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21歳の僕に向けて書いた本

2023年11月発売のこの本『断り方の極意』は、
21歳の僕に向けて書いた本だ。
https://www.kensakudo.com/hiro/book/index.html

僕は田舎の小さな事業所に配属になった。

大学を卒業したばかりで、まだ世間のことを何もしらない。年上の人は怖く、同年代の女性は気後れして話せない。もっぱら話せるのは50代後半の女性をあまり感じさせない、お母さんのような人だった。

体育会系のヨシオは2つ年下。だが高校から入社しているから一応先輩。先輩だけど、敬語を使うのはわざとらしいからと、あえてタメ語で話していた。

事あればすぐ飲み行こうかという話になる。同僚はいつも二日酔いでそれがさも偉いかのごとく振る舞っていた。ドライブ、キャンプ、ボーリング、パチンコ・・・・・・皆に合わせるのが暗黙の了解。ちょっとでも違うことをしていると、すぐ「アイツは変わっている」と言われた。

だから、行きたくない飲み会でも自分にゲキを飛ばして行った。別に好きでもない酒を浴びるように飲み、酔っ払った。少しでも同僚に近づきたかったからだ。

だが・・・・・・、どこかで自分にウソを付いていた。真夏の土曜日、皆で遠出し、キャンプを張ることになった。アウトドアが嫌いな僕はイヤイヤながら手伝っていた。その姿を観て腹が立ったのだろう。年下のヨシオが声をかけてきた。

「ちょっといい? ヒロさん。キャンプはみんなでするもんや。個人行動みたいな態度は止めてよね」

見透かされていた。ムリに合わせてはいたものの、趣味も価値観も考えも違う人たちに囲まれ、息苦しさを覚えていた。ついこの間まで中学時代からの友人とバカばかりやって楽しい毎日を送っていたというのに――。

鏡を見てもまるで表情は冴えない。暗さをどうにかしたい。そう思ってムリして笑顔を作っても長くは続かない。

いつまでこんな毎日が続くんだろう・・・・・・。自分が嫌になった。周りは皆知らない人たちばかりで方言も違う。自分の居場所がない。

そんなときだった。かねてから人生をよくするという自己啓発本を次から次へと読み漁っていた。「信念の魔術」「人を動かす」「眠りながら成功する」・・・・・・etc.

しかしまったくと言っていいほど人生は上向きにはならなかった。車を運転すれば事故を起こす。同僚の男子にはバカにされる。女子には相手にされない。まるで情けない人生だった。

どうにかしてこの暗闇から脱け出さなければならない。そう思ってスポーツジムに通い、トレーニングをし、海でからだを焼いた。元々色白だったからだもそれなりにこんがりときつね色になった。パーマもかけ、いま風の髪型にしたら、それなりの顔になった。

「だれ? この人」

年下のもうひとりの同僚、タカシが女友だちに見せたときの反応だ。写真映りはそれなりにいい。だから第一印象はそれなりによかった。

だがあまりにも自分に自信がなく、トークがイケてない。笑わせようと冗談を飛ばすが長くは続かない。話がおもしろくないのではという恐怖が頭をもたげ、ことばが出なくなるのだ。

あれから幾年もの月日が過ぎた。

いまの僕はかつての僕からしたら信じられないほどの変貌を遂げた。

誰にでも気さくに話せる。いつまでも話のネタに困らない。女性に気後れしない。根拠ある話で人を動かす。魅力ある提案をし、商品やサービスを買ってもらう。多くの人の相談に乗り、解決への糸口を見つけてきた。妻のマダムれいこと共に恋愛と結婚の専門家としても活動してきた。

そんな僕がだ。

初めての本を書いた。

30年に渡る人生の道のり。そこで得た気づき。クライアントへのアドバイス。世の中のさまざまな事例に照らし合わせ、「言いたいことが言えない」「うまく断ることができない」人のための本を書いた。

いま、世の中の争いやいじめ、パワハラ、夫婦関係のミゾ、トラブルや事故には、大なり小なり、肝心なことが言えていない。相手の言い分を聴けていない点が原因としてある。

どちらが悪い、どちらが正しいということばかりに目を向け、お互いの相違点から新たな発想・第三の道を探ろうとはしていない。

だから相手を言い負かそうとしたり、言い合いになるだけで、まったくと言っていいほど建設的な意見にはならない。

もし、言いたいことが100%言えて、相手がちゃんと受け止めてくれたら、それだけで問題のかなりの部分が解決する。

なぜなら問題の本質というのは、言いたいことが言えない。話を聴いてもらえない。わかってもらえないということに原因があるからだ。

だとするならもし、21のあのときに帰って手渡すことができるのなら、この本を渡したい。そうすれば「NO」と言える技術と「ことわり」(=YES)の作法を手にすることができ、自分が望む方向にものごとを動かし、なりたい自分にだんだんとなって行けるからだ。

病気や事故、トラブルというのも、言いたいことが言えず、我慢したり、心の声を無視したり、相手の言い分を聴いていなかったりしたときに起きる。

もしこのことに気づくことができたら、少しずつ上向きの人生に変わっていくだろう。

まもなく発売。この本のコンセプトを周りの人に話したとき、言われたことばがある。

「そういう本って、意外とありそうでないから、きっと多くの人が救われると思いますよ」

そのことばをもらったから、途中挫折しそうになりながら、何度も推敲し、書き上げることができた。

書きはじめてから7年――。ようやく日の目を浴びるときがきました。


最終決定デザイン案

【目次】
第1章 なぜ「YES」と言ってしまうのか
第2章 人を動かす断り方
第3章 相手を不快にさせない「かわし方」と「要望の通し方」
第4章 もしものときの回避策
第5章 自分を守るセルフケア

HP
https://www.kensakudo.com/hiro/
Blog
https://ameblo.jp/hiro-reiko/

Profile/ひろ健作
個人カウンセラー・コーチ 企業コンサルタント

もともと対人関係が苦手で、女性に対し奥手であったことから、私財の大半を費やし成功法則をはじめとする人生の知恵を学ぶ。その後コミュニケーションをベースとした人間関係スキル、願望達成法をセミナーアシスタントとして10年学び、独立。30年をかけ築いた「オリジナル・メソッド」と、そのコーチ力には定評がある。

現在は妻のマダムれいこと共に、「誰にでも可能性があり、愛される資格がある」をテーマに「恋愛と結婚の専門家」「夫婦関係カウンセラー」としても活動。2万人以上の人を幸せに導いている。クライアントは、経営者、医師、美容師、芸術家、アスリート、主婦、会社員、カウンセラー、コーチなど幅広い。

著書には、マダムれいことの共著『大切にしてくれる彼と もっとしあわせになれる 恋愛の教科書』(すばる舎)などがある。


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