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かたるひとたち

河野竜平×鈴木大倫対談記録(後編)


この文章は平泳ぎ本店の俳優、河野竜平と、同じく平泳ぎ本店の俳優、鈴木大倫の対談を記録したものです。

前編↓
https://note.com/hiraoyogihonten/n/nb5d7f4f3eb1f


☆新型コロナウイルスの対策として
・常に換気を行う
・スタッフは常にマスクを着用する
・手洗いをする
・出演者は互いに手を伸ばしても届かない距離にいる
・最低限の人数で現場に赴く(小川哲也、河野竜平、鈴木大倫、実施場所の管理者として松本一歩)
・万一の場合のため、保健所の場所を把握する
・必要な絵を撮るとき以外はマスクを着用する
などの対策を行いました。

☆出演者同士の距離感については、
http://www.eiren.org/img/guideline_covid19_200519_2.pdf
の2ページ目のあたりを参考にさせていただきました。演劇団体である平泳ぎ本店ですが、劇場のガイドラインよりも、現地で撮影を行うこともある映画のほうが今回の企画の状況に近いと考え、映画撮影のガイドラインを参考にさせていただきました。

☆この会話は、緊急事態宣言が解かれてから数週間後、六月某日にされたものです。現在の状況、危機意識について、認識が変化している可能性があります。

河野 竜平(かわの りょうへい)

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(撮影:北原美喜男)
身長 175㎝
体重 70㎏
出身地 埼玉県
《主な出演歴》
第1回公演『The Dishwashers』吉原豊司訳 『洗い屋稼業』彩流社より@Theater Poo(演出:藤代修平)
第2回公演『えのえを なれゐて』@早稲田小劇場どらま館
第8回せんがわ劇場演劇コンクール『コインランドリー』@せんがわ劇場
第3回公演『コインランドリー』@十色庵
神奈川かもめ「短編演劇」フェスティバル2019『不意の晩年』@神奈川芸術劇場(作:武重守彦(めがね堂) 演出:松本一歩)
第6回公演『SAKURA no SONO』@下北沢OFF・OFFシアター(作:鈴木美波(PAPALUWA) 演出:松本一歩)
Dzoneフェスティバル2019参加作品『Theatrical Power-POP』@神楽坂セッションハウス
(以上平泳ぎ本店)
〈映像〉
映画『愚行録』(監督:石川慶)
映画『空母いぶき』(監督:若松節郎)
映画『じょりく』
NHK『いだてん』
ナイキCM
ナイキCMナレーション


鈴木 大倫(すずき たいりん)

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(撮影:北原美喜男)
身長 173㎝
体重 53㎏
出身地 東京都
〈主な出演歴〉
第2回公演『えのえを なれゐて』@早稲田小劇場どらま館
第8回せんがわ劇場演劇コンクール『コインランドリー』@せんがわ劇場
第3回公演『コインランドリー』@十色庵
神奈川かもめ短編演劇祭『机上の空論』@神奈川芸術劇場(作:武重守彦(めがね堂) 演出:松本一歩)
神奈川県庁特別公演『机上の空論』@神奈川県庁大会議室(作:武重守彦(めがね堂) 演出:松本一歩)
Dzoneフェスティバル2018参加作品『演劇的な、余りに演劇的な』@神楽坂セッションハウス
第5回公演『この戯曲を演じる者に永遠の呪いあれ』@新宿眼科画廊(作:武重守彦(めがね堂) 演出:松本一歩)
神奈川かもめ「短編演劇」フェスティバル2019『不意の晩年』@神奈川芸術劇場(作:武重守彦(めがね堂) 演出:松本一歩)
第6回公演『SAKURA no SONO』@下北沢OFF・OFFシアター(作:鈴木美波(PAPALUWA) 演出:松本一歩)
Dzoneフェスティバル2019参加作品『Theatrical Power-POP』@神楽坂セッションハウス
(以上平泳ぎ本店)
他TVCM、VPなどで活動中


