横浜の詩人

横浜の詩人は
角の生えた獣の子であり
黄金の詩を書くことができた
嵐の海に船出して
海上で詩を詠むことから
海の悪魔詩人とよばれることもあった
野毛を徘徊して集めた
言葉の破片を空に投げ
本牧埠頭の先端で待っている
槍の雨が降ってきて
心臓に穴を開ける
間欠泉のように
血潮の詩が吹き出した
霧雨は包み込む
まるで金メッキのように
彼は黄金人間になって
高速道路を裸で走った
いわゆる「ハイウェイポエトリー」である
横浜詩人は
政治を踊らない
技術を食べない
叙情を歩かない
おもろいサーカスであり
危険なウイルスであり
容赦ない時限爆弾だった


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