YU-MI

記者・ライター/東京都檜原村地域おこし協力隊/元・非電化工房住み込み弟子。耕作放棄地で…

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記者・ライター/東京都檜原村地域おこし協力隊/元・非電化工房住み込み弟子。耕作放棄地で畑をしながら、スカイツリーよりも標高が高い家で暮らしています🏡

マガジン

  • 自作の詩まとめ。私にとって詩とは、感情の魚拓のようなもの。感情は、その瞬間に捕まえないと、すぐに消えてしまうから。これは覚えておきたいぞ、という感情をなんとか留めておくために、詩を書いています。

  • 映画レビュー

    しぬほど映画に自己投影をして、しぬほど自己満足な感想を書きます。★は5.0点満点。年間100本鑑賞が目標。

最近の記事

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『チ。』はまんがで読む般若心経だったし、お陰で死ぬのが怖くなくなった

私はいままで、自分(人)が生きる意味をけっこう真剣に考えてきたと思う。その結果、武士道の教えを本気で実践しようとして挫折したり、様々な生き方を訪ねて日本全国を旅してみたり、現在は山奥で自給自足の修行をしていたりと、傍から見たら迷走と呼ばれてしまうようなムーブをかまし続けているが、私自身はいたって真剣である。そんな試行錯誤のなかで、生きる意味を探すうえでの最大の敵の存在に気がついた。それは「死」だ。 「私たちはどうせいつかは死んで無に帰すのだ」と考えると、生きているうちに何を

    • エッセイ / 余命

      余命があと一日だったら、 家族と過ごしたい。 余命があと一年だったら、 家族や友人、恋人をはじめ、大切な人たちと過ごしつつ、世界のまだ見たことのない国々を旅してみたい。 余命があと三年だったら、 自分のためだけに時間を使うには、ちょっと長すぎる。 だから世界が少しでもよくなるように、自分ができることをしてみたい。 自分がいなくなったあとにも、残るなにかをしてみたい。 そんなことを考えて、それは余命があと五年でも、十年でも、五十年でも、同じことが言えるんじゃないかと気がつ

      • エッセイ / 自他の境界について考える

        最近、お気に入りのポッドキャスト聴いていて、「ホースコーチング」というものを知った。 そのポッドキャストでは以下のようなことが語られていて、「確かに本来、自分と他者との境界線って、確固たるものではなくて、その都度変わるものだよなぁ」と思わされた。 私を含め、多くの人は、「昨日会ったAさんは、今日も同じAさんだ」という前提に立っている。自分自身についても同様に、生まれてから今まで「確固たる自分」として存在し続けていると信じている。 でも本当は、自分をつくりだす境界線は時と

        • なぜ経済合理性だけで価値を測ってはいけないの?宮台さんが教えてくれたこと【私の冒険の書#1】

          孫泰蔵さんによる書籍『冒険の書 AI時代のアンラーニング』を読んで大いに刺激を受け、私も自分なりの冒険の書を書いてみることにした。 泰蔵さんの『冒険の書』はざっくり言えば、「僕らはなぜ勉強しなきゃいけないの?」「自分らしく楽しく生きるにはどうすればいいの?」「好きなことだけしてちゃ、なんでダメなの?」という、泰蔵さんが兼ねてから抱えてきた疑問に対する答えを、様々な古典にあたりながら、泰蔵さん自ら導いている本だ。 そんな泰蔵さんの熱量にあてられて、私もここ数年自分のなかにず

        • 固定された記事

        『チ。』はまんがで読む般若心経だったし、お陰で死ぬのが怖くなくなった

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        • なぜ経済合理性だけで価値を測ってはいけないの?宮台さんが教えてくれたこと【私の冒険の書#1】

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          エッセイ / トルコからの飛行機で84歳のばあちゃまの隣になって

