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【理系大学生向け】大学の研究室とはどういう場所?〜基礎知識編〜

皆さんこんにちは。Campusful運営の光山(こうやま)です。

このnoteは、大学生の皆さんを対象に、少し先を行く先輩方が「あの時知りたかったこと」を経験談を交えながらお伝えしていくメディアです。

今回は、理系の大学生の方にとっては特に気になるテーマであろう研究室選びについての記事をお届けします!
文系の方のゼミ選びとも通じる部分はあるかと思いますので、理系文系問わずぜひお読みいただけたら嬉しいです。

研究・研究室についてはそれだけで何本も記事を書けるほど内容がありますので、今回は第一弾として、研究室についての基礎知識をお届けします。

近年はコロナ禍で学生同士のつながりを保つのが難しい、同期や先輩の考えを知る機会が少ない、という声も聞きますので、一意見としてご覧頂けたら幸いです。

そもそも研究室配属とは?

一般的な理系の大学生の場合、4年生になると研究室と呼ばれる組織に配属されます。
(大学によってはもう少し早くに配属があるケースもあります。東大の場合は3年生まで講義があり、4年生で配属が決まる学部・学科が、僕の知る限りでは大半です。)

研究室には、教授を筆頭に、准教授、講師、助教を中心としたスタッフと、博士、修士、学部の学生が在籍してます。他にも実験の補佐をしてくださる技官の方や秘書さんがいらっしゃる場合もあります。

各学生及び若手スタッフにはそれぞれ研究テーマがあり、それを教授や准教授などのボスが管轄する、というのが一般的です。
(こちらはあくまで一般的な構成で例外も色々あったりしますが、この辺りは長くなるので別の機会にお伝えできたらと思います。)

4年生で研究室に配属されると、講義の無い時は研究室にて各々の研究を進めることになります。

研究室では何をするの?

研究室という名前の通りもちろんを研究をするわけですが、一つの研究テーマに対して原則論文を投稿することや学会発表(※1)をすることが一つのゴールになります。

研究を進めるためには、実験用の装置や消耗品、学会への出張など何かとお金がかかります。そのため、各研究室は自力で国や研究機関、企業などから科研費や助成金(※2)を勝ち取る必要があります。

各機関それぞれに思惑はあるかとは思いますが、有望な研究に予算をつけたいという考えは共通しています。
それでは、その研究が有望なものであるかかどうかをどのように判断するのでしょうか。

その評価基準は、第一に論文の質と量です。
次いで、学会発表や企業との共同研究なども重要です。

これらの成果を国や各機関にアピールして科研費や助成金をもらい、その資金でよりより成果を生み出していく、というのが一般的な研究室のサイクルです。

そのため、一つの研究テーマに対して原則論文を投稿することや学会発表をすることがゴールになります。

なお、論文と書きましたが、論文には卒業論文や修士論文などの学内審査用の論文と、出版社や研究機関などがそれぞれ有してる論文誌に掲載される論文と大きく2種類あります。ここで指している論文は後者です。代表的なものにNatureやScienceなどがあります。(似た名前で科学雑誌のNewtonがありますが、これは一般向けの科学雑誌なので全然別物です。念のため。)
ちなみにNatureやScienceに自分の論文が掲載されるのはめちゃめちゃすごいことで、学生の時にもし載ったら総長賞などを受賞できるレベルですし、研究者としては将来超有望と言えます。

小学校に入学してから大学3年生まで、おそらくほとんどの皆さんが知識をインプットすることを中心に行ってきたと思います。
しかしながら、研究室配属以降は自分で研究を行い、世界に自分の成果をアウトプットすることが求められます。
その観点で、それまでの大学生活、ひいてはそれまでの人生とは大きく求められるものが異なります。
(とはいえ、先行研究の論文を読み込んだり、プログラミング等の新しいスキルを習得したりなど、引き続きインプットも超大事なのは変わりません。「大きく異なります」とは書きましたが、実際には延長線上にあると思います。)

研究室の1年

僕の所属していた化学系の学科は4年生で研究室に配属される所でした。ご参考までに、4年生当時どのように過ごしたかを書かせて頂きます。

研究室はバイオインフォマティクスと呼ばれる分野を研究していました。
プログラミングや統計解析を駆使して
・工業製品の生産プロセス改善
・新規医薬品の効率的な探索システムの開発
などの研究を行う研究室でした。
(生物と数学が好きな僕にとってはとてもexcitingな研究分野でした。研究室を選ぶときに考えたことなどは別で記事にする予定ですので、ぜひそちらもご覧ください!)

年間スケジュールはおおよそ以下の通りでした。

4月:プログラミング研修
5〜6月:研究テーマ決定
7月:研究と並行して大学院の入学試験(院試)の準備
8月:院試
9月〜12月:卒論に向けて研究。途中国内学会のポスター発表も経験
1月:卒論提出および発表

ちなみにですが、卒論の枚数については、(明示的にあるいは暗黙的に)50ページ以上を求める学科もあれば、逆に20ページ以下の指定がある所もありました。それぞれの学科のカラーが出るポイントの一つのようです。
僕の学科は枚数指定はありませんでしたが、「50ページは書くよね?」という無言の圧が学科中に満ちていました。(今思えば全然そんなことはなかったかもしれません。)

さいごに

今回は「大学の研究室とはどういう場所?〜基礎知識編〜」と題しまして、大学の研究や研究室というものにまだ馴染みの薄い大学1~3年生の方向けに記事をお届けしました。
次回以降の記事で、僕が研究室選びの基準としたポイントなど、より詳しくお伝えできればと思いますので、そちらもよろしければぜひご覧ください!
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

以下、余談です

(※1)学会発表について
僕も何度か国際学会で発表させて頂く機会がありましたが、基本的に学会運営側も多くの研究者に参加して欲しいため、必然的にリゾート地での開催が多く、それだけで楽しいです。(今はコロナ禍なので難しいですね…。)
当然プレゼンは英語です。僕は「読み書きは得意で話す聞くは苦手」という典型的な日本人の英語スキルですが、プレゼン自体は原稿を用意して何度も練習を重ねれば良いので、質疑応答さえ乗り切ればなんとかなりました。

(※2)科研費や助成金について
申請の際には書類を提出することになりますが、その書類でほぼ必ず「研究の社会的意義」を聞かれます。工学系だけでなく理学系の学科であっても同様です。その際、例えば生物系の学科であれば「創薬研究への応用が期待される」などと書いたりますが、以前とある教授にお話しを伺った際「本音では応用とか全然考えていない。ただ楽しいからやっている」とおっしゃっていました。しかも、どちらかというと応用を志しているはずの工学系の教授だったので、かなり意外だったのを覚えています。同時に、結局好奇心こそが一番の研究の原動力なんだなと、妙に納得しました。(もちろんお金大好き!な教授もいますし、様々です。笑)

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