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「人が一番怖えよやっぱ。このなんか、無限じゃん」

ー真面目な話をいっぱいしたので、ライトな方向へちょっと。

鈴木 あ、俺さ、前りょうへいにさ、あの個人的には聞いたことあったんだけどさ、改めてさ、ちょっと聞きたいんだけどさ。りょうへいってさホラーゲームとかもすっげえ好きじゃん。

河野 ああ、あ、うん。

鈴木 でさ、俺はすごいホラー苦手だからさあ、映画とかも。ゲームとかでも、基本的にはあんまりホラーゲームとか、やったりしないんだけど。りょうへいはさすごいさ、ケラケラ笑いながらさホラーゲームやるじゃん、あー面白いなあって。

河野 あーまあねまあねうん。

鈴木 恐怖って感じるの?

河野 いや、なんかね、恐怖…そりゃ感じるよ、恐怖、あ、びっくりはするよ。

鈴木 え、恐怖みたいのをさ、楽しんでやるんじゃないのああいうのは。

河野 そうよそうよ。だから俺を、この俺をどこでびっくりさせてくれるんだと。

鈴木 かかってこいよみたいな。

河野 かかってこいよ、っていう思いで行くじゃない。絶対あの角から出てくるっていう、場面あるじゃん、ハイきたーみたいな、もうそれがねー楽しいのよ。

ーあれでしょ、昔のバイオの、こう、ちょっと長い廊下で脇がガラスで、あここカラスか犬だな。

河野 そうそうここ絶対バリーンてくる、みたいな。でたまーに何の変哲もない冷蔵庫から爆発してゾンビがぐあーってくるみたいな、ドゥアアアって思うんだけど、それもまた楽しいじゃない。

鈴木 あ、それ、あやっぱそれ、結果楽しいになるんだよね、楽しいってことなんだ、あーそっか、怖っていうかさ。

河野 怖いー…時期も、あったよ。あったけど、でもやっぱ、ここまでやってくるとさ。

鈴木 もうベテランの域。

河野 経験を積むとさ、お、今度はどういうびっくりのさせ方してくれるんだい、みたいな。

ーこれは怖かった、みたいなのあるの?お、やってくれるなで終わるの。

河野 これは怖かった、のはねえ、えっとねえ、零っていうゲームのシリーズがあるのよ、結構有名なんだけど、4、5作くらい出てて。

ー写真撮るやつ?

河野 そうそうそうそう。幽霊が出てきていっぱい、それがね怖かったね!

鈴木 あーそうなんだ。

河野 だって、突然幽霊出てくんだもん…幽霊はね、怖いよ。だって、触れないんだもん。

鈴木 え、ああ幽霊とかは怖いのか。

河野 触れないもの。

鈴木 俺が見てるのゾンビとかだからかな。

河野 多分。だってゾンビが出てくるゲームはアクションゲームだもん。

鈴木 まあ、あーうん、なんかねだからね、俺ホラー苦手だから自分でプレイするのはまあほとんどやんないんだけど、あのユーチューバーとか、配信の人がさ実況動画やってるじゃん、でそれをたまに怖いもの見たさで見たりすんの。

河野 うん。

鈴木 で配信してる人もいろいろだから、りょうへいみたいに、ウオーイ、ウオーイ!、みたいな感じでプレイをしてると、みられるんだけど。え、怖いぜったい、絶対なんかくるこわい怖い、って言ってる人のはみらんないの。

河野 あー。

鈴木 だからたまに遊びに行ってさ、一緒にゲームとかやるけどさ、そん時にりょうへいがやってるバイオハザードとかすっげえ楽しいの、りょうへいが何とかしてくれるし。

河野 なんだろね、なんか映画とか観ててもさ、ホラー映画もすげー見るんだけど、なんか結局幽霊がどうのこうのとか、ジョーズみたいなああいう突然来るのとか、もまあびっくりするけど、何が一番怖えってその、人が、人が一番怖えよやっぱ。このなんか、無限じゃん、もう、掘り返してみたらいろんな人がいんじゃん。なんか、どこどこで少女の肉だけを食べて、みたいな、捕まったみたいな。人が狂ってく様が、怖い、怖いんだけど興味深い、いとをかしみたいな。そうその共存してるよね、その興味と恐怖が。

