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私が36歳でイラストレーターになり、同時に著者デビューもできた理由

イラストレーター&文筆家&漫画家の陽菜ひよ子です。
このnoteでは、今までしてきたお仕事をご紹介しています。
主な内容は、お仕事の詳細や感想、依頼されたきっかけなど。

イラストをご依頼される方にとってのサンプルとなるだけでなく、イラストレーターを目指す人が参考にできるような内容を目指しています。
今までの記事は、コチラからご覧になれます。

デビュー作「やさしい写仏ぬり絵帖」

現在の私の画風からは想像できませんが、私のデビュー作はとっても「渋い」ものでした。2006年当時のぬり絵ブームに乗って発売された「仏さまのぬり絵本」だったのです。

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お気に入りイラスト「観音菩薩」「文殊菩薩」「普賢菩薩」


当時は、普段から面相筆でこまかい絵を描いていたので、これくらいの絵も面相でサッと描けたんです。これは観音菩薩。

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編集さん曰く「これはこれで素晴らしいけれど、色を塗るのは厳しい」ということで、本番は、もう少しシンプルな感じになりました。

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これは文殊菩薩。「三人寄れば文殊の知恵」のことわざの元になっている、とても賢い仏様。右手に剣、左手に経典を持った文武両道な仏様でもあります。獅子の上に乗っているのが特徴。特にお気に入りの1枚。
(最近になって、今のタッチで文殊菩薩を描いたのがキャッチ画像です)

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こちらは普賢菩薩。お釈迦さまは、もともとゴータマ・シッタルダ王子ですから男性ですが、仏像には性別はありません。しかし、前述の文殊菩薩が男性的なのに対し、この普賢菩薩はとても女性的な雰囲気の仏様です。

その雰囲気の通り、女人成仏を説く法華経に登場することから、特に女性の信仰を集めました。合掌して白象に乗るのが一般的です。

文殊菩薩と普賢菩薩は、ともに釈迦如来の脇侍として祀られることが多いとのこと。


出版後の反応~新聞や雑誌に掲載されたこと


このお仕事のあと13年ほどが経ち、いろんなお仕事をさせていただきました。しみじみ、最初のお仕事がダイヤモンド社さんだったって、すごいことだったんだなぁ、新人には身に余る光栄だったなぁ、と思います。

まず、八重洲ブックセンターの目立つ場所に、ドドーンと数十冊が平積みになっているのを見て、「ああ私、この世界でやって行ける」と無謀な確信を抱いてしまいました。(それは大きな間違いで、そんなに甘くはないとすぐに悟りますが。)

当時は本当にぬり絵がブームだったこともあり、なんと、朝日新聞に「ベルバラぬり絵」と一緒に掲載されたり(オスカルさまと一緒に!感涙!)

ああ、池田理代子さんと一緒に名前が載ったよ!アンドレ!!

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あのダヴィンチで紹介されたり!しかも一番最初!!

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ダイヤモンド社さんもこの本には力を入れて下さっていたのか、新聞広告も2回ほど打っていただき、そのたびにコンビニに買いに走りました。


2015年に電子書籍化、2019年に新たなお仕事に


2015年には電子書籍化され、Amazonのレビューなどを読むと、老人ホームのイベントなどで活躍してくれているようで、うれしい限りです。

実はこの本については、2019年現在もよくお問い合わせがあり、今年に入って素敵なお仕事に結びつきました。そのお話は、また別の機会に。


編集プロダクションとは

2006年に出たこの本は、私のイラストレーターとしてのデビュー作であると同時に、著者としてのデビュー作でもあります。私の名前の前に記載されている造事務所さんは、池袋にある編集プロダクションです。

この本はダイヤモンド社の本で、ダイヤモンド社から出版・販売されています。編集プロダクションとは、本の編集制作・販売のうち、編集のみを行う会社のこと。テレビ番組でいえば、テレビ局と制作プロダクションのような関係です。

つまり、この本は編集をした造事務所さんと私の共著として、ダイヤモンド社さんから出版された本です。お仕事のやり取りは、造事務所の編集さんと行いました。


お仕事をいただいた経緯


ダイヤモンド社さんと造事務所さんからは、この前に「写経の練習帖」が出ておりました。

これは結構売れたそうです。

当時、私はライター講座に通っていて、そこでいろんな人と知り合ったのですが、その中に造事務所の編集さんがいました。

実は私、この写経練習帳を偶然買って持っていたんです。そう話したら編集さんがすごく喜んでくださって。確かに、はじめて会った人が自分の作った本を持っていたらうれしいですよね。

たぶん、かなりその点で好印象を持っていただけたと思われます。すごく運がよかったのでしょう。

数年前にもぬり絵ブームがありましたが、2006年も空前のぬり絵ブームでした。そこで、満を持して組まれたのがこの「写仏ぬり絵」企画。

「写仏ぬり絵」本のイラストレーターを探していたところへ、運よく知り合って候補になったようで。このド新人を抜擢していただくことになりました。。。思い出すたびに本当にありがたい話だと思います。

初めての相手に仕事を依頼するって、編集さんにとっても賭けみたいなものなんです。仕事でお願いする以上、絵のよさはもちろんですが、人間性も大切です。

特にイラストレーターにとってまったくの初めての仕事の場合、実績がないので、ちゃんと仕事をしてもらえるかどうか、先方はまず心配します。

どんなにいい絵を描く人でも、締め切りを守らなかったり、修正に応じてくれなかったり、途中で放り出して逃げてしまったりしたら困ってしまいますよね。

顔見知りであれば、その点はかなり安心できます。この仕事がいただけたのは、先に知り合いになり、さらに本の愛読者だったことが大きかったと思います。

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