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氷見市で暮らしながらSDGsを考える。ー落合陽一さん著書を読んでー

SDGs(Sustainable Development Goals)という言葉をご存知でしょうか?筆者は恥ずかしながら、つい最近まで※この言葉を知らずに暮らしていました。

※初めて目にしたのは、2019年の年末くらい※

SDGsについて興味を持つきっかけになったのは、オリエンタルラジオ・中田敦彦さんの動画を視聴してからでした。落合陽一さんの著書、『2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望』をエクストリームに解説する企画。

この動画は、SDGsの導入として、そして落合陽一さんの導入として、とても分かりやすく、実際にSDGsについて学習してみようと著書の購入に至りました。

SDGsとは?

持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。 SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。

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※外務省のHPより引用※

と言われても、ピンと来ないのが普通だと思います。日本人にとって、1.貧困をなくそうや、2.飢餓をゼロに、6.安全な水とトイレを世界中に、はあまり馴染みがありませんよね。落合さんでさえ、初めの頃は「馴染みないのもの」だと感じたようです。

「SDGs」というヨーロッパ式ゲーム

筆者の場合、本書では第4章記載のこの言葉を見て、ようやくピンと来ました。

それは何故というと、筆者の大好きなスポーツで、欧州発祥の世界最高峰自動車エレースF1(Fomula 1)が打ち出した環境方針や欧州自動車業界が打ち出す環境方針(規制)が、この「SDGs」と結びついたからなのです。

ニュースのタイトルにあるように”2030年までにー、2030年からー”の背景は、SDGsの指標と深く結びついているは確実と言えそうです。

自動車業界だけではなく様々な業界で、グローバル化が進んだ今日、SDGsは決してひと事ではなく学んでおくべき大切な概念と実感が湧きました。

また本書では、欧州が掲げる『法と倫理』を重んじる「ヨーロピアン・デジタル」は、GAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)の「アメリカン・デジタル」、一帯一路構想を掲げる「チャイニーズ・デジタル」、中東・アフリカ諸国の成長が著しい新興国の「サードウェーブ・デジタル」の最も上に位置し、それらの勢力を強く規制しようとする彼らの戦略が見えてくると言及しています。

SDGsとCOVID-19

2030年の未来へ向かって、世界はSDGsの理念を掲げながら協力して行こうと思っていた矢先、新型コロナウィルスが猛威を奮っています。

各国がロックダウン・外出自粛の対策をとり、人々の行き来が大幅に減ったなか、人類が地球に対してこれほど負担をかけていたというのが、改めて実感された方も多いと思います。人類がStayHomeしている間に、自然環境が蘇っているとも言えるようなニュースも届いてきています。

今現在は、SDGsどころではない。というのが各国の本音だと思います。それでも、with・afterコロナ時代の未来を考えていく上で、SDGsはひとつの軸になるのでは?と考えています。

氷見市に住みながらSDGsを考える。

外務省のHPを見ても分かるように、企業・地方自治体などに対するSDGsの浸透具合は肌感覚として感じます。しかしながら、企業のHPに「SDGsを頑張っています!」と書かれていても、実際のところはどうなのか?私たちはそう言った観点でも注目すべきです。

そして、「SDGs=企業がやるべきこと」では決してなく、私たち個人で出来る取り組みはあるように思えます。分かりやすいところで言えば、8.働きがいも経済成長も、11.住み続けられるまちづくりを、14.海の豊かさを守ろう、などは私たちの暮らしも直結する身近なSDGsと言えるでしょう。

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それでは、筆者が暮らす富山県氷見市とSDGsの関係はどのようなものがあるのでしょうか?とりあえず、「氷見市 SDGs」で検索してみます。

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...もちろん無いことは無いのですが、私たちに”分かりやすく”SDGsに対する取り組みを届けているサイトは、残念ながら見受けられませんでした。ただ、下へスクロールしていくと、トップページの1番最後に登場したのが「岸田木材株式会社」さん。

HPを覗いてみると、SDGsに対する取り組みが、とても分かりやすく掲載されている印象を持ちました。・ひみ里山杉を活用した地産地消の促進、・環境に優しい家づくり、・木育の教育推進などなど、私たちの暮らしに寄り添ったゴールにとても親近感を感じます。

