はたぼう

職業:コンサルタント(デジタル、物流系) 趣味:  クラシック音楽(ヴィオラ奏者、ブラ…

はたぼう

職業:コンサルタント(デジタル、物流系) 趣味:  クラシック音楽(ヴィオラ奏者、ブラームス、ベートーヴェン好き)  お城めぐり(城郭検定2級)  読書(小説、哲学、歴史、自然科学他) その他:千葉在住、鹿児島出身

最近の記事

十牛図風エッセイ(8/10)~人牛倶忘

仏教において難しい概念「空」。空とはそもそも何か、空と無との違いは名何か?、空を悟ることが何故重要なのか?ということについてまとめたいと思います。 ≪バックナンバー≫ 十牛図風エッセイ(1/10)~尋牛 十牛図風エッセイ(2/10)~見跡 十牛図風エッセイ(3/10)~見牛 十牛図風エッセイ(4/10)~得牛 十牛図風エッセイ(5/10)~牧牛 十牛図風エッセイ(6/10)~騎牛帰家 十牛図風エッセイ(7/10)~忘牛存人 八、人牛倶忘についてこれまで牧人(

    • 十牛図風エッセイ(7/10)~忘牛存人

      十牛図風エッセイの7話目、忘牛存人(ぼうぎゅうそんにん)。自分をてばなすということについて、まとめます。 ≪バックナンバー≫ 十牛図風エッセイ(1/10)~尋牛 十牛図風エッセイ(2/10)~見跡 十牛図風エッセイ(3/10)~見牛 十牛図風エッセイ(4/10)~得牛 十牛図風エッセイ(5/10)~牧牛 十牛図風エッセイ(6/10)~騎牛帰家 七、忘牛存人について前回でようやく「ほんとうの自分」に出会えたのに、この図では「ほんとうの自分」がいなくなってしまいま

      • 十牛図風エッセイ(6/10)~騎牛帰家

        十牛図風エッセイの6話目。いままでタイトルは2文字でしたが、ここから4文字になりますね。騎牛帰家は「きぎゅうきけ」と読みます。このエッセイでは、心からつながりを得た状態とはどういうことかについてまとめてみます。 ≪バックナンバー≫ 十牛図風エッセイ(1/10)~尋牛 十牛図風エッセイ(2/10)~見跡 十牛図風エッセイ(3/10)~見牛 十牛図風エッセイ(4/10)~得牛 十牛図風エッセイ(5/10)~牧牛 六、騎牛帰家についていままでの旅で牧人(いまの自分)は

        • 十牛図風エッセイ(5/10)~牧牛

          十牛図風エッセイの第5回目。どんなに頑張ってもうまくいかないことはよくあること。悩む自分とどう折り合いをつけるか?ということについて書きます。 ≪バックナンバー≫ 十牛図風エッセイ(1/10)~尋牛 十牛図風エッセイ(2/10)~見跡 十牛図風エッセイ(3/10)~見牛 十牛図風エッセイ(4/10)~得牛 五、牧牛についてこれまで牛(≒ほんとうの自分)を見つけることを決意し(一、尋牛)、牛を見つけるためには正しい教え(跡)をたどることだと知り(二、見跡)、内面を見

        十牛図風エッセイ(8/10)~人牛倶忘

          十牛図風エッセイ(4/10)~得牛

          このエッセイは2月に出版した哲学の本について、本出版の経緯や哲学で得られた気づきを十牛図風に綴ったエッセイの第4回目。今回は、自分の心をいかに律していくかについてまとめます。 ≪バックナンバー≫ 十牛図風エッセイ(1/10)~尋牛 十牛図風エッセイ(2/10)~見跡 十牛図風エッセイ(3/10)~見牛 四、得牛について牧人(いまの自分)が牛(ほんとうの自分)と格闘しているます。ほんとうの自分の見方がわかっても、それを得るためのたゆまぬ努力を続けなければならない、その

