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キラキラアドレス読み上げの刑に処される私とフォネティックコード


メールアドレス。
の「@」の前のところの話。

@の後ろはドメインと言うが、@の前は「ローカル部」と言うらしい。
わかりやすくユーザー名なんて言う時もあるかもしれない。

会社やオフィシャルで使うものは、自分の名字や名前が入っていたり、企業などの窓口なんかはinfo@〜とか、support@〜とかが入っていたりする。

私用で使うアドレスは、皆それぞれ「自分」を表すような、イニシャルや誕生日、好きなもの、ペットの名前などを入れている人もいるのではないだろうか。最近で言うと各種SNSの@以降、ユーザーネームと呼ばれるものがそれに近い存在であると思う。


SNSなどがまだまだ少なかった時代は、主に携帯のメールアドレスの@の前、いわゆるローカル部にその人のキャラクター性が現れていたと思う。

世代の人は「いたいた!」と思ったり「私そうだった...」という人もいるかもしれないが、携帯電話のキャリアメールがコミュニケーションの主流だった頃、若者の中には、よくそのアドレスをコロコロ変える人がいた。

変える人のアドレスには大体、その時付き合っている人のイニシャルだったり記念日なんかが入っていて「アドレス変更しました!登録してね♡」なんてメールが来ると「あれ、あの子と別れたのかな?」なんて思ったものだ。若くて淡い、ちょっとくすぐったい思い出であろうと思う。


その当時、私はというと、迷惑メールが大量に送られて来てわずわらしくなった場合くらいしかアドレスを変えたことがなかった。
けれど、私はそんなコロコロとアドレスを変える人のことを「ぷぷぷ」とは思っていない。
かく言う私もメールアドレスについては、黒歴史のようなものがある。

私が一番最初に携帯電話を持った10代の頃、初めて付けたアドレスは煙草の銘柄の名前だった。
別にヤンキーだったわけでも喫煙者だったわけでもないのだが、単純にその煙草のパッケージデザインがかっこよくて好きだったのだ。
なんて、それっぽいエクスキューズを入れてみるも、割としっかりめにイタい。喫煙者でもないのに、煙草の銘柄をアドレスに入れているティーンエイジャーという時点でもう痛々しいくらいにイタい。


最近は携帯のメールアドレスなんてほとんど使うことはなくなってしまったが、私は仕事柄、電話口で相手のメールアドレスを聞くタイミングがある。

間違いがないようにと、一つ一つアルファベットを言って確認をするのだが、もしそれが、ランダムなものではなく何か英単語になっていたりしたら、それを言った方がわかりやすいかなと思ってそれも併せて言うようにしている。

例えば「h, i, n, o, s, o, uで、お名前のヒノソウ様のアルファベット表記で間違いありませんか?」とか「l, i, g, h, tで、照明の"ライト"のつづりで合ってますか?」とか。
しかしこれが、なかなか特徴的なアドレスだった場合、かなりの苦行になる。

「復唱致します。l, o, v......で、ラブスウィートマナチャン、アンダーバー、キス、ドット、エックスエックスエックスでよろしいでしょうか?」

みたいな感じだ。
こちらとしても地獄だが、あちらとしても恥辱であろうと思う。


また、BとDや、MとNなど、口頭ではわかりづらい時に「JAPANのJですか?」なんて聞いたりするパターンもあるが、これもこれで大変だ。

たまにスラスラと「ホテルのH、アイスのI、ナンバーのN、オンオフのO...」ととてもわかりやすく、かつスピーディに例えとなる単語を伝えてくれる人がいるが、私はそれを聞くといつも、まるでリフティングが得意な近所のお兄ちゃんを見たサッカー少年のように「おぉ〜すっげー!」とただただ感心してしまう。

私はこの「それっぽい」例えを出すのがどうも苦手で、瞬発性はあるものの、絶妙なチョイスの単語を突発的に言ってしまうことがある。
「トイレのTと、ウォシュレットのWと…」なんて謎のお手洗い縛りになってしまっていたり「G...えーとグランドキャニオンのGと」とか「モーメントのM」とか「ピップエレキバンのP」とか、わかりやすく伝えるはずなのにやたら長かったり、もはや英単語じゃなかったり、なんであえてそれ...?と思うようなわかりづらい単語が口から飛び出してしまうのだ。

一番ひどいものだと「D」の例えが咄嗟に出てこず、焦りすぎた結果「デブのD」と言ったことがある。
ひどい。DEBUなんて表記、どこでも見たことがない。

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