若手社員が退職をきめる「沸点」はどこにあるのか?
社会や会社のしくみが変化する兆しを受けてか、企業の間でも「人の流れ」が活発になってきた感じがしています。
いままで離職率の低さを誇りにしていたのに、今年に入ってから若手社員さんの退職意向が後をたたないと頭を抱えている会社もあります。
「退職者を無くすことが喫緊の課題なんです!」
経営サイドの方の深刻な表情に、私も言葉を失う場面が最近ありました。
退職者からその理由を教えてもらえるなら、原因を知り取り組む課題も設定できるでしょう。
しかし「本当の退職理由」はベールに包まれたまま時間がたち、退職日を迎えてタイムアップとなるケースがほとんどかもしれません。
若手社員さんのモチベーション「3つのR」とは
20代から30代の若手社員さんたちと、働く価値観やモチベーションに触れる会話になることがあります。
さまざまに聞こえる価値観をよく観察して、私なりに「3つのR」にまとめてみました。
1.リレーションシップ(Relationship)=職場の人間関係
2.理念(Rinen)=会社の経営理念
3.労働条件(Roudoujyouken)=働く環境や昇給条件など
この「3つのR」が若手社員さんの働くモチベーションに大切なことは、容易に検討がつくと思います。
一方で、「3つのR」が良好な状態で継続するものだと信じている社員さんが多いわけではないようです。
若手社員さんも職場にすべてが整っている環境が当たり前だとは思ってはいないということです。
満足できているところもあれば、不満足に感じる部分もあるだろうと。
心の中でバランスをとって「この会社で働く」モチベーションをコントロールされているようです。
退職意向のタイミングは「2つのR」が欠けた時
では、若手社員さんがいま働いている会社を退職しようと思うタイミングは測れるものでしょうか?
水が蒸発するときの「沸点」のように、「退職意向を固めるタイミング」を知りたいと思う管理者の方もいるかもしれません。
そのような沸点なるものが本当にあるわけはないのですが、私は「3つのR」のうち2つが無くなってしまったときに、若手社員さんが退職を決意されるのではないかと感じています。
というのも、「3つのR」のうちどれか1つが欠けていても、残りの2つのRがまだ頑張るモチベーションになっているようです。
「3つのR」のうち2つが無くなってしまう例
「給料が安くても職場の人間関係が良好で会社の理念も自分に合っているからここで働きたい」
⇒「社会貢献をうたっていた会社が、利益のみに固執する体質になってきた。私が入社を決めた経営理念は絵にかいた餅になってしまった」
リレーションシップが残っていても、労働条件と理念がなくなったと感じることで一気に「ここではない」と感じ始める。
職場の人間関係や労働条件は、短期中期で変動する可能性があります。
経営理念は一度決めて「額縁に飾ったら」変化しないかというと、今年度の経営方針や評価方式の変化から、文言は変わらずとも「空気感として変化」するものだと思います。
「若手社員さんの退職意向を早めに汲み上げて抑制したい」
このように思うなら、「3つのR」のうちどの部分がすでに欠けていて、どの部分が沸点に近くなっているのかなど、社員さんひとりひとりとの対話から拾ってみることも一策かなと考えています。
ふだんから社員さんの価値観を見つけてその深さを知る雑談などができていると、いきなり「沸点」に達することはないのかもしれませんね。
(*^^*)
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