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コーチングの教科書 #3 コーチングスキル① 相手に安心感を与えるペーシング



コーチングスキル習得後の意議・行動の変化

 コーチングは、習得後の意議・行動に変化が出てきます。部下が自発的に行動をするようになり、安心して自分の強みを生かしていけるようにサポートを行えるようになります。また、問題可決に関しても積極手に理想的な方法で行い、リスクの軽減を行う行動をするようになります。

コーチングスキル習得後の意識・行動の変化


コーチングスキル

ペーシングとは


 人間にとって最良の味方は人間です。

 しかしその一方で、第一次世界大戦以降の100年間で、戦争や殺人事件によって1億3千万人以上が人間の手によって殺されています。つまり人間にとって人間は、最良の味方であると同時に最も危険な敵でもあるのです。それゆえに、相手が「敵なのか、味方なのか」判断しようとし、一度「敵」と判断したものに対しては、レセプター(聞く耳)を閉じて、受け入れようとはしなくなります。

 ペーシングは相手に「自分は味方なんだ」「自分は君と同じだ」ということを効果的に伝えることのできるコーチングスキルです。

 ペーシングによって、立場の違いから少なからず上司に対して防衛反応を働かせている部下のレセプターを開き、いち早く信頼関係を築くことが可能になります。

レセプター


ペーシングの基本

ペーシングの基本

全く同じ赤いボールを、部下が受け取りやすい放射線で返す


言葉のキャッチボール(コミュニケーション)を観察する

言葉のキャッチボールを観察する


言語によるペーシング

言語によるペーシング


非言語によるペーシング

非言語によるペーシング


その他のペーシング例

ペーシングは日常の次のようなシーンにも見ることができます。

1.メニューの注文「カツ井にはカツ井」

 部下「午後、大事なプレゼンがある。よし、今日のお昼はカツ丼にしようかな・・・」
 上司「お、いいね。じゃ僕も付き合おう。カツ丼2つ!」
賛同してもらえた、同じ食べ物を食べている。これだけで相手は安心感を得る。

2.名前を呼ぶ

上司:「おはよう、田中君」「田中君、この件はどうなっているの?」「田中君、よく頑張っているね」
 アメリカ人は日本人に比べて、しつこいほど会話の中で相手の名前を呼びます。それに比べ日本人はあまり会話の中で相手の名前を呼びません。
 あなたは、部下に話しかけているとき、名前を呼んでいますか。
 名前を呼ばれるたびに、深いレベルでは部下は自分の存在を認められているんだと安心感を得ます。

3.洋服を合わせる、同じポーズをとってみる

 どんなときにも上着を脱がない上司、部下を立たせたまま椅子にふんぞり返って話を聞く上司。これだけで部下は上司に対して少なからず緊張感を覚えます。部下が上着を脱いだら、上着を脱いでみる、部下を座らせて自分と同じ姿勢で同じ目線で話をする。これだけで、部下は安心感を得ます。

4.話しかけられたら相手に注意を向ける

 パソコンの作業中に部下から話しかけられた時、そのまま中途半端に話を聞いてしまう。「面倒くさい」「後にしてほしい」と思いがちですが、部下のほうも話かけるタイミングをうかがっていたはず。モニターから目を離し、一度部下と視線を合わせてから話を聞く。視線を合わせる、こんなことからも部下は安心感を得ます。

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