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あるとさんのポエム|Webサイト制作ガイドライン共有化構想[#05]

先日、共有ガイドラインを作成することについて情報発信を行う中で、とても貴重なご意見や、具体的なアドバイスを頂きました。

今回は、そのアドバイスを自分に落とし込むために、内容を引用しながらご紹介させて頂きます。

※この記事は、あるとさんに許可を頂いて作成しております。
[Webサイト制作ガイドライン共有化構想とは]
全国のWebサイト制作関係者が同じガイドラインを利用することで、クリエイティブに集中できる環境を作ることを目的とした、ガイドラインの共有化構想です。
・決意表明Webサイト制作ガイドライン共有化構想[#00]
・マガジンWebサイト制作ガイドライン共有化構想

1.あるとさん

あるとさん(@cfm_art)についてご紹介させて頂きます。

僕が[Webサイト制作ガイドライン共有化構想の決意表明]をnoteに掲載したところ、Twitterで反応を頂けたことが始まりでした。

多くの方が賛同するコメントを下さる中で、あるとさんは未来を想定した言葉で引用してくださいました。

とても応援したい構想ではあるけども、ガイドラインレベルでは理想と現実のギャップに苦しむことになりそう。

はじめはこの「理想と現実のギャップ」のことが理解できていなかったのですが、言葉を反芻するなかでこれは「使われないガイドライン」になる可能性のことを指していることに気が付きました。

2.noteでのサポートとポエム

この引用リツイートを[#01]Twitterでの反応の記事で利用する許可をいただこうと、一度TwitterのDMでやり取りを行いました。

その数日後に少なくない金額をnoteでサポートまでして頂き、大喜びしているところに、Twitterで「身内で使うガイドラインの策定とそのギャップについて」という記事を書かれたと、DMでご連絡頂きました。

(DMからの抜粋)
やや後ろ向きな感じの物になってしまいましたが、私の昔話を盛ったモノですので、話半分を他山の石として参考にして頂ければ幸いです。
是非、これからも頑張ってください。

以下が、そちらの記事です。

【ポエム】身内で使うガイドラインの策定とそのギャップについて
URL:https://blog.cfm-art.net/posts/1196

正直な所、一度目に読んだときは落ち込みました。

しかし、これは「先駆者が残した虎の巻なのでは?」と捉え方を変え、もう一度読み直すことで「どうしていくべきか」というアドバイスに目を向けることができました。

人間はファーストコンタクトで落ち込むと、その後の内容がきちんと頭に入ってこないんですね…。

それからはどんどん勇気が湧いてきて、この道を踏み越えるべくnoteで記事にしようと思ったのが事のはじまりです。

僕の取り組みをこれからも応援してくださる方、この記事を最後まで読んで頂けると大変ありがたいです。よろしくお願いします。

これより、あるとさんの記事を引用しながら書きます。

3.利用する側のギャップ

利用する側のギャップは期待と違うです。
・・・
難点は良い・悪いという二元的な話ではなく、事前に個々が思っていた内容との差異で生まれる点です。
・・・
過程〜成果を広く公開した上でアジャイルを取り入れて行くのが良さそうに思います。

Webサイト制作ガイドライン共有化構想という見出しからは大きな期待を感じますが、実際に完成したものを見た時に「なんか違う…」と思われる可能性はあります。

仰る通り[過程〜成果を広く公開する][アジャイル(※1を取り入れて行く]ことで、少しでもギャップを埋めたいと思います。

(※1)アジャイルとは、短い開発期間単位を採用することで、リスクを最小化しようとする開発手法の一つです。
https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/column/01_agile.html

4.策定する側のギャップ

そのギャップとは、協力者が意外と利用してくれない、という事です。
・・・
ただし、その人に悪意があるとかそんな話は全くありません、その方も本気で協力したいけど、やっていくとなったらハードルがあってやりたくても出来ないのです。

これは本当にありそうです。僕も安易に協力した場合、実務で利用しない(できない)可能性があります。

これについて、あるとさんは以下の3つのハードル(導入コスト)があると記載されています。

1.時間というコスト
まずガイドラインを読み込むという時間や、今やっていることがガイドラインに則っているかを確認する時間などそれなりの時間が必要です。

導入してしまえば制作効率は上がるのですが、人間やはり腰が重くなるものです。これについては、このあとに記載がある[AtomicDesign]の部分が対策になると思います。

2.理解力というコスト
ガイドラインを正しく運用するには、利用者にもガイドラインに対する理解、何故そうなっているのかをある程度求めなければいけません。
・・・
そのフィードバックがもらえないことが多いのも地味に痛いところです。

僕がガイドラインでCUIを使いたくなかったのはこれに近い理由で、理解や習得するコストは低く設定したいと考えています。

しかし、複数の方と談義を重ねるなかで、作業効率を上げるためにはどうしても新しいことを理解したり、操作方法を習得する必要があります。

これは丁寧に説明したり、フィードバックをもらいやすい環境を作ることで、対策を練るしか方法はなさそうです。

3.今までを捨てるコスト
ガイドラインを利用する場合は、今までのやり方を捨てる必要性に迫られる事が多々あります。
・・・
ガイドラインと今までのやり方が競合した時に新しいやり方を選べる人はなかなかいません。

