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どんど焼きとこんにゃく作り【檜原村こよみだより・1月】

冬本番の、1月!東京都で唯一日本の滝百選にも選ばれている村内の観光名所・払沢の滝では、こんなに滝が凍りました。

1/28(土)の払沢の滝の様子(氷結率70%)

檜原村では、その年で払沢の滝が最も凍る最初の日を予想する「氷瀑クイズ」を毎年開催しています。そのため、クイズを運営する実行委員会が払沢の滝の結氷率を毎日記録しており、協力隊員もその一員として、当番制で滝の様子を確認しに行っています。(毎日の結氷率の記録は以下のウェブサイトから確認できます!)

1月31日現在、最大の結氷率は70%です。

毎朝寒くて布団から出るのがつらい日々が続いていますが、払沢の滝が100%凍るのを見たい!という気持ちもあり、もっと冷え込むことを期待している自分もいて、複雑な心境です(笑)。

そんな寒いなかでも、1月はイベントが盛りだくさんでした。今回のこよみだよりでは、正月飾りを焚き上げるお祭り「どんど焼き」と、地元の方と一緒に行ったこんにゃく作りの様子をお伝えします。

人里(へんぼり)地域のどんど焼き

「どんど焼き」とは、門松やしめ飾りなど、役目を終えたその年の正月飾りを持ち寄って焚き上げる行事です。どんど焼きには、正月飾りを目印に家に来てくださった年神様を、正月飾りを燃やした煙とともに天に見送るという意味もあるそうな。

今回私が参加したのは、私が住む人里地域のどんど焼きです。前日から準備を行い、約6mの立派なやぐらができました!

持ち寄られた正月飾りと、地域で伐採した竹や杉、桑の木を使って作りました

当日は神主さんを呼んで、神事を行いました。しんと静まり返った厳粛な雰囲気のなか、持ち寄られた飾りのお祓いや、神様へのお祈りが行われました。

神事の後は、いよいよやぐらに点火します。点火役は通常、その年の年男・年女の方々が担いますが、今回参加者のなかに卯年の方が少なかったこともあり、なんと私も人里地域の移住者代表として点火役を担当させていただきました。

しっかり点火できました!

やぐらが燃え、まっすぐに煙がのぼっていく様子は、本当に神様が天に還っていくようでした。

青い空に煙がまっすぐのぼっていきます

地元の方々は燃え盛るやぐらを見ながら、談笑を楽しんでいました。どんど焼きは、神様への祈りの儀式であるだけでなく、地域の関わりを深める行事でもあります。こうした地域の季節行事が今も残っていることがとても素晴らしいなと思うとともに、そこに移住者である私も快く受け入れてもらえることが本当にありがたいなと思いました。

こんにゃく芋から作る手作りこんにゃく

1月後半には、地元の方に教わりながらこんにゃく作りを体験しました。

こんにゃくは檜原村の特産品。こんにゃく芋は水はけが良い土地を好むため、檜原村の斜面畑と相性が良いのです。村内にはこんにゃくを生産・販売する専門店もありますが、個人でこんにゃく芋を栽培し、こんにゃくを手作りする方もたくさんいます。私も今回、地元の方に教わりながら、こんにゃくを初めて手作りしてみました!

今回使ったこんにゃく芋。これで約2.5kgあります

まずはこんにゃく芋の皮をむき、下ろし金ですり下ろしていきます。

すり下ろすと、薄いピンク色になりました

その後、色がねずみ色に変わるまで30~40分ほど火にかけ、かき混ぜます。

どんどんピンク色が抜け、よく見るこんにゃくの色に近づいていきます

色が変わったら、数時間冷まします。十分に冷えるとこんにゃくは固まるので、包丁で切り分けていきます。

その後、アク取りのために炭酸ナトリウムと塩を加えてしばらく煮立たせます。しばらく煮ていると、こんにゃくからアクが抜け、身が引き締まり、弾力が強くなってきます。

どんどんアクが出てきます

こんにゃくの色にムラがなくなったら完成です!今回は、鰹節と醤油、そして田楽みそと柚子で美味しくいただきました。できたてのこんにゃくは臭みがなく、食感もプルプルで、本当においしかったです。

地元の方特製の味付けでいただきました!

そして私たちがこんにゃくをワイワイ食べていると、通りがかった地元の方々が集まってきて、一緒にこんにゃくを囲みながらのお茶会がスタート。

通りがかった人に「お前も食べていけよ」「こんにゃく持っていけよ」と、気前よく声をかける。通りがかる人も、「いい匂いがするなぁ」「何してるんだ?」と、気軽に様子を覗きにくる。そして気がついたらお茶会が始まっている。そんなところが、本当に檜原村のよさだなぁと思います。

冬になると観光客が減ってしまう檜原村ですが、冬にしか味わえない魅力もたくさんあるなぁと感じた1ヶ月でした。2月の檜原村も楽しみです!

text by 高野優海(檜原村地域おこし協力隊)