          十牛図風エッセイ(4/10)~得牛

          十牛図風エッセイ(3/10)~見牛

          2月に出版した「哲学を語る会」得られた気づきを十牛図風につづるエッセイの3回目。今回は、「自分」とは何で、自分をどのように見るのか?ということについて書きます。 《バックナンバー》 十牛図風エッセイ(1/10)~尋牛 十牛図風エッセイ(2/10)~見跡 三、見牛についてほんとうの自分(牛)を見失ったいまの自分(牧人)は、尋牛でほんとうの自分を探しにいくこと発心し、見跡で正しい教え(牛の足跡)をたどることでほんとうの自分を知る手がかりを得ました。見牛では、牛のしっぽ(ほ

          十牛図風エッセイ(3/10)~見牛

          十牛図風エッセイ(2/10)~見跡

          このエッセイは2月に出版した哲学の本について、本出版の経緯や哲学で得られた気づきを十牛図風に綴っています。十牛図って何?という方は前のエッセイを参照ください。 ≪バックナンバー≫ 十牛図風エッセイ(1/10)~尋牛 二、見跡について牛(ほんとうの自分)を探しにでかけた牧人(いまの自分)は、第二図で牛の足跡を見つけます。この足跡をたどれば、牛が見つかるということ。ここでいう足跡はお釈迦様の教えを記した仏典であり、その教えに従えば、ほんとうの自分に出会えるということをこの絵

          十牛図風エッセイ(2/10)~見跡

          十牛図風エッセイ(1/10)~尋牛

          本エッセイの動機哲学が趣味で「哲学を語る会」を主催し、その討議内容を今年出版することができました。様々なご縁に恵まれて出版にいたりましたので、協力いただいた方に恩返しする意味においても、一人でも多くの人に手に取っていただきたいと思ってます。ただ願うだけでは良い結果は得られないはずなので、自分なりにさまざまな試みをつづけてみようと思います。このノートもその一環で、出版にいたるまでの経緯や、哲学を語る会で得られた気づきを十牛図風?にまとめていきます。 十牛図とは?十牛図とは逃げ

          十牛図風エッセイ(1/10)~尋牛

          鎌倉殿の13人をより楽しむためのメモ

          2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は面白いですね。セリフが洒落ていて、展開のテンポも小気味よく、毎週放送が楽しみです。 人間ドラマとして観ても十分楽しめますが、時代背景について理解しておくとより楽しめると思うので、予習としていくつか鎌倉時代について読んだ本のポイントを整理してみます。 時代背景(当時の支配構造)鎌倉幕府ができる前は朝廷が中央集権体制を作ろうとしていた 権力およぶ範囲は関西 唐の律令制度を適用し、土地を朝廷のものとして税をとる仕組みをつくろうとした(

          鎌倉殿の13人をより楽しむためのメモ

          三島由紀夫が語る「他者」について

          1969年学生運動が盛んだった頃、東大全共闘(極左)が三島由紀夫(極右)に討論を申し入れた。その討論が最近Amazon Primeでも鑑賞できるようになったので観てみました。 討論の内容は、「他者とは何か」「自然とは何か」「天皇とは」等々多岐に及び、三島由紀夫はそれぞれの難しいテーマに対して自分の哲学を理路整然と語り、その熱量を感じるだけでも面白い映画ではありました。 一方で、討論の内容を理解するためには引用している思想とか三島由紀夫の本についての前提知識が必要であり、ぱ

          三島由紀夫が語る「他者」について

          Amazarashi楽曲「季節は次々死んでいく」を聞いてわかる仏教

          私の人生哲学となっているロックバンドAmazarashi。先日、YoutubeのThe First TakeというChannelで「季節は次々死んでいく」が公開されました。 音楽も素晴らしいですが、歌詞はよくよく聞いてみると、仏教哲学が色濃く反映されています。本Noteでは仏教の視点で、「季節は次々死んでいく」を読み解いていきます。 仏教の出発点:一切皆苦「人生全てが苦しみである(=おもうようにならない)」が仏教の出発点です。思い通りになることを当たり前としていると、思う

