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鎌倉殿の13人をより楽しむためのメモ

2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は面白いですね。セリフが洒落ていて、展開のテンポも小気味よく、毎週放送が楽しみです。
人間ドラマとして観ても十分楽しめますが、時代背景について理解しておくとより楽しめると思うので、予習としていくつか鎌倉時代について読んだ本のポイントを整理してみます。

時代背景(当時の支配構造)

  • 鎌倉幕府ができる前は朝廷が中央集権体制を作ろうとしていた

  • 権力およぶ範囲は関西

  • 唐の律令制度を適用し、土地を朝廷のものとして税をとる仕組みをつくろうとした(班田収授法、租庸調)

  • 土地が朝廷のものだとモチベーションがあがらず、税をのがれようとするものもおり、管理はうまくいかなかった

  • それで農地開拓を促進するために、開墾した土地は自分たちのものとしていいよ!って方針を転換(墾田永年私財法)

  • これが結局、有力者が土地を開墾し、自分たちの勢力を広げる結果となる

  • 開墾した土地が荘園の始まりで、荘園を守るために武力が必要となる(これが武士)

  • 次第に有力者の間でも上下関係が生まれていき、その代表格が西の平氏と東の源氏

要は収入源である土地が争点となっていました

鎌倉幕府の興りと衰退

  • 土地あらそいが争点となると、所有している土地を保証してくれる存在が重要となる

  • 源頼朝は朝廷に武士としての実力を認めさせ、土地の所有とか税収を実施する人を任命する権利を獲得する。(守護・地頭の任命←1185年、これが鎌倉幕府のはじまり)

  • 守護は担当する国の軍事・警察権を持ち、地頭は荘園毎に設置され、税の取り立てが主な仕事。

  • 鎌倉幕府は軍事・警察を大きく司る幕府で、江戸幕府と比べると機能は限定的(ちょっとずつ行政権とかも獲得していきましたが)

  • 鎌倉幕府と守護・地頭間の主従関係は、その土地はあなたが守っていいよっていうお墨付きを与えるから、なにか揉め事あれば戦ってねという契約関係でなりたつ。(御恩と奉公)

  • 御恩と奉公の関係性は”お前を認めてやるから、俺に命を差し出せ”っていう主従関係であるため、頼朝のカリスマ性に依存していた部分が多く、カリスマがいなくなると、ほころびが生じてくる

  • 頼朝没後、執権であった北条が力をつけていくことになる

  • なみに、このときに守護に任命された人の家系がのちの守護大名となる。軍事権を持っていたので、それを奪いにいこうとするのが戦国時代の争点となります

鎌倉幕府の場所がなぜ鎌倉だったのか?

当時政治の中心は西でしたが、なぜ幕府が鎌倉に建立されたのか、理由を説明します。

  1. 源氏ゆかりの土地(関東は源氏の勢力範囲)

    • 墾田永年私財法で、有力者が所有する土地を広げていたころ、領主同士の小競り合いは多く発生

    • 関東は朝廷の力が及びにくく、争いごとに朝廷は手をやいていた

    • 1028年に起きた平忠常の乱は大分長引いていたが、源頼信(頼朝の祖先)が平定

    • この平定を機に、関東での足場を築くことになる

  2. 朝廷との関係性

    • 平清盛は朝廷との関係性を強めてのし上がろうとして失敗

    • その轍を踏まぬよう、距離を置いたところで、権力の一部を認めさせようとした

    • いきなりマウントとろうとすると反発招きますからね

  3. 戦いに適した地形

    • 鎌倉は周囲を山に囲まれ、海に面している

    • 鎌倉に入るには、切通と呼ばれる通路から入るが、軍隊は1列にならないと通れない

    • 鎌倉から迎え撃つのはめっちゃ簡単

鎌倉時代の戦い方について

鎌倉時代において馬にのった武士は弓を持って戦ってます。戦国時代のように刀を持って戦ってないのはなぜで、いつから刀を持って戦うようになったのでしょうか?その理由を説明します。

  1. 関東平野での戦いが主
     東国の武士は狩猟で馬と弓のスキルを磨き、めちゃくちゃ強かったので、馬にのって弓を射るスタイルが強いとされていた。また、平野での戦いだったので、馬と弓で戦うのが平野では有利だった。

  2. 戦いにルールがあった
     「やぁやぁ我こそは・・」と武将が名乗りをあげ、鏑矢を射るのが戦いのスタート。矢戦を行い、矢がなくなったら接近戦で相手を馬から落とし、小刀を鎧の隙間から突き刺して相手の首を取るのが戦いのルール。戦いのルールを破ることは卑怯とされた。

  3. 古代の刀は直刀のため集団戦には不向き
     古代の刀は反りがなく、刺す用途で使われていたので、一騎討ち向き。集団戦には不向きだった。

比較的戦いの規模が小かったことから鎌倉初期は弓と馬を使った一騎打ちの戦い方が主でしたが、規模も少しずつ大きくなり戦いも長期化していったことから、集団戦にシフトしていきます。複雑な地形でのゲリラ戦法や、ルールを無視した奇襲・待ち伏せなどが増えていき、刀も改良されていったので、戦いに使う武器が刀に変わっていきました。

まとめ

かなりざっくりのまとめですが、このポイントをおさえておくと、より楽しめると思います。これからの展開が楽しみですね!


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