鈴木 あーなるほどね。

河野 そうそうそう、だから俺みたいのよ。なんかね、そう、人が、狂ってく様を描いてんのってさ、ちゃんと物語もねしっかりしてるのよ。結局その狂ってく様も怖いんだけど、物語としての興味も一緒にわいてくるから、もっとみたいなと。

ー映画論。

鈴木 そうだねりょうへいの映画論だねこれは。

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「見かたは、人それぞれなんだけど。」

河野 サスペンス、サスペンスが好きだね、駆け引きというか。すっげー、超駆け引きしてて、なんか最終的にこれは幽霊の仕業だったんだってなると、ちょっとがっかりするけど。

ーこんだけやっといてみたいな。

河野 そう、箒でサッてはいたなみたいな。

鈴木 あー確かに、幽霊って言っちゃえばなんでも起きちゃうしね。

河野 そうそう、そう、そうなのよ、何でもありじゃん。終わらしたろ!みたいな。

ー想像を超えてこない?

河野 俺、それ、その点でいうとね、あのーそのー成功例というか、いいなと思う例があって。ミストっていう映画があって、あの絶望感はねえ、いい絶望感で終わってくれるよね。みたことある?あのねー、いいぞおあの絶望感。

鈴木 すごいよね。

河野 すっごい良い。もう、あのね、世間、もうあの、シェイクスピアを観てるような。世間から見てると、世間から見ると、すげーハッピーなことなんだけど、でもね、その男だけに視点を置くとね、超絶望的なのよ。もう良い、すごい良い絶望感を与えてくれるの。

鈴木 あれ、俺も薄目で観たことがあるんだけど。原作の、小説かな?と映画だと結末がちょっと違ってて。で、原作者がその映画を観たときにすごく悔しがったらしいよ。そのアイデアを思いついてたら原作でもそうしたっていうくらいの映画だったって。

河野 ほんとねーもうほんと丁度いい。

鈴木 ああいうのが好きなんだね。

河野 丁度いい上に、あの、しっかりこの現実のねラインが引かれてるというか。そうあのー映画とかでさ、映画とかアニメとかさあなんか、そういう、事件とか起きたりするじゃない、事件が起きて、主人公がこうなんかちょっとひどいことになっていて、っていうのをね、みんななんかね、そのアニメとしてとらえるんじゃなくて、あのね他のこと、他のことにもっと置き換えていってほしいなんかこう、なんかなんとなくわかる、わかった気でいるんだけど、あこれ多分いまこの、現状の政府のこと言ってるんだろうなとか、そういう時に発したこう何気ない一言が重なってこうなっていくんだよっていうのをアニメとしてなんかこう、漫画として、大きくして書いてるだけで、その物事自体は、普通にこの、もう、生活の中で起こってることだから、それをねえもっとねえ、みてほしいよ。

鈴木 なんか、俺も何となくさ、どういうことかなって思っていたけどさ、最初のほうに言ったその、芸術をみて、なんか他の人の価値観を感じるみたいなのって、なんか今ちょうへいがいま言ったようなことなんだなってきっと、っていう風に、思ったわ今りょうへいの話を聞いて。演劇の種類でもさ、あの、こう、演説を求めてるか、対話を求めてるかって作りての違いってあるよね。

河野 うん、うん。

鈴木 その、自分の主義主張をこうなんだっていう風に、バーンってやる、突きつけるタイプの、芝居を作る人もいれば、自分はこう思うな、どうなんだろうっていう風に言って、私はこう思う、私はこう思うっていうのをすべて受け入れるそこまで含めて作品みたいな、作り方の人もいて。まそれぞれパワーはあると思うんだけど、どう、どうなんだろうね、どっちがいいとも言わないけどさ、でもなんか、交流はあってほしいなとは俺は個人的には思うんだけど。

