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十牛図風エッセイ(7/10)~忘牛存人

十牛図風エッセイの7話目、忘牛存人(ぼうぎゅうそんにん)。自分をてばなすということについて、まとめます。

≪バックナンバー≫

七、忘牛存人について

前回でようやく「ほんとうの自分」に出会えたのに、この図では「ほんとうの自分」がいなくなってしまいます。いなくなったのに、この図の牧人は安心しきった表情をしています。苦労して得た「ほんとうの自分」すらこだわってはいけない。「てばなす」ことが大事とこの絵は物語っています。

七、忘牛存人

ふりかえり(てばなすことについて)

「自分をてばなすこと」を言い換えると、過去の自分がいなくなり、新しい自分にアップデート(更新)されるということ。
自分の人生において、どのように自分をアップデートしてきたかについてふりかえってみたいと思います。

仕事をアップデート

組み込み系ソフトウェアエンジニアとして社会人生活をスタートし、技術系コンサルタントに転職し、いまはサプライチェーンのコンサルタントとして仕事をしています。
若いときは自分の市場価値をあげるために意識的に仕事をしていましたが、今は面白さを求めて仕事をしているように思います。サプライチェーンの次に何をするかはわかりませんが、10年後20年後の自分はまだ面白さを求めているんでしょう、多分。

哲学のまなびで「考え」をアップデート

哲学をまなびにおいて、先人の知恵にふれて物事をみなおすと、世界の見え方がガラッとかわることがあります。つくづく思うのですが、学びって知識の習得の面もありますが、自分の「考えかた・ものの見方」が変わること、つまり自分の古い考えを手放して、新しい考えを獲得していく面もあるのかなと思います。

「自分をてばなす」というと、てばなすことに抵抗感を覚える人もいると思いますが、自分の心おどる方向に自分をアップデートしつづけていくことを楽しむこと、そう思えば心が軽くなりそうです。

次回、「八、人牛倶忘(じんぎゅうくぼう)」について

次回はいまの自分さえもいなくなってしまいます。仏教でも理解が難しい概念「空」とその重要性についてまとめます。

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