日髙 仁

建築家 SLOWMEDIA主催  もっとみる

日髙 仁

建築家 SLOWMEDIA主催 http://www.slowmedia.net  逗子市の小坪漁港に面したカフェ「南町テラス」を運営 https://www.minamicho-terrace.com  関東学院大学 人間共生学部 共生デザイン学科准教授

最近の記事

空き家再生プロジェクト(その9)

弓削島で古民家再生のためのワークショップを連続して行っていたところ、上島町の方からお声がけをいただきました。上島町に寄付された古民家があるので、みて欲しいというリクエストでした。2014年2月ごろのことでした。少し時間があいてしまいましたが同年7月に上島町に行き、現地を案内していただきました。弓削島には「踊り場」と呼ばれる、祭りの中心になる集落の広場がいくつかあります。街路がそこだけ広くなっていて、お祭りの際にはそこに櫓が組まれ、踊りなどが踊られる集落の中心的な場です。その踊

    • 空き家再生プロジェクト(その6)

      鹿児島県岸良の古民家再生(2014〜16年)改修ワークショップまとめ 岸良(きしら)は小さな港町で、鹿児島空港から車で3時間。空港から鹿屋(かのや)まではバスがありますが、そこから先は自家用車かレンタカーで行くしかありません。行くには半日がかりで大変ですが、それだけのことはある、圧倒的に素晴らしい環境が岸良にはあります。 2年かけて行った「コミュニティDIY」空き家再生ワークショップ。「DIY先進地・岸良」のパワーで、なかなかいい雰囲気の拠点が生まれました。そこで、だいた

      • 空き家再生プロジェクト(その5)

        鹿児島県岸良の古民家再生(2014〜16年)第3回改修ワークショップ 第3回改修ワークショップは、また地元からのリクエストで、「広いキッチンが欲しい」というものでした。テラスができて、「きしたんカフェ」というカフェのイベントを定期的に行うようになり、保健所に届けて正式に認められる仕様のキッチンが必要ということになったそうです。 保健所で認められるためには、メインのシンク、サブのシンク、手洗いのシンクと3つのシンクが必要です。既存のキッチンにはシンクが一つしかなく、二つを増

        • 空き家再生プロジェクト(その4)

          鹿児島県岸良の古民家再生(2014〜16年)第2回改修ワークショップ 第2回改修ワークショップはちょっと欲張りなリクエストからスタートしました。「テラスが欲しい。できれば車椅子でも建物に入れるようにスロープも作りたい。」というのです。デイサービスのイベントスペースとしても使われるため、利用者には車椅子の方がいらっしゃいます。前回作ったゆったりした階段でも中に入るのには一苦労、行事などする際に困っているということで、なんとか叶えて差しあげたいリクエストでした。 すでに一度行

        空き家再生プロジェクト(その9)

          夜の道の駅と軽キャン(その2)

          軽キャンに自転車を積み込み、出かけ、道の駅で車中泊をする。 朝起きて、コーヒーを淹れる。このコーヒーが美味しくないと、車中泊がしょぼく感じられてしまうので、必ずコーヒーはきちんと淹れてゆっくり味わうことにしている。 写真はコーヒーの抽出セット。Snowpeak社製のコーヒーミル 、焚き火ケトルと450ccのチタンダブルウォール型マグカップ。この中には、300ccのチタンシングルマグカップがすっぽりと収まる。コーヒーを淹れる時には、最後に少しお湯が滴るドリッパーをマグから移す

          夜の道の駅と軽キャン(その2)

          空き家再生プロジェクト(その3)

          鹿児島県岸良の古民家再生(2014〜16年)第1回改修ワークショップ これは鹿児島という遠隔地で数回に渡るワークショップを繰り返し、地域の方々との「コミュニティDIY」で完成させた古民家のバリアフリー改修の事例です。長いワークショップだったため、数回にわたって書こうと思います。 ここで行ったバリアフリー改修は、車椅子に対応した勾配のスロープで屋外テラスにアクセスし、そこから直接室内に入ることができるよう、玄関の建具を持ち上げました。また、トイレや洗面所も改修し、車椅子でも

          空き家再生プロジェクト(その3)

          空き家再生プロジェクト(その2)

          出雲大社参道の古民家再生 私が空き家再生プロジェクトをはじめに行なったのは、2010年に出雲市で友人達が主催して行った「City Switch 2010 Izumo 」というワークショップに講師として参加した時のことでした。この頃は、まだ、空き家問題などが取り上げられることもなく、古民家再生も特に盛んではなかった時期で、私としてもその後続く空き家再生プロジェクトの第一弾になるという意識は特に無いまま、参加者と一緒に取り組んだプロジェクトです。参加者は公募で集まった学生で、オ

          空き家再生プロジェクト(その2)

          空き家再生プロジェクト(その1)

          近所の廃屋の解体 2020年、現在、全国の空き家率は現在、約13.6%と言われていますが、地域によってばらつきがあり、過疎地に行くと、空き家率は高まる傾向にあります。お近くの横須賀市では、アクセスしにくい谷戸の山の上などに空き家が集中しています。私の住んでいる逗子市は22.9%という数字が公開されていますが、別荘も統計上の空き家に含まれるため、実際の空き家は恐らく全国平均レベルくらいではないかという気がします。 今回は、私がこれまで行なってきた「空き家再生プロジェクト」に

          空き家再生プロジェクト(その1)

          夜の道の駅と軽キャン(その1)

          道の駅はとてもよくできた施設だ。 ドライブの時に立ち寄って買い物をしたり、休憩したりと、利用者は多い。 特に、地域産品の販売コーナーが充実している道の駅は立ち寄るのが楽しい。地元の農家で採れたての野菜や果物が安く置いてあったり、地元のお母さんたちが手作りで作ったお惣菜などを置いているところも多い。 1993年に建設省道路局監修でまとめられた「道の駅の本 個性豊かなにぎわいの場づくり」は、道の駅構想の立ち上げメンバーの方々による臨場感のある記録となっていて面白い。それによると道

          夜の道の駅と軽キャン(その1)