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少女の恩返し(1) (140文字小説)

 考えるより早く、足が出た。

 信号無視の車と、横断歩道にいたランドセルの少女。

 少女が助かった代償に、僕は光を失った。

 太陽も空も、月も星も、花も緑も、僕の世界から消えた。

 もう絵は描けない。

 僕が二十歳を超えたある日、制服姿の女性が家に来た。

「あなたの目にならせてください」

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