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自治体で副業するためのノウハウ公開します!!【前編】

2023年4月より、株式会社Another worksさんの複業クラウドを介して、徳島県海陽町の若手職員採用アドバイザーを務めています。その経緯や活動記録はこちらにまとめているので、よければご覧ください!

そこで、もっと「自治体×副業の輪」が広がってほしいという想いから、僭越ながらノウハウをまとめてみました。思いのほか長くなったので、2回に分けて発信してみます。今回は、その前編となります。

先に結論として、公務員のアドバイザーをする際に私が大切にしていることは、次の3つです。

1.公務員を知る
2.アドバイザーに徹する
3.共通のゴールを明確にする

では、前編の今回は、1と2について紹介していきます。

1.公務員を知る


今回の要旨を一言で表すならば、これにつきます!

比較対象として、民間企業のアドバイザーやコンサルタントをイメージしてみましょう。

①業界知識がある
②会計やファイナンスを理解している
③プロジェクトマネジメントができる

といった素養やスキルセットを持っているはずです。

コンサルタントの場合、新規プロジェクトにアサインされたら、急いで業界知識を吸収して、クライアントと同じ水準で会話ができるレベルに到達するはず。そもそも、ビジネスパーソンとして②や③は備わっているはずなので、この2つのスキルを保有していることは大前提かなと思ってます。数字が読めなければ仕事は中途半端になりますし、③は言わずもがなですよね。

同様に、自治体アドバイザーの役割を考えてみると

①公務員の仕事内容を知っている
②地方自治法等の法令や地方行政を理解している
③プロジェクトマネジメントができる

という感じでしょうか?

具体的なケースで考える

では、①と②について事例を用いて、深堀してみたいと思います。

たとえば、2012年8月に子ども・子育て支援法という法律が公布されました。この法律は、保育や学校教育、地域の子育て支援の量の拡充及び質の向上を進めるためにつくられたものです。ザックリ図にすると次のような感じです。

たとえば、実際に市町村が公立の幼稚園を新規開園するとしたら、設置団体となる市町村の担当部署の人は、自らが属する都道府県に「認可」の申請を行います。認可が下りたら、予算情報に基づき、建物の施工会社を決めるための選定プロセス(入札)を経て、取引先を決めます。さらに、幼稚園で働く人を採用するために、求人情報を「公告」したうえで、採用試験を実施して・・・・・

少し知識を披瀝してしまった感じもありますが、このような情報は公開されているので、積極的に吸収すれば誰でも手に入る/理解できる内容だと考えています。

民間企業であれば、BS・PL等のIR情報等を読み込んで、企業の現状を理解したうえで、市場動向や業界知識をベースにアドバイスやコンサルティングするのが一般的なはずです。

同様に、自治体にも法令という業務の大前提となるルールがあり、議員・首長・住民・外郭団体など様々なステークホルダーがいるので、そのような慣習・人達を知っておくことは必須かなと考えています。たとえば、地方自治法や総合計画といったキーワードがあります。民間企業でいえば、地方自治法は会社法や会計基準を指し、総合計画は中期経営計画やMVVみたいな感じです。

まとめると、アドバイザーとは、自分の経験や価値観だけを語るのではなく、最新の社会動向やお客さん側(今回は海陽町様)の慣習・制約・ルールなどをトータルで考慮して、一緒に伴走できる人材だということです。

アドバイスする以上は、その分野について誰よりも詳しく、当事者として考え、プロジェクト完遂まで導ける人であるべきだという私の信念から、謎に熱い想いを語らせていただきました(笑)まだまだ私も修行の身なので、自戒の念も込めて!

次のパートでは、そのアドバイザーの役割をより具体化してみたいと思います。

2.アドバイザーに徹する


これも、非常に大切です。ひとつ前のセクションで「自分の経験や価値観だけを語るのではなく」と書いたのですが、意外と陥ってしまうワナが、アドバイスを超えたコンサルティングやマウンティングです。

コンサルとアドバイザーは違う!?


①コンサルティング
戦略系コンサルタントとアドバイザーの仕事は似て非なるものだと考えています。コンサルタントであれば、契約に基づき、クライアントが抱える課題について協議したうえで、短期間で答えを出すことが求められます。一方で、アドバイザーは答えを出すのではなく、ヒントを提示するコーチくらいが丁度よいというのが私の持論です。

そういう点では、マネジメント経験がある方の方がアドバイザーに向いていると思います。もっと言うと、メンバーが自走できるようにメンタリングやコーチングをベースとしたマネジメントを実践してきた方であれば、アドバイザーも上手に務められるのではないでしょうか?

今回の私のケースでは、自治体側の方が優秀であったので、明確なやりたいこと&能力が揃っていたというのは幸運でした。そこで、そのゴールに向けて、「武器」を調達したり、より多くの視点があった方が有益だなと感じていたので、様々なツールを用意したり、メンタリング的に後方支援に徹してきた感じです。

②マウンティング
これは絶対に避けてほしいです。この場合のマウンティングとは、いわゆる「自己の優位性を示す言動」という意味合い以上に、自分がやった方が良いじゃんみたいな感じで、実際にあれこれ手を動かしてしまうことを指します。

アドバイザーに選ばれたということは、その分野で実績があるからこそなのですが、アドバイザー自身が当事者として「実行」してしまったら、その方がいなくなった後には何も残りません。

後藤新平の言葉にヒントあり


台湾総督府長官であり南満州鉄道初代総裁を務めた後藤新平氏の言葉を借りれば

金を残して死ぬのは下だ。
事業を残して死ぬのは中だ。
人を残して死ぬのが上だ。

ということです。

アドバイザー在任中にどれだけの人材育成・仕組み化ができるかというところに、アドバイザーとしての真価が問われるのではないでしょうか?

前半パートはここまでとなります。

今回紹介した2つはマインドセット的な要素が強かったのですが、次回予定してる「共通のゴールを明確にする」という視点については、私が行った具体例を多く含んだ形で紹介するつもりです。

さらに、アドバイザーになるために実際やってきたことも番外編としてお届けする予定なので、ご期待ください!

ご精読ありがとうございました(^▽^)/


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