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建設業にブロックチェーンがフィットする理由は?

こんにちは!

今年から「ハラヒデ」と高校時代のニックネームを名乗ることにした、digglueの原 英之(@harahidey)です。人数が少ないにも関わらず、弊社にはもう一人「」という社員がおり、私と区別をつけるためにそう名乗ることにしました!

余談ですが、FRAME00さんのインタビューを行った際は、インタビューする方もされる方も「原」だらけ、という異常事態にw
(インタビュー内容はこちらからどうぞ)

雑談はさておき、本題に入ります。

昨年末、弊社では「建設業界におけるブロックチェーン活用に向けた実証実験を開始」というプレスリリースを出させていただきました。
建設最大手「大林組」様が取り組むブロックチェーン活用に向けた実証実験に伴走し、建設業界でのブロックチェーン活用を推進しています。

今回は実際に課題を深堀りしながら開発を進めていく中で見えた「建設業にブロックチェーンがフィットする理由」を書いていきます。

前提:企業向けブロックチェーンの特徴

今回取り扱うのは、暗号資産などに代表されるパブリックチェーン(Bitcoin、Ethereumなど)ではなく、いわゆる企業向けの分散型台帳技術(Hyperledger Fabric、Quorum、Cordaなど広義のブロックチェーン)についてです。

企業向けブロックチェーンを利用すると、当事者以外に公開したくない情報(価格など)に関しては秘匿しつつ必要な情報を共有する、という関係企業のみが情報にアクセスできるネットワークが構築できます。

ステークホルダーが分散して権限を持つことが可能で、ガバナンスを効かせながら、それぞれがネットワークの運用者として管理します。ネットワークの参加者として、監査法人や自社の競合を含めれば、より不正の起こりにくい強固なネットワークが構築されます。

そういった背景から、一度ブロックチェーンに書き込まれたデータは、改ざんが起こりにくく、データを信用するためにとっていた行動が不必要になり、その分のコストが下げられる、という特徴を持っています。

建設業にフィットする理由は?

一言でいうと「多くのステークホルダーの連携が必要な業界だから」です。

建設業は、ディベロッパー、自治体、ゼネコン、下請けなど、複数の企業が設計図、見積り、請求書、進捗など、多くの情報をやり取りする業界です。
つまりは組織・会社を横断した情報のやり取りが必要な業界といえます。

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引用:https://www.obayashi.co.jp/recruit/shinsotsu/construction/index.html

横断した情報のやり取りとは、例えば見積書や請求書などを想像するとわかりやすいでしょう。それらの仕事に付随するのが、相手側のシステムから出力された単価が契約書と異なっていないか、納品書と請求書の数量が合致しているかなどの「チェック業務」です。

一度ブロックチェーンに記録したデータは改ざんが難しいので、仮にやり取りの頭からすべてのデータを記録したら、チェック業務は必要なくなります。情報の入力時さえ気をつければ、その後のデータは改ざんされる恐れが無く、情報への信頼性を担保できるので、確認作業をすっ飛ばせるのです。

IoTなどのセンサー技術と紐付ければ、飛んできたデータに対してリアルタイムでブロックチェーンに書き込まれるので、入力時点での情報の正しさの担保も不要になります。

以上から、多くのステークホルダーの連携が必要な建設業に対して、ブロックチェーンは有用と言えるでしょう。

管理ソフトやiPadでは駄目なの?

最近では、施工管理アプリやiPadのAirDropでの連携等を使うことで、情報の連携の質はグッと上がりました。しかしながら、すべての企業が同じアプリケーションを利用することは難しく、情報連携に分断が生じてしまいます。

だからこそ、紙やFAXといった共通のフォーマットを利用する企業が多く残っているのではないでしょうか。

もちろん既存のシステムでも異なるシステム同士の連携は可能で、上記であげたブロックチェーンのネットワークに近いものを構築できます。

しかし多くの場合、権限が集中した特定の管理者を置くケースが想定されます。もしネットワーク利用のメリットを享受できる組織に権限が集中した場合、自社に有利なようにデータを改ざんすることが可能になってしまいます。

本当にやるかどうかはさておき、実際にやれる余地を無くしていく努力は必要です。

ブロッチェーンは、1つの組織に閉じた管理権限ではなく、複数のステークホルダーで分散して権限を持つことができるので(可能性を完全にゼロにできるとは言い切れませんが)既存のシステムよりは不正リスクを削減して運用することが出来ます。

加えて、一般に提供されている施工管理などのアプリケーションのロジックは、アプリケーション提供会社に委ねられるので、そのロジック自体を共有して検証することが出来ません。

一方ブロックチェーンの場合は、ソースコードのレベルでネットワーク参加者に共有されるので、どのようなロジックになっているか利用者側が検証できるようになっています。

ここがSaaSなどで提供されているアプリケーションとの大きな差です。自社で行う業務ソフトのロジックをしっかりハンドリングしておくこと、これはまっとうな姿だと思います。

具体的な応用事例は?

この記事でも紹介したように、取引に関するチェック業務のコスト削減に応用可能です。そのほかにも、建設現場の資材の品質検査記録をブロックチェーンを使って管理することで、品質や透明性の向上に繋がります。

これらは実際に大林組様との取り組みで検証してきたテーマであり、より具体的な話はこちらについては下記のセミナーでご紹介致します(無料・オンライン配信)。

1/27(水)19:00〜
「建設業界におけるブロックチェーンを活用したDXの進め方」

今回の話のより詳しい部分についてこちらでお話できるかと思います。
普段こういった場に登場しない、大林組様もご登壇いただくので、是非ご参加ください。(執筆時点で、90人強の方にお申込みいただいております)

参加はこちらから。

蛇足

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