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『中年危機』

中年なら「お?」と思う本のタイトルですよね。私も中年です。
長く生きていると誰もが通る中年…、いったい中年とは何なのか?

著者の河合隼雄先生は、ユング派の心理学者です。

心理学を少し学んでいたときに先生の名前を知って、本を読んでみたいなと思っていたのです。noterさんが本書を紹介されていて興味を持ちました。


一緒に学びましょう!💪


文学作品を通して見た「中年とは」

「中年とは」の、答えは書いてありません

中年とは○○、だから中年をこうやって乗り越えよう!
そんな答えは書いてありません。

考えるきっかけをつくる

本書は、12冊の文学作品を通して、著者が考える「中年とは」を論じます答えではなく、自分の人生を考えるきっかけを提供されています。

12冊の文学作品とは以下です。(→の右は章のタイトル)

第1章 夏目漱石『門』       →人生の四季
第2章 山田太一『異人たちとの夏』 →四十の惑い
第3章 広津和郎『神経病時代』   →入口に立つ
第4章 大江健三郎『人生の親戚』  →心の傷を癒す
第5章 安部公房『砂の女』     →砂の眼
第6章 円地文子『妖』       →エロスの行方
第7章 中村真一郎『恋の泉』    →男性のエロス
第8章 佐藤愛子『凪の光景』    →二つの太陽
第9章 谷崎潤一郎『蘆刈』     →母なる遊女
第10章 本間洋平『家族ゲーム』   →ワイルドネス
第11章 志賀直哉『転生』      →夫婦の転生
第12章 夏目漱石『道草』      →自己実現の王道

これらの本を読まれたこと、ありますか?

私は一冊も読んだことがないです💦
いかにこれまでの人生で文学に触れてなかったかわかりますね。

ちなみに、河合先生もあまり読んでこなかったようで、本書を書くためにこれらの作品を含め、いっぱい文学作品に触れたそうですよ。


2つ目の山へ挑む

人生を、ユングの人生前半/後半とも絡めて2つの山に例えています。

中年とは、2つ目の山にとりかかろうとするあたり

夏目漱石の『門』とも絡めると、人生と中年とはこんなイメージでしょうか。

中年の門に対しての選択で、「山に挑むのかどうか」「どんな山に挑むのか」が変わってくるような気がしました。

あなたは山を登りますか?

それはどんな山ですか?

私はぐんぐん登っていきたいです。


本書は入口

本書では、文学作品のほんの一部を切り取り、あくまで河合先生の考えとして「中年とは」を論じているだけです。

だから、興味を持ったらその文学作品を読んでみる
そして、作品を味わいつつ改めて自分で考えてみることが大事です。

私は、
・安部公房『砂の女』
・円地文子『妖』
・谷崎潤一郎『蘆刈』
・本間洋平『家族ゲーム』
・夏目漱石『道草』  

の5冊が気になりました。残念ながら『妖』は中古でも2,000円以上する高価な本なので躊躇していまいましたが、他の4冊は注文しました。

※『妖』も電子書籍なら通常価格です。


道草と自己実現

人生では、さまざまな「思いがけないこと」に出会います

そこで、社会的期待から逸れて、「道草」を選んでみる

道草こそ王道

また、「自己実現」とは、目指すべきゴールではなく、過程であるという話もありました。道は自分で選び・つくるそれが自己実現なんですね。

「どこかに到達しなければ幸せになれない」のではなく、
「いまを楽しみながら生きていたい」
ですね。


爆弾を抱えている

中年とは、安定しつつ、外側はニコニコ、でも内側には爆弾を抱えている。なんて話がありました。

爆弾なんて聞くと、悪いイメージに聞こえてしまいますが、「いい意味で爆発しちゃってもいいんじゃない?」そんなことを思いました。

やりたいこと、やっちゃおう!


まとめ

最近は割と濃いアウトプットが多かったのですが、今回はあっさり気味のアウトプットになりました。

本書が、

自分にとって中年とは何か?
中年をどう過ごすか?
どんな山を登りたいか?

そんなことを考えるきっかけになればいいと思います。
私は、登りたい山のイメージが持てました。

「中年とは?」については買った本も読みつつ改めて考えてみます。


本日の学びはここまで。また来てください。👋


読書期間 2022/12/26-2023/01/14
初版発行 2020/09/30
※1996年6月発行『中年クライシス』の改題

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