河野 うん、そうあのやる側、演技する側の人間が言うのもおこがましい、とも思うんだけど、観る側の人も観ることをさぼるやつがいるじゃん、ここあれってどういう意味だったのみたいな、いやそれはかまわないよこうこうこういう意味でああいう展開になったんだよっていうのは、言うのは構わないけど、まず考えることをさぼんじゃねえって思うよね。見かたは、まあ人それぞれなんだけど。

ー疑問に思って、その次へ行け、みたいな。

河野 そう、そうそうそう。こうこうこうだと思ったんだけど、どうなのって、こうこうこうだと思っちゃったから、こことここが繋がらなかったんだけど、っていう言われ方をしたらまあ、いやあまあしょうがねえなあって教えるけど。

鈴木 あ、おれさ、ごめんねこれ俺が言いたいから、しゃべりたいから言うだけなんだけどさ。

ーどうぞどうぞ。

鈴木 あのー、プラネテスみてて、それで、これはすごくいいなって思ったシーンがあって、主人公の、あの主人公的な位置のね、男の人が、まあ地球生まれ地球育ちで、でやっぱり宇宙に出たくて宇宙、の仕事に就いてる、っていう人がいて、そのひとがねえ、あの月でね、月生まれ月育ちの女の子と出会う、シーンがあって。

ーなんだっけノノちゃんだっけ

鈴木 ノノちゃん、だっけか、

河野 ユーリ、ユーリ

鈴木 ユーリとは違う、あのハチマキっていうね、男の人が、その宇宙への憧れをすごい抱いてて、で、その月生まれ月育ちの女の子と出会って。であの月生まれ月育ちの子って、なんかやっぱ重力が小さいので、体がどうしてももろくなっちゃう、っていうところから導入で入ってくのよ、出会ったところも病院なんだけど。で、そしたら、あの、海の話が出てくんの、でその女の子がね、ハチマキに、地球の海ってどんな感じってきくのよ、で、ハチマキは、こういう感じで香りがしてって、いろいろ話をするんだけど、えーいいなあってふうに言って、で、そのときに男の人は、あ、この子はもう、地球の重力には耐えられない体になってて、あの、ずっとここに生きていくのかあってい言う風に、思うのよ最初。でまあ話が進んでいってそのあとその女の子が秘密の場所に連れてってあげるって言って、でその男の人を連れて、あの、月面に出るの、宇宙服着て二人で。

河野 おう、ほう。

鈴木 で、月ってさ海って、呼ばれてるとこがあんだよね、静かの海とか、そういうあの、月の地名って現実でもそうなんだけどたしか、あるのよ、でもそこはただの砂漠なんだけど、海って呼ばれてて、でその女の子がそこに連れてって、どうあたしの海、っていうの。

河野 ほーう。

鈴木 でその砂漠の砂とかをこうばあーってかけたりして、遊ぶんだけど、その子。で、そのハチマキはそれを見て、残念だけど俺にとっては、ただの砂漠だ、って言って、でもこの子にとっては海なんだって言って、結局、宇宙に対してどういう風に、見るか、どういう風に思うかっていうことなんだよなあ、っていう風なシーンで終わるのその話は。でそれみて、ああーって思って、あのー、いろんなことが世界中で起きててさ価値観とかも全然違う、わけだけど、なんか、その子にとってそこが素敵な海っていう風に思ってる海、だったら、あもう海でいいじゃんみたいな、でこっちはこっちの知ってるさ地球の海は海で好きだし、でそんなの海じゃねえよって、お互い言わなければ、いいじゃん海で。

河野 ねえ、丸ごと飲み込むことも必要だと。

鈴木 そう、だからなんかそういうことをさあ、あの、プラネテスみてさ感じる人が、少しでも多かったらさなんかちょっといいなあみたいに、思ったっていう話。

ーおすすめですよという。

鈴木 おすすめです、プラネテスはおすすめですという。

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「敬意をもって接すればさ」

ー芝居の話がありましたけど、俳優の仕事はどうでした?この期間中は。

河野 どう、でした?

