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マーケティングの教科書 #8 商品の良さや付加価値を伝える「プロモーション戦略」

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本記事のポイント

  • プロモーション戦略は「広告」「人的販売」「セールス・プロモーション」「パブリシティ」の4つの要素がある

  • AIDMAの法則を用いて、4つの要素(活動)を組み合わせることをプロモーション・ミックスと言い、購買決定まで意欲を高めます。

最初に本記事で押さえておきたいポイントだけ記載するようしています。
詳細についてはこの後の記事に記載してあります。

プロモーション戦路

 消費者に対して販売する商品の特性や付加価値を正確に伝えることができなければ販売に結びつきません。そこで企業は様々な手段によって商品の購買を促す活動を行なうが、これを「プロモーション(販売促進活動)」と言います。

 企業がコントロールしながら実行する広告や人的販売などのプロモーションと、企業が必ずしもコントロールすることができないプロモーションとしてマスコミによるニュースやトピックスなどのパブリシティ、人々のクチコミなどがあります。

(1) プロモーションの要素

① 広告

 広告は企業がコントロール可能なプロモーションですが、マス・メディアなどを通じた活動であり、消費者に対する一方通行のプロモーションと言えます。広い範囲に大量にしかも迅速に情報を伝える機能を有効に生かし、店舗へ足を運ばなくてもあたかも回遊している気分にさせる演出や、その商品を使っているシーンを連想させるビジュアルな演出などで顧客を誘引するのが目的です。しかし、情報が画一的でしかも一方的であることから個々の飛要を捉える機能に乏しく、購質を決定する決め手にはなりにくいともいわれています。

② 人的販売

 人的販売も企業がコントロールレながら行うプロモーションです。しかも消費者とは情報交換が双方向でできる極めて説得力のあるプロモーションとなります。特に、他店あるいは他社製品との比較検討をしている消費者に対し、商品の特徴や使用方法、支払方法やアフターサービスなど消費者の疑問にリアルタイムの対応ができる効果を持ちます。

 一方で、広い囲に大量・迅速という点からは効率的ではありません。また、販売員の商品知識や人間性などに左右される活動で、教育訓練の充実やモチベーションの向上など企業として従業員を育てるシステムも要求されます。

③ セールス・プロモーション


 プロモーションとセールス・プロモーションとの違いは、プロモーションが「広告」「人的販売」などを含む戦略としての位置付けであることに対し、セールス・プロモーションとは具体的な販売促進活動を指しており、一般的には「狭義の販売促進活動」などといわれています。セールス・プロモーションも企業がコントロールする活動で、分類すると「消費者向け」「販売店・流通業者向け」「社内向け」の3つに整理さます。

a.消費者向けセールス・プロモーション

 販売時点のラッピングや商品説明あるいは販売後の品質保証などのサービス、景品や懸賞などのベネフィット、推し物や試食会などのイベント、街頭でのノベルティ類配布、会員制やポイントカードによる顧客の組織化などがあります。

b. 販売店・流通業者向けセールス・プロモーション

 販売店や流通業者が当社の製品を扱いたい、と思ってもらうことが目的で行われる活動です。例えば、事前のサンプル提供や工場見学、経営指導や販促用具の提供などのリテール・サポート、販売コンテストなどによる表彰制度などが取り組まれる。

c. 社内向けセールス・プロモーション

 社員のモチベーションを高めることを目的に行う活動です。人的販売による販力は販売に携わる個人の資質に大きくを左右され、しかも消費者の中には販売員以上の商品知識をもっていることも珍しくなくなっています。
一方で、知力と販売力は欲して比例するものではなく、人間性によるところの方が大きいともいわれています。これは決して販売員を教育すれば成し遂げられるものではなく、経営陣以下全従業員によって作られる会社風士が最も重要です。

④ パブリシティ

 パブリシティは、企業がコントロールしにくいプロモーションですが、消費者に対するアピール度は抜群で、常々のマス・メディアに対する種極的なアプローチが重要です。例えば、テレビ番組の中で「ココアは高血圧の予防食品だ」と取り上げられるとその日の夕方からには店頭のココアが完売するほどです。これは、CMなどその会社が制作するものとマスコミという第三者が制作するものとの信額性の差とも言えます。ニュースや特集としてマスコミが報道するものであるため、費用などが一切かかりません。しかし、日ごろからマスコミに対して自社の商品や商品情報を提供するなどパイプ作りをする努力が必要になります。

(2) プロモーション・ミックス

 消費者が購買を決定するまでの心理プロセスを整理するとき、「AIDMA(アイドマ)の法則」が用いられます。Attention(注目)、Interest(興味)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(購買)のそれぞれ頭文字をとってAIDMAとしたものです。

 プロモーションは、消費者の購買決定を喚起する目的で行われます。それぞれの活動が、このAIDMAのどの段階に有効なのかを把握し、それぞれのプロモーション活動を組み合わせて消費者の購買意欲を冷めさせることなく購買決定に至らしめることがプロモーション・ミックスです。

 例えば、広告などは消費者の「注目」「興味」の段間には有効に作用するが、時が経つにつれて「欲求」や「記憶」が薄れ、結果的には「購質」決定まで引っ張ることが難しいプロモーションであると言えます。一方、人的販売は直接的に消費者の心へ働きかける活動ですから、消費者はその製品について購入したいという「欲求」と使っているシーンを連想する「記憶」が高まり、「購買」の決断という決定力は強いものの、スタートの「注目」「興味」への働きかけは弱いという特徴があります。

 したがって、広告でつかみ人的販売で落とすというプロモーション・ミックスが基本となり、心理プロセス全体を期し上げたり期間を迎めたりするためにセールス・プロモーションやパブリシティなどの活動が組み合わされます。

以上、#8はここまでです。

今回もお読みくださりがとうございました。
次回もぜひお読みください。

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