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セルソース流人的資本経営 ~エンゲージメントサーベイの有効活用①~

こんにちは、セルソースの細田です。

セルソースに昨年3月にジョインし、そこから初めてHR(Human Resources)分野に携わり、素人ではありながらも必死に考え、日々を過ごしてきました。

圧倒的に「まだまだ」ではありますが、これまでの苦しみや成果、学びを少しずつでもシェアして行こうと思います。

第一弾は、エンゲージメントサーベイの活用について。

先日、我々が活用する"Wevox"を運営するアトラエさん主催のセミナーで登壇させていただく機会があり、その際の資料を使いながら、二回にわたって「セルソース流・エンゲージメントサーベイ活用方法」をお伝え出来たらと思います。

セルソースの「HSF経営」

サーベイ活用の詳細に入る前に、大前提となる当社の経営手法である「HSF経営」について解説させてください。

セルソースは「同じ志を共有する仲間たちが集まって社会課題を解決し、
より良い未来に変えていくための経営⼿法」
として「HSF経営」という経営手法を掲げています。

我々は「全ての起点は人である」と心から信じており、それを経営手法として宣言することで、その覚悟を社内/社外に示しているものです。

「○○経営」で言うと、「ESG経営」などが思い浮かぶかもしれません。

勿論、Environmentも大事です。ですが、我々はそれも含めた社会課題を"Social"の中に織り込み、「何らかの社会課題を解決するヒト」に最も着目することを常に大事にしています。

この経営手法をベースに、戦略・戦術・作戦を練っていき、そのうちの一つが「エンゲージメントサーベイの活用」になるわけです。

急成長する中での課題

セルソースは創業来の年平均売上高成長率が「+77%」、営業利益・税後利益も創業来黒字確保、営業利益の年平均成長率が「+141%」と、爆速に成長してきました(第七期終了時点)。

セルソース決算説明資料より
セルソース決算説明資料より自作

このように、数字の「量」だけ見ると、非常に好調に見えます。しかし、人数が増えれば増えるほど、組織運営の難易度は指数関数的に難しくなり、所謂「50人の壁」「100人の壁」「150人の壁」にぶつかります。

そして、セルソースも漏れなくその悩みを抱えることになりました。

以下は当時私が整理したロジックツリーを思いっきり簡素にしたものですが、右端の緑色で表されているのが「表面的な問題」、そして青色で表現しているのが「それを引き起こしている原因=課題」です。

そして、「前例に囚われずにこういった課題に対処していくこと」が私の役目だと捉え、各種打ち手を打ってきました。

そして、各課題に対して当てた解決策の一部が、以下のオレンジ色のアイテム達であり、3-1~4-3はWevoxを使って実行しました。

その他の「面接ガイドライン」や「オンボーディングプログラム」についてはこちらで少しだけ触れていますが、おいおいnoteも書いていきたいと思います。

(4-1)徹底的な可視化と迅速な行動

改善には可視化が必須

上表と少し順序が逆転してしまいますが、4-1から説明をしていきます。

HRに携わって強烈に思ったのは「正確な組織の状態が理解出来ないと、どうにもならない」ということでした。

社長は社長の、役員は役員の、人事は人事の「理解」があります。ですが、皆「当事者」でもあるので、それぞれバイアスが掛かりまくってますし、どれが正しいかを証明する基準もありません。

そうすると、例えば「社長の理解が正」となった会社では、全く的を得ない人事施策が取られ、組織が崩壊していくかもしれません(実際そういう会社は少なくないと思います)。

そこで、エンゲージメントサーベイを活用し、「客観的な情報を元に組織の状況を正確に理解する」こととしました。

セルソース・オリジナルの可視化手法

Wevoxを導入し、まず最初にやったのは以下の散布図を作ることでした。

(データはダミーです)