ーどうでしたっていうかまず無いんだけど。

河野 まず無いよね。ぎりぎりの時に、撮ったやつは、あのリハというか、テスト、本番を撮るときだけマスクを外してくださいみたいな。でもずっと着けてなきゃいけないんだけど。それでじゃあテストも終わって本番ですってなるときになって、そのマスクをね、だれに渡せばいいのかとか、果たしてその人に渡してその同じマスクが自分に帰ってくるのかとか、っていう問題がねえ、発生して、もうねてんやわんやだったというか。

鈴木 それはまあ不安にはなるよね。

河野 あれほど人が集まる、物事もないよね撮影って。いろんなとこから。

ーだし集まんなきゃできないし。

河野 いざスタジオで取ることになったら密閉されてなきゃ意味ないもんね。

ー撮影自体は、決まったものはできた、延期とか中止みたいのはなかった?

河野 うん。

ーあ、じゃあまあ、幸運っちゃあ幸運か。

河野 うーん、まあねまあね。

ー実際に決まって、舞台もそうだけどさ、中止になったって話をやっぱ聞くからさ。たいりんは大丈夫だった?

鈴木 撮影があったんだけどそれは延期になって、でもまあ再開されるってことが決まって、まあ無事撮れた、っていう感じだったのかな。でもナレーションの仕事とかも、すごく減ったし。うん、でもまたぽつぽつ、再開はされてきてるけど。でもなんかこういう仕事ってさあ、普段からさあ、ある時とないときあるじゃん。

河野 まあね。

鈴木 うん、あーしばらくないなーっていうさ、そういうぶつけようのない不安とともに生活してるわけだけどさ。このコロナの影響でなくなった仕事なのか、それとも普通に今ないのか、わかんないのがねえなんか、気持ち悪かった。

ー今後とかは、なんか決まってたりすることありますか?

河野 ないねー今んとこは。

鈴木 今んとこわかんないね。

ー平泳ぎ本店もね、一本、二本か、一本は中止で、一本は延期になって、まだわからないですけど。なんかね先々の予定が立てられるようになるといいね。

鈴木 ホントだよね。

ー全体が。

河野 そうあの、なんかこれを、この記事を読んで誰かコメントをしてくれるのであれば、いやでもわかんないだろうけど、いつごろになったら、お客さんとして観に来てくれる目線からして、どれくらいで、まあコロナもなくなったし、観に行こうかなってなる、のかを教えてほしいよね。

鈴木 なんかほんとに、やっぱ観る人もやる人も健康的にならないとね心身ともに。なかなか、難しいよね。

河野 うん、たぶん誰か、だれか最初の人がこう、やる側も観る側も、誰かが動かないと動かないし。

ー今基準とかさ、データ自体、曖昧じゃない。オッケーって言われてもやっぱり、やりにくいし。一歩踏み出さなきゃ、誰かがやらなきゃいけないんだろうけど、踏み出した奴から死んでいくみたいな、なったらね目も当てられないからね。慎重になるよね。

河野 それはちょっとねえ。

鈴木 なんかね、もうちょい、だからいろんな、今回こういうことになって、いろんな職業の人たちが大変な目にあっててさ、そこにもれることなく俺たちも大変な目に合ってるわけだけど、ぜひこの機会になんかさ業界とかに興味持ってほしい、ってのはちょっとある。

河野 あーそうだね。

鈴木 なんかこういう部分では大変なんだなとかさ。あの、やっぱほら、配達業、宅配業の人たちに対してもさ、ありがとうっていうとかっていうのがさ、話題になったりしたじゃない。なんかそういうことってすごく大事だなって思うから。一生懸命何かのこと考えようよっていう、よりも、いろんな業界で、あそこはこうで大変なんだなーとか、あそこはあーで大変なんだなっていうふうに、なんかちょっとずつ目を向けてくみたいなのは、ぜひ起きてほしい。

ー働いてるのは人ですからね。

鈴木 うんほんとに。

河野 俺でも一個思うけどさ、その例えばその、宅配してくれた人にありがとうって言う、みんな言ってるから言うやつもいるじゃない。それが一番、気に入らないわあああああ。

ー中身はどうしたみたいなこと?

