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百物語11話目「トイレの壁」(実話怪談)

うちの娘の話だ。

第一話で「肉団子」の幽霊を見た子ね。

そして疳の虫の話で出てきた感の強い子。

彼女は疳の虫を結局抜けずに育ち、ときどき母にネタを提供してくれる。

彼女の名前を都井睦雄にちなんで、むっちゃん(仮名)としておこう。

まだ、前の家で、むっちゃんが4歳くらいのとき――。

ひとりでトイレもできるようになったむっちゃんなんだけど、ある日、トイレに座った状態で大泣きを始めた。

「どうしたの?」

私は慌てて台所から駆け付ける。

「壁から、ぼこぼこたくさん顔が出てきた~!

むっちゃん、しっこしすぎ! 言われた~」

とむっちゃんは泣き続けた。

むっちゃん、からかわれてるなあ。

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