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パソコンで音楽を作るきっかけをくれた二つの出会い

BGM : Relica / Four Tet - Unicorn ( Relica remix )
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一ヶ月前にパソコンで音楽を作る記事を書きました。
( 音楽ができるまで )

僕は一年前に突然パソコンで音楽を作ることを始めました。
今日はそのきっかけになったカナダでの二つの出会いについてです。

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去年の夏、僕はモントリオールで IELTS の試験を受けました。
春頃からそれに向け、 毎日カフェに通って IELTS の勉強をしていました。

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その日僕が行ったのはモントリオールの Café Kitsuné というカフェです。
僕は奥の机に IELTS のテキストを広げて勉強していました。

數十分経つと、カップルが入って来ます。
どうやら、カップルは大きなスペースを必要としているようです。

僕は自分が座っていた場所を彼らに譲り、狭いテーブルへと移りました。
カップルは喜んで、僕にエスプレッソをご馳走してくれました。

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ご馳走になったエスプレットを飲みながら彼らを見ていました。
彼氏がバッグから何やら大きなディバイスを取り出します。
彼はそれを Mac に繋げて何やら作業をしています。

何をしているのか、具体的には分からない。
でも "どうやら音楽を作っているらしい" ということは分かりました。

僕は彼に話し掛けました。
すると、彼はその機器でどうやって音楽が作られるのか教えてくました。

それは、Native Instruments というブランドの Maschine というディバイスです。

そうか、今はパソコン上でこんな風に音楽が作れるのか!

僕は家に帰って、早速 Maschine について調べました。
中古の Maschine を見つけて、「これ、どうかな?」と彼に相談のメールを送りました。

あぁ、IELTS の勉強しなきゃ!
でも Maschine すげぇ!
そんな日々が過ぎていきます。

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夏になり、IELTS の試験が終わりました。
結果はまずまず。
何よりも、試験が終わった解放感と、残り数日しかないモントリオールの生活を噛み締めていました。

僕はまだ、パソコンで音楽を作ることについて調べています。
どうやら、パソコンで音楽を作るには DAW というソフトウェアが必要らしい。
そして、その DAW は主流なものがいくつかあるらしい。
さて、僕はどれを使おうか。

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そんなうちに、僕のモントリオールの時間は終わりを迎えました。
僕はモントリオールから日本へ帰る前に、バンクーバーに10日間滞在しています。

しかし僕は10日間特に観光もせず、毎日同じスターバックスに通い、まだ DAW のことを調べていました。

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その日、僕は Ableton Live というソフトのチュートリアルを観ていました。
ずっと画面を眺めていて目が疲れ、窓の外に目を向けました。

ぼーっとしていると、隣の席に "ボスッ" と若い男が腰掛けます。
彼はリュックからおもむろに Mac を取り出し、画面を開きました。

その彼の Mac の画面に映っていたのが、まさしく僕が今観ていた Ableton Live の画面なのです。

『え、そんなことある!?』と僕はびっくりして呼吸が止まる勢いでした。
少しして、僕は彼に「それって、Ableton Live だよね?」と話しかけます。

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僕はそれから
" 今パソコンで音楽を作り始めようとしていること "
" DAW をどのソフトウェアにしようか迷っていること "
を彼に話しました。

彼は突然話しかけた僕に全く嫌な顔をせず、それから Ableton Live の話を始めます。

めちゃくちゃ丁寧に教えてくれます。

気付くと、一時間半が経っていました。
彼は「あ、もう行かなきゃ」と席を立ちました。

僕はコーヒーご馳走するよと言ったのですが彼は断り。
僕たちは連絡先を交換し、彼はお店を後にします。

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そのときに気づきました。

『あれ、彼は曲の編集をしにカフェに来たんじゃなかったのかな』

それなのに、彼は僕の質問にどこまでも丁寧に答えてくれた。
彼がどうやって音楽の作り方を覚えたのか、とても丁寧に教えてくれた。

僕は彼に大きく影響を受けています。

彼の一つのものに没頭する姿勢。
そして誰かが近づいて来てくれた時は自分の時間を厭わずに相手に向き合う真摯な態度。
その他にも、彼の誠実さ、音楽に対しての愛情、自分がして来たことを共有する大きさ。

たった一回、一時間半彼と話しただけですが、それを感じるのに一時間半は十分な時間でした。

ふと彼の座っていた席に目を落とすと、ソファの中に $20札が落ちていました。
彼が落としていったのか、それとも前のお客さんが落としていったのか。

分からないけど、僕はそれを拾って、今もお守りがわりに持ち歩いています。


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冒頭のトラックは彼のリミックスです。
ここにも再度リンクを貼るので、是非聞いてみてください。
とても心地良いトラックです。

BGM : Relica / Four Tet - Unicorn ( Relica remix )


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