          Amazarashi楽曲「季節は次々死んでいく」を聞いてわかる仏教

          平野啓一郎「日蝕」を読み解く

          少し古い本になりますが、芥川賞を受賞した平野啓一郎著「日蝕」を読了。独特な文体で20年前は途中で挫折したのですが、用語・歴史背景を調べながらなんとなく読み終えることができました。 このノートでは、日蝕を理解するために重要と思えたキーポイントを整理してみます。 あらすじトマス主義の神学僧二コラが『ヘルメス選集』を求める旅の途中で、リヨンの司教に勧められてヴィエンヌの教区にいる錬金術師ピエェルを訪ねる。二コラは錬金術師の蔵書を読むことを許されるが、毎日森に通うピエェルに不信感

          平野啓一郎「日蝕」を読み解く

          読書メモ「三教指帰」(空海著)

          平安時代に真言密教をもたらした空海が、唐に渡る前に著した「三教指帰(さんごうしいき)」(人間の生き方を示す三つの教え)の読書メモを作成しました。若き日(当時24歳)の空海が、人生の目的とは何か?という視点で、儒教・道教・仏教の違いを明らかにした物語です。そんなに分厚い本ではないので、このメモを機に空海や仏教について学ぶ端緒となれば幸いです。 著作の二つの動機仏道に向かおうとする空海に反対する人々への反骨精神と、放埓な甥に対する憤りが、物語作成の動機となっています。 ①仏道

          読書メモ「三教指帰」(空海著)

          「空」について(哲学対話メモ)

          先日哲学の対話を実施し、指南役の先生から「空相」について教えてもらいました。とてもありがたいお話だったので、自分の頭の整理をかねて本ノートを作成します。 空の定義1.「空」は原因と結果の集積によって現れてくる 2.「空」は部分と全体というものに分けられたり統合されたりする 3.「空」は言語によって確定される概念の積み重なりである それぞれの定義が何を意味するか、具体的に説明します。 1.「空」は原因と結果の集積によって現れてくる 《説明》 上の絵は、熟した柿(一番

          「空」について(哲学対話メモ)

          鬼滅の登場人物を仏になぞらえて妄想する遊び 竈門炭治郎:釈迦如来 竈門禰豆子:観音菩薩 煉獄杏寿郎:不動明王 甘露寺蜜璃:愛染明王 悲鳴嶼行冥:阿弥陀如来 胡蝶しのぶ:薬師如来 富岡義勇:水月菩薩 産屋敷耀哉:大日如来 :

          鬼滅の登場人物を仏になぞらえて妄想する遊び 竈門炭治郎:釈迦如来 竈門禰豆子:観音菩薩 煉獄杏寿郎:不動明王 甘露寺蜜璃:愛染明王 悲鳴嶼行冥:阿弥陀如来 胡蝶しのぶ:薬師如来 富岡義勇:水月菩薩 産屋敷耀哉:大日如来 :

          Amazarashiを聞いてわかる実存主義哲学(ヤスパース編)

          Amazarashiを聞いてわかる実存主義哲学、ニーチェ編、サルトル編、ショーペンハウアー編の続編ノートです。 今回まとめるのは、ドイツの哲学者ヤスパース。ヤスパースの書いた哲学入門の読書メモをもとに読み解いていきます。まずは前回のノート(前編、後編)をご覧ください。 哲学入門には重要なメッセージが凝縮されていますが、今回は、  ・限界状況:自分の力ではどうしようもない壁のこと。限界状況に絶望し、回生することで人間の意識改革が可能となる。  ・自分の弱さをと無力を認めるこ

          Amazarashiを聞いてわかる実存主義哲学(ヤスパース編)