河野 うん、そう、そう!

鈴木 それはねもうほんとにね、あの、そうだと思うよ。

河野 いやわかんないんだよ、たぶん、言われてる側は。嘘だろうが言われたらそれはそれで気持ちいいし。もうなんか、その言った人が体裁を気にしていってんのかもしれないけど…んがしかしね、なめんなよと…なめんなよと!

鈴木 いやお互いに敬意をもって接すればさ、その形がありがとうって言う風になるんだったら、すればいいし、そうじゃないさ、方法っていうかやり方の人たちもいるんだろうから、それはもう、そこまではもう俺たちはさ、どうこう、言いようがないんじゃないの。敬意を持つってことなんだと思う。

やりたいこととか行きたい所とか

ーじゃあ、そろそろお時間がいい感じなので…最後にですね、まあこうやってこう、まだ大手を振ってとはいかないけど、外を歩いたりとか、こうやって同じ部屋で話をするみたいなこと、気を付けながらだけどできるようになって、まあこれがわたくしにとってこう、この期間中にやってみたいなあと思ったことで一つ実現してるんすけど、何でもいいので、お二人なんかやりたいこととか行きたい所とか、そんなのあります?

河野 えええ…漠然としたなあ…なんだろ、これ多分俺のいけないとこなんだけどさ、自分からなんかやりたい、みたいのはないんだけど、誰かに連れられて、あそこ行ってみねえ?て言われたら、もうどんどん背中バッスバス押す。で俺もついてく。押しながらついてく。

鈴木 お前はいいやつだよほんとに。

ーいいところだよそこが。

鈴木 もうほんとに、こいつのそういうとこ大好きだよ。

河野 あのね、自分で決めるのきらいだからもう、なんだろうね、ど、どこ行こうね。

鈴木 どこ行こうか。

ー俺は場所で言ったらまあ、海、箱根とか、そんな感じだけど。

河野 温泉いいね。

鈴木 行きたいねー。

河野 温泉はでもねえちょっとやっぱ肌寒くなってから行きたいよね。

鈴木 俺ねえ、前に仕事で大阪行って、新幹線で行ったんだけど、なんかそれまであっちのほうの距離感てよくわかってなかったの実は、親戚とかみんなあの、北のほうだからさ。なんか行ってみたら、あ、けっこう、こんな感じで行けるんだあっていうのが分かって。で、京都が好きなのよ、だから今年は、どっか時間作って京都行こー、っていうふうに思ってて、いた。でそのあとでコロナ騒ぎが結構深刻化しちゃったんだけど。だから京都に行きたいなあっていうのはある。

河野 あ、わかったあのね、大島っていうとこに行ってみたい。

ー大島ね、フェリー乗って。

河野 九州だか何だか。

ーいや、え、大島って東京都じゃない?

河野 いや、あるのよあの九州にも。

ーあ、りょうへいの祖先の、ところ?

河野 そうそうそう。なんかね、河野家のことがね、わかるとかわかんないとか、あるらしくて。

鈴木 解き明かしに。

ー解き明かしに行こうか。

鈴木 ね。

河野 なんか、あの、俺一人では行こうとは思わないけど、俺誰かが行こうって言ったら俺すげえ背中押すから。

鈴木 おまえ、自分の背中を押せよ。

おわり

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六月某日、"アジト"にて
企画・編集・写真:小川哲也(平泳ぎ本店)
協力:常盤ライブラリ

普段の生活を取り戻すこと、
そして、浮き彫りになった問題と向き合い、
よりよい生活を手に入れられることを願っています。

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