その時あなたは何してた？： 1996年 自民党単独内閣復活
Z世代は、細川政権といっても知らないのでしょうね？ミレニアル世代もあまり印象にはないでしょうねえ？
1955年に自由党と日本民主党の保守合同で誕生した自民党が初めて下野したのが1993年。そして完全復活したのが1996年のことでした。
1996年の新語流行語大賞は３件でした。
まず「自分で自分をほめたい」受賞者は、有森裕子（マラソン選手）。
次は「友愛、排除の論理」受賞者は、鳩山由紀夫（民主党代表）。
最後は「メークドラマ」受賞者は、長嶋茂雄（読売ジャイアンツ監督）でした。
主な出来事は、羽生善治が将棋タイトル7冠独占、薬害エイズ事件国が謝罪、渥美清が死去、サッカーワールドカップ日韓共同開催決定、「O-157」集団食中毒事件、マイアミの奇跡、ジョンベネ殺害事件、「原爆ドーム」世界遺産登録などでした。
1996年：「自民党単独内閣復活」
1993年8月9日、細川内閣が発足しました。自民党は、1955年の結党後、38年間守ってきた政権の座を初めて追われて野党へ下野しました。
当時の世論は、自民党の長期政権のもとでの政官癒着、政治腐敗、政権交代が行われない選挙システム等への不満が高まっていました。
世論を背景に非自民・非共産の８党派連立内閣を組んだものの一枚岩とはいかず、年明けの1994年1月21日、社会党からの造反で、政治改革関連法案が、参議院で否決されました。
細川首相は、自民党の改革推進派議員に呼びかけて決起集会を開き、改めて政治改革関連法案成立の機運を盛り上げました。
自民党総裁、河野洋平も細川とのトップ会談に応じ、急転直下、小選挙区300、比例代表200（全国11ブロック）2票制とする、企業団体献金は、1団体50万円までとする、妥協が成立しました。
この合意に基づき改正公職選挙法、改正政治資金規正法、政党助成法などの政治改革４法が、1994年3月4日に成立しました。
また、細川は、社会党や武村官房長官が消費税増税に強硬に反対していた中で、1994年２月3日午前1時に国民福祉税構想（3年後に消費税を廃止して、福祉目的の7%の国民福祉税を導入する）を突然会見で発表してしまいました。
この強引策は、政権内外の反発を呼び、翌日の連立与党代表者会議で、構想が撤回されるというドタバタ劇を演じ、求心力を失っていきました。
結果的に見れば、政治改革の実現が、細川政権の唯一の実績となりました。
この時に導入された小選挙区制や政党助成金制度が、2009年の民主党政権誕生につながる制度として機能することになるとは。。。
1993年に下野した自民党が翌年に社会党と組んでまで取り戻した政権を1996年には自民単独政権に戻しました。
単独政権を奪回した後、97年に消費税を3%から5%に引き上げたものの、その後は、安定した政治基盤を築いた第２次安部内閣まで消費税を上げることは、出来ませんでした。
国民に痛みを伴う改革を宣言して、選挙に勝ってこその改革なのでしょうが、何と難しいことなのでしょう!
さて、２度目の非自民政権が誕生したのは2009年でした。第45回衆議院議員選挙において鳩山氏が率いる民主党が、史上最多の308議席を獲得して政権交代が実現しました。
鳩山氏が国会で首班指名を受け、民主党政権が発足したのは、2009年9月16日でした。発足直後の内閣支持率は72％にもなりました。
政権交代アレルギーになってしまった！
しかし、この政権交代の起爆剤であり、国民の多くが支持した民主党マニュフェストは、残念ながらほぼ全て実現できませんでした。（続きませんでしたとか、成功しませんでしたの方が正確な表現かな？）
埋蔵金目当てのバラマキ政策の数々、例えば高速道路の原則無料化に始まり、中学卒業まで月2万6,000円の「子ども手当」支給、ガソリン税に上乗せされている「暫定税率」の廃止などが、本当に継続できる政策なら、これ以上素晴らしいことはなかったのでしょうが。。。
沖縄の基地問題もまたしかりでした。政権交代への大きなうねりとなった普天間の米軍基地を「最低でも県外」、「できれば国外」という構想は、単なる思いつき同然だったことが、次第に明らかとなり国民を失望させました。
政権発足直後の10月20日に米国のゲーツ国防長官が、岡田克也外相と会談した後、岡田外相は23日の会見で「県外は、事実上考えられない」と表明するに至り、後に安部元首相に「暗黒の民主党政権時代」と揶揄される素人同然政権を露呈してしまいました。
あーあ、残念！
後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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