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 よく資格予備校から「〇〇士の資格を取ったら、次は〇〇士の資格を目指しましょう!ダブルライセンスのシナジー効果で・・・」という宣伝文句を見たります。はっきり言って「ダメなアドバイス」だと考えています。

”ダブルライセンス=二刀流、カッコいい~♪”

 いえいえ、よく考えてみてください。体育の剣道の時間。竹刀1本でいろんな型を覚えていきますよね。二刀流となると使いこなすにも時間が掛かります。使いこなせない2本の刀を持ってモタモタしているよりも、強力な一太刀を素早く決めれた方が良いに決まっています。(・・・と素人ながらに考えていますが、あくまで”私見”なので以下もご笑覧ください。)
 士業の資格も同様。資格予備校が簡単に「ダブルライセンスのシナジー効果」を謳っていますが、このシナジー効果こそ難題。各業界で活躍されている士業の先生も、基本は一刀流。複数のライセンスを持たれている先生も「統一した一つの肩書き」を持たれていることが多いです。「決めパターン」をシンプルにされているんですよね。よって「使えない二刀流よりも、強力な一太刀」が大事になってくると考えています。

 で、今回2023年1月21日(土)のセミナー講師経験でも、この点について考えさせられましたので、このエピソードをご紹介します。

1.セミナー講師経験からの気付きとは?

 インボイス等のセミナーコンテンツ。何度も使いまわし&ブラッシュアップしながら、現在もセミナー講師をさせて頂いております。

”セミナーで一番勉強になっているのは、受講生よりも講師”

 こんな言葉も聞いたことがあると思います。新規テーマの講師にチャレンジ!となれば、コンテンツ作りで猛勉強します。しかし既にもっているコンテンツを使いまわして講師する時も、コンテンツ作りで余裕が出来た分、受講生の立場に想いを巡らせ「マーケットイン」のレベルをアップさせるようにしています。

 2023年1月21日(土)、練馬区役所本庁舎にて、「どうする?診断士のインボイス登録!税務の疑問スッキリ解決」をテーマにお話させて頂きました。インボイス制度を中心に、電子帳簿保存法対応、そして2023年度版税制改正大綱といった、日頃「税務のモヤッとしている部分」を120分のお時間を頂き、解説させて頂きました。

図①:今回は電子化の流れに逆行!紙のテキストで「しっかり勉強した気分」が重点ポイント。

 ポイントは「税理士から見た税務」ではなく「診断士から見た税務」です。診断士にとって税務問題を税理士につなぐ前に「お客様のために自分事として考える」・・・期待されている役割は大きいのでは?!が問題意識としてあります。
 ところで、税のお話といえば「政治や歴史の考え」とも切っても切り離せないもの。SNS上の発信等に関する”ぶっちゃけトーク”もお酒の肴に、懇親会で続きをお話させて頂きました。(この後2次会、3次会と永遠と続く)

図②:練馬区役所本庁舎より撮影。セミナー会場は19階、懇親会は20階でした。

 私はもともと「(一社)板橋中小企業診断士会(いたしん)」の診断士。団体の垣根を越えて、このような貴重な機会を頂きました「(一社)ねりま中小企業経営支援センター(ねりせん)」関係者の皆さまに感謝申し上げます。これからも、税に関するオモシロ話。講演ご依頼があればいつでも駆け付けますヨ~!!ねりせんの皆さん、本当にありがとうございました。

2.「診断士視点」での「税の説明」を考える

 ポイントは「税理士から見た税務」ではなく「診断士から見た税務」だと先ほど説明しました。どういうことでしょうか?冒頭にも申し上げた士業の二刀流を意識するのであれば、セミナーの観点も「税理士(法律家)の観点での税務の説明と、診断士としての企業支援」という2つの切り口でもお話できたと思います。・・・しかし、二刀流は弱い!どっちつかずですよね。
 そこで完全に軸足を診断士に移したうえで、「税務を診断士目線でスッキリ解説!」に特化。次のように問題提起します。

「お客様からのクレーム。インボイスの価格設定について、診断士からは”税法の問題は管轄外”と税理士に丸投げ。そして丸投げされた税理士からは”価格設定の問題は税法ではありません”と塩対応。まるで大病院の重病患者の”たらい回し”・・・さぁ、どーする?」

 で、次のように紹介した後に、講義内容に入っていきました。

「我々、診断士は”何も独占業務を持たない=総合格闘家”が強みですよね。インボイスは税理論上、何ら難しいところはありません。至ってシンプルです。問題は価格設定の利害調整が難しいところ。税法の問題なので税理士会に丸投げしてきたのが、今までの診断士会の姿。傍観者ではいけません!そう、インボイスの価格設定問題は”総合格闘技”です。中小企業のお客様は診断士会の動きをきちんと見ています。」

図③:インボイスの難題は、最終的に双方納得の価格設定の問題に行き着きます。

 このように、二刀流を捨て、軸足を診断士側にじっくり置くことで、講義後は、参加者の診断士の皆さんからも「税務の疑問はスッキリ解消した!」と言って頂き、税のお話も自分事と捉えて頂けるようになりました。(・・・と感じています。)

3.Twitterつながりがリアルなつながりに!

 お話は以上ですが、最後におまけです。最近Twitterつながりが、リアルなつながりになることが多いなぁ・・・出会いに感謝です。

<以上となります。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。>

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