鬱から回復したきっかけ
私は数年前に仕事(部活)が原因で鬱になりました。数年間は鬱がひどい状態で働くことができず、なかなか回復しませんでした。その間に何度も自殺をしようとする程でした。しかし、あるきっかけから鬱が好転していきました。ここでは、実体験として私が鬱から回復したきっかけを述べます。
減薬
最初に鬱が良くなったきっかけは、減薬です。私は、3年以上同じメンタルクリニックに通っていました。私がメンタルクリニックに通ったのはそこが時初めてでした。そのメンタルクリニックでは、主治医が『前回からいかがでしたか?』と毎回尋ねてきました。そこで、私が『◯◯が不安だ』『少し△△が気になる』など、症状を訴えると、薬がどんどん増えていきました。薬が増えるにつれて、期待とは裏腹に、頭は回らなくなり不安は増大して、感情が極度に高ぶったり昼間は眠気で動けなかったり、どんどん疲弊して気力が無くなっていきました。
その後、クリニックの治療方針を不審に思った家族の助けで、クリニックを転院することになりました。新しいクリニックでは、依存性があり長期的な使用は望ましくないロラゼパム(左の白い薬)をまず止めました。その後、リスペリドン(左の白い薬)とエビリファイ(右のピンクの薬)は頭の当たらきを鈍らせて悪影響があるとのことから止めることになりました。そして、リフレックス(中央の黄色い薬)とサインバルタ(カプセルの薬)を半減しました。減薬が進むにつれて、頭の働きがよくなったり、極度の感情の高ぶりが落ち着くようになりました。自殺企図も減っていきました。
運動
次に鬱がよくなったきっかけは、運動です。クリニックを変えるとともに、リワークプログラムに通うようになりました。リワークプログラムとは、精神疾患等で働けなくなってしまった人が、心と身体を回復させ社会復帰を目指すリハビリをするものです。
リワークプログラムでは、様々な運動をしました。気楽にできる散歩から始め、ストレッチやヨガ、卓球やボール遊びやバトミントンなどもしました。同じリワークプログラムに参加している仲間たちと一緒に運動することで体力がついただけでなく、仲良くなって悩みや苦しみについて話すことで心も回復していきました。
認知行動療法
加えて、鬱が良くなったきっかけとして、認知行動療法が挙げられます。認知行動療法も、リワークプログラムの一環でした。
『認知』とは、物事の捉え方のことです。人は同じストレス要因に出会ったとしても、ものごとの捉え方によって、高いストレスと感じたり低いストレスと感じたりと結果が異なってきます。例えば、『提出期限のある書類を忘れて叱られた』とします。『提出期限を忘れるなんて、自分はいつも失敗ばかりしている。こんなでは次も失敗するに違いない』と捉えると非常にストレスです。一方、『提出期限を忘れてしまったが、他の書類に比べて重要度は低い。たまには私も失敗はする』と捉えたらさほどストレスは感じずに済みます。この現実の受け止め方や捉え方が認知の違いです。
鬱になっていると、物事を悲観的に捉えたり、完璧主義に陥っていたりします。その悲観的だったり完璧主義的傾向の認知が、さらにストレスを生んでしまいます。自分にはどのような、認知(物事の捉え方)のクセがあるかを知って、気をつけるような訓練を繰り返しました。この訓練のおかげで、生きているだけで死にたくなるほど苦しかったのが、少しずつ和らぐようになりました。
最後に
私が鬱から回復していったきっかけは、減薬、運動、認知行動療法がありました。どれも、一人ではできないことで、多くの人に助けられました。
これは、あくまで私の体験談です。しかし、このようなきっかけもあります。今苦しんでいる方にとって、何かしら参考になる点があれば幸いです。
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