たぶん、このコストが一番高くて、慣れた方法を捨てるには覚悟が必要です。更にそれが実務となると、より安定している方法を選ぶので、今までのやり方を選択して共有ガイドラインを利用しない可能性が高くなります。

これについては、このあとに記載がある[ポジティブな強制力(メリット)]の部分が対策になると思います。

5.どうしていくべきか

・協力者には策定者として自分と同じ立場になってもらう
・ポジティブな強制力を持たせる
・Atomicなものを目指す
・フィードバックはやっぱり欲しい
・ガイドラインという枠ではなく、より高次なエンジンという枠とする

前述されたコストへの対策を挙げて頂き、本当にありがとうございます!これらを肝に銘じる事がこのnoteの約目です。

1.協力者?策定者?
協力者とはどこまでいっても協力であって第二者です。結局は他人事とされてしまうと終わりです。

僕は今回の共有ガイドラインを作成するにあたって、会える距離の方は直接お会いして、遠方の方はZoomでお話させて頂いています。

有志の方々が考える方法は積極的に取り入れたり、Zoomを活用して全体での談義を行ったり、Slack内で意見を出し合ったり、それぞれの方が当事者意識を持てるような雰囲気作りを行います。

2.強制力
ガイドラインを使わなければいけない、という強制力はあった方がよいです。ただし、ネガティブな強制力ではなくポジティブな、です。
・・・
利用するメリットをわかりやすく提示できたり(利用した後に体感できるでは遅い)、意識をしなくてもつい利用してしまっているといったポジティブな強制力があると導入ハードルを大幅に下げることができます。

メリットを利用する前にしっかり訴求するのは重要です。

この共有ガイドラインのメリットに[協業を行いやすい]ことが挙げられます。共有することによってコミュニケーションやチェックバックのコストが下がり、現状よりも外部パートナーとの受発注が行いやすくなります。

僕自身が新規の外部パートナーの方へお仕事を依頼することで、スモールスタートさせて行こうと考えており、このメリットをうまく伝えることができれば、ポジティブな強制力となる可能性があります。

3.Atomic
AtomicDesign(※2)が流行っていますが、ガイドラインも個々の粒度は小さくして、用途から逆引きできるようなものが良いと思います。
(※2)AtomicDesignとは、一言で言うとフロントエンドの設計手法で、パーツやコンポーネントといった最小単位のものの実装を再利用可能な形で定義し、それらをどんどん組み合わせてもっと大きなウィジェットのような集合を実装、最終的にはウィジェットを組み合わせる形でページを実装する設計手法のこと
https://zudoh.com/frontend-design/what-is-atomic-design

個々の粒度を小さくして、使いたい所から逆引きで利用できる形を目指します。

CSS設計など影響する範囲が広いものは仕方ないのですが、部分的な利用が可能なガイドラインにします。

他にも、命名規則には単語のチートシートを用意したり、利用者がコピペで使いやすいWebサイトのコンテンツも考えます。

4.フィードバックはゼッタイ要る
自身のやる気を維持するためにも、(特にポジティブな)フィードバックは継続的に得られるようにしておくと心が落ち着きます。

βテストを行って頂ける利用者の方には、専用のSlackを設けるなどフィードバックが行いやすい環境を用意します。

こちらから質問を行ったり、定期的なZoomでのMTGなど、利用者の方と積極的にコミュニケーションを取ります。

明らかにネガティブな意見を多く発言される方には退室いただくなど、コントロール可能な環境でフィードバックをもらいます。

5.やっぱりエンジンでしょ
「ゲーム開発の民主化」の旗のもと世にでた、Unityのような、ガイドラインやフレームワークという枠を超えたエンジンというレベルであれば、裾野が広がるので導入ハードルが大幅にさがります。
・・・
エンジンはそもそも制作コストが段違いで、これをするということはつまり、そういう事業を行うに同義であるので全く現実的ではありませんが…

これについては僕の想像の域を超えておりまして、例えばWixJimdoが該当するのかも知れません。

最近では、STUDIOを良く見かけるようになりましたが、これを開発するのはあるとさんも仰るように現実的では無く、大きな可能性を秘めているものの僕の役割では無さそうです。

6.最後に

今回、あるとさんから頂いたメッセージには、大きな希望が隠されていました。これらの内容は、実際に稼働させれば起きうることであり、事前に把握できているだけでも助かります。

このポエムを共有ガイドライン作成虎の巻として、引き続き活動を続けていきたいと思います!!あるとさん、本当にありがとうございます!!

そして、最後まで読んでくださったあなた、どうもありがとうございます!

もし、この[Webサイト制作ガイドライン共有化構想]に賛同いただける方がいらっしゃいましたら、Twitterで拡散して頂くだけでも前に進む力となりますので、どうぞよろしくお願いします。

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