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「空」について(哲学対話メモ)

先日哲学の対話を実施し、指南役の先生から「空相」について教えてもらいました。とてもありがたいお話だったので、自分の頭の整理をかねて本ノートを作成します。

空の定義

1.「空」は原因と結果の集積によって現れてくる

2.「空」は部分と全体というものに分けられたり統合されたりする

3.「空」は言語によって確定される概念の積み重なりである

それぞれの定義が何を意味するか、具体的に説明します。

1.「空」は原因と結果の集積によって現れてくる

参考資料イラスト2 塗り修正 (1)

《説明》
上の絵は、熟した柿(一番上)を猿が食べて、うんちとなって肥しとなり、柿の木が育って、また柿が熟す様子を表している。

熟した柿・猿の胃袋の中・うんち・柿の木、それぞれに縁起という原因があって結果があり、そこに絶対性はない。縁起の例として柿の絵を書いているが、原因が変われば、結果が変わってくる。いま出現している事象も別の何かの原因となっていたり、さまざまな事象に影響を与えるものになっていたりして、変化の中にあるということ。

《気づき》
いま目の前にある事象を結果だけに目をむけると苦しくなる。何かの原因があって今があることに気づくこと、いま苦しい状況でもどうその条件に向き合うかで将来の結果が変わると思えるか。苦しいときにこそ、原因と結果の集積によって立ち現れてくる「空」を観じたい。

縁起については、私が以前書いたノートをご覧ください。

2.「空」は部分と全体というものに分けられたり統合されたりする

《説明》
何か一つのものごとと思っているとことは、大きな全体のなかの部分であるし、もしかしたらもっと小さいものの集合で構成されているということもある。

熟した柿も、大きな柿の木の部分とみる見方もできれば、食べられたら小さく分解される。また小さく分解された柿もいずれ肥しとなって、大きな柿の木全体に統合される。

《気づき》
物事を見るときも、スナップショットのように切り取って理解すると本質を見失う可能性がある。大きな全体の中の部分であると同時に、小さなものの集合であるという視点を常にもっていたい。

3.「空」は言語によって確定される概念の積み重なりである

《説明》
意味情報を伝えるものが言葉だととらえると、意味情報の伝達により、なんらかの概念が固定されて理解されてしまう。だが、言葉という概念も原因と結果、部分と全体だったりするので、言葉自体が空であり、固定的にとらえることは不可能であるということ。

《気づき》
思考停止に陥ってしまいそうだが、自分の言葉が絶対ではないということは認識してコミュニケーションしたほうがよく、原因と結果・部分と全体を意識して表現することを心掛けたい。

まとめ

空について自分なりに理解していたつもりでしたが、対話を通じてわかっていない自分に気づくことができました。対話を持てたことに感謝。これからも勉強と、学んだことの実践に励みます。

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