激務な一日
9月20日 火曜日。職場では今週が1年で最も忙しい週だ。私は特別な仕事を課されていなかったので、いつも通り仕事をこなす予定だったが、昨日急遽大きな仕事を任された。世界的に有名な活動家のインタビュービデオをSNS用に編集する仕事である。
朝から38ギガもある大容量のビデオをダウンロードし、インタビューを見てどの部分を取捨するか決める。SNS用のビデオは1−2分、インスタグラムのリールやTikTokのビデオは1分以内なので、どこを切り取るかいつも悩むところだ。インタビューの画像だけでは味気ないので、活動家のその他の動画を集めてビデオに織り込む。色、音声の調整もしなければならない。またYouTube用、YouTube Short用(TikTokとインスタリールとフォーマットは同じ)、Twitter用と色々なバージョンを作らなければならない。数分のビデオだけど仕上げるのにはいつも何時間も要する。
今日は上の子供二人をピアノに連れていく日だ。午後4時20分に迎えにいく予定だったが、ギリギリまで仕事をし、午後4時45分に到着。Lyft(Uberの競合他社)で車をハイヤーし急ぐも、途中で渋滞。レッスンを15分遅れで開始する。
ピアノの練習を聴きながらも、私はノートパソコンで更に仕事。私のビデオを見た同僚が動画の順番を変えるように提案してきたのだ。また編集のし直しだ。ピアノは娘が終わった後、息子の順番だったが、息子はやりたがらない。静かにさせるため見させていたYouTubeの動画をそのまま見たい、とごねる。一悶着あった後、やっと息子をピアノに座らせる。そして私は仕事を続ける。途中同僚から電話がかかって来て、席を外して電話を取る。部屋に帰ってきたら、練習に集中できない息子が、ふらふらと歩き回っていた。こちらも仕事にもピアノにも集中できないから、もう無茶苦茶である。仕方なくレッスンを早々に切り上げる。
家に戻っても夕食を取る間も無く仕事に向かう。完璧主義な同僚がさらに動画の改善を求めてきた。アート系の仕事では完璧主義な性格が功を奏することもある。色、音、ストーリー展開とさらに上を上をと求めて、より良い作品が作られることもある。だが、人の作品までにそれを強要するのは如何かと思う。しかもSNSのビデオはスピードを求められるので、タイミングよくリリースすることが作品の質よりも大事だったりもする。
取り敢えずやるだけのことはやって仕事が終わったのが夜の9時。今日はカフェや図書館も行けず、ピアノ以外は家に篭りきりだった。思いがけない激務な1日に身も心もぐったり。家事も育児もほったらかしで、ベッドに倒れ込んだ。