          この前、ヨーロッパ一人旅からの帰りの飛行機で、日本人のおばあちゃんの隣になった。飛行機はトルコから日本に向かうもので、おばあちゃんにもどうやら連れはなく、一人の様子だった。 エコノミーシートにちんまりと座った小柄なおばあちゃんは、髪はきれいに真っ白く、背中は少し曲がっていて、見るからに80歳を超えていた。「こんなおばあちゃんが海外に、しかもトルコに一人旅を…?」とびっくりしたが、おばあちゃんはなんだか険しい表情をしていたので、席に座った後もなんとなく話しかけずにいた(今思え

          エッセイ / トルコからの飛行機で84歳のばあちゃまの隣になって

          ブルースの真似事

          散々な日々だからこそ 書ける言葉を書いてみよう こんな日にでも 太陽は燦燦 だったらいいけど 弱ってる僕は 天気予報見る元気もないから 出先で傘もなく雨に打たれてる ただ 思い出に逃げて ただ 未来を憂いて ただ 息を殺して今をやり過ごす そんな日もあるよ 調子いいときには 今を生きるんだとか言っときながら 今よどうかはやく過ぎてくれと 祈るように身を縮める夜 今から目を逸らして くだらない画面のなかを彷徨って 時間を早送りするために 逃げ込むように眠りに落ちる 毎

          ブルースの真似事

          詩 / ひとりぼっちに

          樹々たちは手をつながない それは 大地の下で すべてとつながっているから 魚たちは抱き合わない それは 自分は海とひとつだと 知っているから 星たちは語り合わない それは 自分を生きることが すべてを生きることだから つなぐ手がないことを どうして嘆くことがあるだろう あなたは もっとたしかなもので すべてと むすばれている 有無を言わさず むすばれちゃっている 嘆くとすれば どうしたって一人ぼっちになんかなれないことを 嘆くんだな *** たまに、どうしよ

          詩 / ひとりぼっちに

          GWに般若心経を意訳する

          観自在菩薩(かんじざいぼさつ) あらゆるものを自在に観ることができる菩薩が 行深般若波羅蜜多時(ぎょうじんはんにゃはらみつたじ) 真理を見抜く智慧を完成させるための修行をしていたとき 照見五蘊皆空(しょうけんごうんかいくう) この世のあらゆる物質も、感覚も、想像も、意志も、記憶も、すべては固有の実体がないものだと悟った 度一切苦厄(どいっさいくやく) そして、彼はあらゆる苦しみから解き放たれた 舎利子(しゃりし) 弟子よ、よく聞きなさい 色不異空(しきふいくう) こ

          GWに般若心経を意訳する

          詩 / 敵はどこだ - R.I.P. Ryuichi Sakamoto

          敵はどこだ? 憎き彼らを すみやかに処刑せよ しかし全滅させてはいけない 敵はどこだ? 彼らがあちらにいる限り 僕はこちらに安住できる だからはやく 敵をよこせ 敵はどこだ? 彼らは僕を脅かす 同時に僕は 彼らに生かされている 敵はどこだ? 僕の家が建っているのは 殺してきた彼らの死体の山の上 敵はどこだ? 僕は彼に向けて刀を抜く 彼は僕にキスをする 敵はどこだ? 斃れたのは彼 斃れたのは僕 敵はもういない 僕ももういない *** 坂本龍一さんが亡

          詩 / 敵はどこだ - R.I.P. Ryuichi Sakamoto

          意和訳 / A Whole New World

          I can show you the world Shining, shimmering, splendid きらめき輝く、すばらしい世界を見せてあげよう Tell me, princess, now when did you last let your heart decide? ねえ、教えてよ 君が最後に心に素直になったのはいつだった? I can open your eyes 君に、世界の新しい見方を教えてあげる Take you wonder by wonder 素

