと呼ばれるもので、時間が無い中で効率的に議論を進めるために効果がある方法です。しかし、何が結論になるかは一意に決まるものではなく、相手に合わせて柔軟に決めるべきものであるため、実行はそう簡単ではありません。この記事では、「相手が抱えている疑問や懸念」

効率的な論文の読み方 -読み解くヒントの狙い読みをしよう-

論文には難解な内容が詳細まで記載されているため、指針もなく読み進めていくだけではなかなか理解を進めることができません。効率的に読み進めていくには、論文に散りばめられている「読み解くためのヒント」を集めるための「狙い読み」を先に済ませておくことが有効です。この記事では、そもそも何を読み解くべきかを紹介したうえで、どのようなヒントがどこにあり、またそれによって何をどう読み解いていけばよいかを解説します。 ※この記事は著者のブログ「駆け出し研究者の研究技術入門」からの転載です。一

卒業研究は大変だったけどやって良かった

 またまた久しぶりの投稿になりました。  先月の2月末に卒業論文を完成させました。  卒業研究に本格的に取り組み始めたのは昨年11月半ばからで約3ヶ月間ほぼ毎日大学へ行き、大学以外の生活も筋トレ、食事、睡眠以外は卒業研究に費やす日々でした。  ストイックな生活を続けた3ヶ月でしたが、気持ちは前向きで居続けられ、辛いと思ったのは卒論発表前の数日間、発表のパワポと卒業論文を教授に添削してもらうたびに大量の訂正をしなくてはならないときぐらいでした。発表前2日間はジム行けなかっ

【理系大学生向け】大学の研究室とはどういう場所?〜基礎知識編〜

皆さんこんにちは。Campusful運営の光山(こうやま)です。 このnoteは、大学生の皆さんを対象に、少し先を行く先輩方が「あの時知りたかったこと」を経験談を交えながらお伝えしていくメディアです。 今回は、理系の大学生の方にとっては特に気になるテーマであろう研究室選びについての記事をお届けします! 文系の方のゼミ選びとも通じる部分はあるかと思いますので、理系文系問わずぜひお読みいただけたら嬉しいです。 研究・研究室についてはそれだけで何本も記事を書けるほど内容があり

わかりやすい説明をすると「結論を理解する労力」が「その結論を導き出した労力」と誤解されるときがある

まとめ ・かなりの人が「結論をわかりやすく説明したときの論理」と「その結論を試行錯誤して見つけるときの論理」を明確に分けてない気がする ・だから簡単に理解できると、簡単に生み出した答えと勘違いする ・単に結論を理解してほしいときは、わかりやすい説明だけでよい ・相手に今後自分と同じように試行錯誤してほしい時は、わかりやすい説明に加えて、試行錯誤も伝える 結論の背景や試行錯誤をどこまで相手に伝えるか、ずっとわからなかった基本私は余計なことを説明しがちだ。だから仕事中はできるだ