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コーチングの教科書 #2 コーチングの基本




コーチングの考え方

 コーチングの基本的な考え方としては、人間中心のマネジメントであり、人間らしさを大切にするという理念です。仕事も売上目標も重要ですが、人間の尊厳や一人一人の人間的成長の方がはるかに大切だという考えです。以下にコーチングの概念を示します。

コーチング概念

基本スキル

 確定されてしまった分野ではなく、今後もさまざまな報告・研究がなされる状況であるので、これが「基本スキルそのものだ」といえる状況ではない。適用する分野や状況によって、適応するスキルを学び、対応しなければなりません。次にあげる5原則を基本に、個々で考える必要があります。

 基本的に「一方通行」の指導から、「インタラクティブ(双方向)」コミュニケーションへと変化したと言えます。


(1)コーチングの原則


①人間尊重

 人間を尊重することです。人間を理解した効果的な指導によって、個々の才能を引き出し、発揮できるようにします。ひいては個々の幸せと組織の発展につながります。

②相互信頼
 お互いの信頼を培うことが大事です。信頼は、日常の言動と行動が一致している時に、築き上げられるものです。しかし、信頼は脆いもので一瞬にして壊れ、回復には長い時間が必要です。

③個性と多様性(啓発と研鎖)
 与えるなどの操作主義ではなく、個々の個性や持ち味を生かすことが大事です。そのためには、既成概念の画一的な指導方法にとらわれてはいけません。どこに答えがあるかわからない時代です。部下が資質や能力を発揮するために、常に新たな気持ちで探し出し、創造していくことが大事です。

④目標と協力(協働)
 目標を一方的に押しつけることなく、部下が自発的に行動し目標を達成するために、上司として何ができるかを考えることで強調的な協力体制が生まれます。放任や支配・従属的な関係ではなく、協働的な人間関係へと変わるべきです。

⑤感謝と評価
 コーチングの手法として、ほめ活かし・ほめ育てることが大切です。子供の教育や一般的にもいえることで、叱るばかりではいけません。個人の長所・成長を見逃さずに、事実をタイミングよく心をこめて認めることが大切です。

(2)コーチングの技術(スキル)


それぞれ行う分野によるが、スキルを分類すれば
 「コアスキル」・・・常に使う中核的スキル
 「サブスキル」・・・状況によって使い分けるスキル
となります。

(3)各種スキル


①確認のスキル
・・・「大事を確認」

②環境づくりのスキル
・・・「向かい合う?」コーチングの際の環境

③聴くスキル
【最重要スキル】
・・・「傾聴」心で聴くことの大切さ

④計画のスキル
・・・「具体的目標、計画の設定」

⑤心のスキル
・・・「相手の立場」に立つ

⑥自己管理のスキル
・・・「どういう態度で臨むか」

⑦質問のスキル
・・・「問い」で可能性答えやすい質問から入る

⑧直感のスキル
・・・コーチの「直感」を活用する

⑨学ぶスキル
・・・「学習する姿勢」

⑩認めるスキル
・・・「心の余裕」

⑪無限選択肢のスキル
・・・「無限の可能性」

⑫明確化のスキル
・・・「あいまいな情報伝達の排除」

⑬目的確認のスキル
・・・「本来の目的」

いろいろな考えが出てきています。順番は五十音順です。

(4)邪魔をする固定観念


①厳格指導
 
部下は厳しく指導しないと、業績が上がらないと思っていないか。

②上司万能
 
部下の意見・提案の方が優れている場合もあります。対面を気にしていないか。問題解決や業務改善を先送りにしていないか。上下の身分に関わらず、いろいろな方面から知識・経験などを学ぶ姿勢を持つことが大切です。

③万人均一
 
自分にできることが相手にとって出来るとは限りません。当然と思っていることがそうとは限りません。"十人十色で当たり前"と思うことも大切です。

(5)コーチングの重要性


①一人一人の考える力がますます重要

②組織のフラット化と個人責任が重要

③業績主義への取り組み
→目標管理は、数字だけを追う危険性がある。

④世代間コミュニケーション能力のギャップ

(6)コーチングの基本「GROWモデル」


 GROWとは、英語で「育てる、育成する」という意味であり、部下の指導・育成に関して、「Gpal(目標の明確化)」「Reality(現実把握)」「Resource(資源の発見)」「Options(選択肢の創造)」「Will(目標達成の意志)」などの頭文字をとつたもので、コーチングのキーワードでもあります。

GROWモデル


コーチングの実例

(1)コーチ利用法

  1. 現状をもっと上向きに変える

  2. よりよい仕事を見つける

  3. さまざまなストレスからの解放

  4. 目標達成の時間を早める

  5. 安心感を得る

  6. やる気を出す


(2)経営者の場合

  1. 緊急の事態に気を取られて、あいまいになりがちな長期目標を強力に推し進めるため

  2. 社員の離職率を下げる

  3. 社員のモチベーションを高め一人一人をパワーアップする

  4. 心の中で決めたことを撃実に実行に移すため‐強力なメモ機能として使う


(3)中間管理職の場合

  1. 部下の強みを引き出し仕事に活かす

  2. マネジメント力を高める


(4)ビジネスの局面…コーチングで得られた"成果"の声

  1. 前より部下の話をしっかり聞けるようになり、部下の良い部分を褒めてあげることで会話が弾むようになった。

  2. 躊躇せずに自分の意見を言えるようになった。

  3. さまざまなタイプの人と前よりも積極的に話せるようになった。

  4. 知らず知らずに無理をしていたことに気付き、仕事のやり方を変えたらストレスが減り以前より営業成績も上がった。

  5. 指示・命令よりも自分で考えさせることを意叢するようになってから、部下からの提案が増えてきた。

  6. 仕事の優先順位やムダな行動が明らかになり、生産性が上がった。

皆さんはコーチングによって、どのように変化するでしょうか。

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