コーチングの教科書 #4 コーチングスキル② 相手に喜びを与えるアクノリッジメント
アクノリッジメントとは
アクノリッジ(承認)することは、相手を安心させ喜びを与えます。
しかし、次の疑問に答えられるでしょぅか。
なぜ、人は他人から承認されたいのか。
なぜ、部下を承認することが大事なのか。
なぜ、自分で自分を承認するだけでは不十分なのか。
人間は協力関係を築くことによって生き延びてきました。一人では生き残ることはできません。そのため、人は「自分が協力関係の中に入っているか」不安を抱え、常に深いレベルではそのことを自分自身に問いかけています。その問いかけに「YES」と答え、不安を解消してくれることができるのが、周囲の人間の承認です。とすると、承認されたい・・・すなわち自分が協力関係の輪の中に入っているという安心感が得たい・・・という欲求は「空腹を満たしたい」「眠りたい」といった食欲、睡眠などと同じく、「生き残る」という目的を果たすために、最低限満たされるべき基本的欲求のひとつであると言えます。(マズローの5段欲求説)
では、この基本的欲求が満たされずにいるとどんなことが起きるでしょうか。空腹や睡眠不足の状態が長く続くと、不安やいら立ちを覚え、まずはこれが満たされることを最優先事項にします。承認されない状態が長く続けば、同じような症状が起こってきます。それゆえに、企業というひとつの協力関係の輪の中では、安心して仕事に意識が向けられるよう、上司が部下を承認してあげることが不可欠なのです。
アクノリッジメントの例
1.成果や成長を指摘する
「最近よくがんばっているね」
「わかりやすい企画書が書けるようになったね」
「机がきれいに片づいているね」
部下は指摘されたことで喜びや達成感を得ます。
2.挨拶する、観察したことをそのまま伝える
「おはよう」
「お疲れさま」
「今日は遅くまで残っているんだね」
「今日は青いシャツなんだね」
声をかけたり、変化に気づいたりしてあげることで部下は自分に関心を持ってくれていることを確認します。名前を呼ばれるたびに部下は自分の存在を認められているんだと安心感を得ます。
3.自分の感情を伝える(I→Weメッセージ)
「君がうまくやってくれたおかげでみんな助かったよ」
「君がいるとオフィスが明るくなる気がするよ」
メッセージは伝える側に事実なので、受け手の抵抗を最小限に抑えることができます。
4.メールに必ずレスポンスする
メールの返事は、クイックレスポンスであるほど、受け取る側にアクノリッジされたという意識を持たせることができます。
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