          意和訳 / A Whole New World

          「ゼロで死ね」という本を突然渡された私はハンガリー行きの航空券を買った

          ある日、私が職場のデスクで事務作業をしていると、職員のOさんから突然「ゼロで死ね」と書かれた本を手渡された。当然とてもびっくりした。Oさんは仕事のできる人で、普段あまり雑談をしない真面目な人だから尚更だ。おもむろに私のデスクに近寄ってきたOさんは、「この本は、YU-MIさんが感じてきた資本主義に対する違和感とも結びつく本なんじゃないかと思うんです」と言いながら、本を私に手渡した。 その本は、「DIE WITH ZERO ~ 人生が豊かになりすぎる究極のルール」という本だった

          「ゼロで死ね」という本を突然渡された私はハンガリー行きの航空券を買った

          エッセイ / 頭に置き去りにされる身体

          「頭でわかっていても、なんだか決断ができないとき」って、「頭が身体を置き去りにしてしまっている状態」なんじゃないかと気がついた。 身体は、過去にも戻れないし、未来に行くこともできない。常に現在、今この瞬間にだけ、存在することができる。一方で頭(思考)は、未来を先取りすることができてしまう。 「このままの道を進んだら、のちのち後悔することになりそうだ」、「あっちの道を選んだ方が、きっと自分は幸せになるだろう」。頭でそう分かっていても決断ができないのは、その後悔も幸福も、あく

          エッセイ / 頭に置き去りにされる身体

          エッセイ / 高崎小旅行

          昨日から今日にかけて、友人と群馬県の高崎に小旅行に来ていた。目的は「シネマテークたかさき」というミニシアターで映画を観ること。私とその友人は映画が好きで、「一緒にミニシアターをつくろうか」などと夢を語っていた時期に、全国のミニシアターを少しずつ一緒に回る小さなマイプロジェクトをスタートさせたのだった。 前回は埼玉県深谷市にある「深谷シネマ」という映画館に行った。全国で唯一の酒蔵を改装した映画館で、周囲のレトロな街並みと相まって、すごく素敵な場所だった。 今回行くことにした

          エッセイ / 高崎小旅行

          エッセイ / 久々に性格診断やったんだけどさ

          先日、久しぶりに性格診断をやった。仲の良い友人がSNSに上げていたので、なんとなく私もやってみようと思ったのだ。 結果は以下のような感じだった。 驚いたのは、「職業別の才能」という項目で、「芸術家」のポイントがかなり低かったこと、反対に「家庭人」のポイントがかなり高かったことだ。 私は数年前、エニアグラムという、人の性格を8つに分ける性格診断に凝っていたことがある。その時の私は、圧倒的に「タイプ4(芸術家タイプ)」のポイントが高かった。でも今ではどうやら、芸術家ではなく

          エッセイ / 久々に性格診断やったんだけどさ

          自分の願いについて、現在地の記録

          「人はいかに生くべきか」、もっとやわらかく言えば、「私たちはどうしたら幸せに生きられるのか」。私がずっと探求してきた問いだ。その本質的な答えだと思えるものが、とある本にあっさりと言語化されていた。 結局、これに尽きるんだと思う。「これに尽きる」と思えているのは、今までずっと、その答えを探して試行錯誤を重ねてきたからこそなんだけど。 思えば『嫌われる勇気』でも、同じようなことが言われていた。 だからこそ私はここ数年、「ありのままの自分」の純度を高めることと、つながりを感じ

          自分の願いについて、現在地の記録

          エッセイ / スマホなくした

          1週間くらい前にスマートフォンを落としてなくした。上着のポケットに入れていたはずが、いつの間にかなくなっていたのだ。なくしたのはバイクで檜原村から新宿に向かっている最中(距離にして約60km)だったので、どこに落としたかもわからないし、落とした衝撃か、後続車に轢かれたかで十中八九壊れているに違いない。そんなわけで、探し出す努力さえせず、私はスマホを諦めた。自分でも意外なほど、ないもんはもう仕方がないよなと、結構すぐに割り切れた。 強いていえば、本体のボイスメモに残していたこ

          エッセイ / スマホなくした