毎月実施する「パルスサーベイ」には32問の設問があります。この32問の「総合点」「標準偏差」を計算し、この散布図上にプロットします。

この「標準偏差」が非常にポイントです。「16項目50点、16項目90点」と「32項目全部70点」はどちらもケースも総合点が70点になります。しかし、その状態は全く異なります。これを炙り出すのが「回答の標準偏差」です。

各象限の属性を簡単に纏めると以下の通りになります。実際には「過去からの推移」という3軸目があるので、結局はn=1で見ていく必要があるのですが、まずはこの4象限を意識して分析していきます。

この散布図を見ながら、「各月5-7名」の個人面談を行い、Wevox結果を個人ごとに打ち出した「カルテ」を元にお話をします。

(4-3)先手先手の人事面談

「事後」にしかできないが、事後だと意味の無い人事面談

往々にして、人事面談と言うのは「事後」に行われることが多いです。つまり、何か問題が起きてから、若しくは、深刻化してから当事者/関係者との面談がセットされます。

そしてそれは当たり前のことで、全体社員の数%もいないHR部隊が虱潰しに社員と面談していくわけにもいきません。また仮に面談したとしても、「事前」なので話すネタもなく、将来起き得る問題にはたどり着けないでしょう。

ここで、このパルスサーベイが活躍します。主な効果は二つ。

①結果からアラートが読み取れれば、「事後」ではなく「事前 or 事中」に面談が設定できる。
②自分の入力した点数なので、「点数」について話を展開すると、一気に深い話からスタートできる。

①面談アレンジのタイミングが早くなる

この「パルスサーベイ⇒面談」フローを始めてからとても驚いたのは、「サーベイから感じられたアラートは、ほぼほぼ正しい」ということでした。

そして、そのアラートの半分ほどは「まだ表面には表れておらず、ご本人の中で抱えられているもの」でした。

これを理解して面談することで、理想的には「事前」、遅くとも「事中」での対話ができ、HRとして、若しくは経営層として、取るべきアクションを取ることが出来ます。

②「自分」と対話するので、コンフリクトが無い

僕らは、各自の入力結果を基にした「カルテ」を作成し、それをお見せしながら面談を進めます。

「カルテ」と言いますが、所謂医療のそれとは違い、全て「本人」が入力した情報が並んでいるため、言い訳もできないし、する必要もありません

人間、他者からの指摘に対しては、少なからず心理的ブロックが掛かります。それが面談の難しい所です。

ですが、こちらの場合は、常に対話相手は「自分」なので、通常の「他者」との面談より遥かにスムーズに、しかもクイックに進んでいきます。

Wevoxを使うことの最大のメリット

アトラエの担当の方にも申し上げていますが、正直、Wevoxの「機能面」だけ言えば、頑張ればGoogle formとExcelで代替可能ですし、実際それを理由にサーベイ系SaaSをやめた会社を沢山知っています。

ですが、大事なのは「UI/UX」です。

Google formだと、「この選択肢を選ぶ」という意識が数コンマ働く感覚があること、分かっていただけるかと思います。

その数コンマのうちに「これを選んだらどう思われるかな」とか「前回俺はなんて答えたっけな」とか考えてしまい、回答に「歪み」が生じます

ですが、Wevoxは「ささーっと」応えられるUI/UXになっていて、32問ですが、リアルに1-2分で回答が出来ます。

そうすると、より「本人の素」が回答に表れ、結果として良いサーベイになります。

良質なデータが無ければ、何も出来ません。その観点で、UI/UXが優れたWevoxを選んでよかったと心から思っています。

おわりに

今回は主に「エンゲージメントサーベイを活用する理由」「方法」、そして「Wevoxの優れた点」について触れさせていただきました。

次回は、今回触れられなかった「活用方法」と共に、「サーベイ実施時の注意点」についても述べていきたいと思います。

HRで悩む全ての人と繋がり、一緒に考え、良質な会社を多数生み出していきたい。これからも情報発信を続けていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。



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