岸田木材株式会社とSDGs

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そして今回ご縁があり、岸田木材さんの工場を見学させて頂けることになりましたので、その時の様子をお送りしたいと思います。この場を借りて、感謝申し上げてたいと思います。

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製品にする際に出る木の皮やおがくずは、燃料や肥料として再利用するとのこと。1%も資源を無駄しない、岸田木材さんの姿勢を感じます。

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普段は見ることが出来ない工程を見学し圧倒されます。

木材の地産地消を掲げる同社は、ひみ里山杉のブランド化にも貢献しています。写真からでも伝わる、ひみ里山杉のピンクがかった優しい色味はとても綺麗なのです。

今年3月、氷見市中央町にオープンされた「考えるパンKOPPE」さんの店舗にもひみ里山杉が使われており、身近な存在として”木材の質感”を感じられるようになりました。

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工場見学の最後に、案内して下さった岸田真志さんへSDGsについてもお伺いしてみました。すると、会社・企業側がSDGsを意識することは当然とした上で、

「ここで働いている従業員ひとりひとりが、SDGsに関わっているのだと認識することが大切である。」と仰っていました。

確かに、会社・企業のトップが、ただSDGsを掲げているだけでは、いわゆる”SDGsウォッシング”(見せかけ)になってしまいます。だからこそ、ひとりひとりの意識改革と小さな行動の積み重ねが、会社としてSDGsを体現するのだと言えそうです。

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”SDGsに取り組んでいる”ことに、個人が「やりがい」や「生きがい」を見いだせる社会なっていけば、私たちの暮らしも少しずつ豊かになる予感がします。

写真家としてのSDGsとは?

それでは、写真家として、SDGsとどう向き合えば良いのでしょうか?この問いは、とても難しいものであり、これから少しずつ考えて行きたい問題であります。

ただひとつ言えるのは、今回の岸田木材さんのように、SDGsや持続可能性に紐づいた活動を行っている人々からお話を聞き学び、そこで得た経験を、様々な情報媒体(写真・文章・映像)を通して人々へ伝えることは、今からでも出来るSDGsの第一歩だと思います。

これからはSDGsの文脈を汲みつつ、皆さんへコンテンツをお届けしていきたいと考えています。SDGsの側面から物事を見ることで、伝えられる情報の範囲がいっそう増えていきそうな気がします。

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私たちが住む氷見市は、幸いなことに、海があり山があり歴史もあり、暮らしの魅力が至るところに隠れています。しかしながら、高齢化や人口減少が顕在化し、乗り越えなければならない街の課題が沢山あるのも事実です。こうした中、写真家として常に問題意識を持って行動し皆さんへ届けることは、とても重要な役割であると思います。

ただ単純に、美しい景色を撮影しシェアするだけ、新型コロナウィルスが収束したら氷見市へ来て!と宣伝するだけでは、人々の心には突き刺さらないのではないのでしょうか?写真家としてのフィルターを通して、そして何かしらのメッセージを込めて伝えていく力が問われいるような気がします。

話は逸れますが、著者の落合さん曰く、SDGsは現代の5・7・5であるのだそう。確かに、制約(例えばCO2排出量規制)の中で、想像豊かなイノベーションが生まれる予感がします。実際に、コロナショックを受けて、飲食・観光産業がとても困難な状況下にある中、氷見市では「ヒミイーツ」という新しいテイクアウト&デリバリーシステムが誕生しました。

SDGsやCOVID-19に関わらず、今あるこの状況下で、思考停止せず考え続けることは、私たちの未来へ繋がる創作活動なのです。

はじまりとこれから

勢いに任せで長文になり、大変読み苦しい部分もありますが、ここまでがSDGsに対する現時点までの理解です。まだまだ勉強することは沢山ありますが、まずは知るところから全てが始まると思っています。

コロナショックを受け、地方の価値が見直されつつある現在で、地方はいままで以上にSDGsへ目を向け行動していく力が問われているように思われます。これからの時代で、人々から選ばれるまちづくりを、私たち個人から実践して行きましょう。

次の世代へ、私たちはどのような街そして地球を残すか、今こそ問われています。

その他の参考資料



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