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シングルパパ起業家はがんばらない

三姉妹のシングルファーザー。大変ですねと言われるけれど、そんなに大変なのだろうか。

朝。まだ眠たい。戦略的二度寝。次に目が覚めると子どもたちはすでに学校に行っている。毎朝お弁当をつくっていたシングルファーザー1年目のころがなつかしい。

晴れ。天気がいいからオフィスまで出かけようか。通勤バスには乗りたくない。リュックを背負って歩く。気持ちがいい。完全リモート制の会社。オフィスに着いてもメンバーはいない。

仕事。現役のプログラマーとして依頼されたソフトウェアの開発。少人数の会社の経営者は事務処理も自分でやる。時間の決まっていない昼食と20分間の昼寝、それからSNSをながめるのも欠かせない。

夕方。そろそろ家事モード。夕飯のメニューを決めて帰りがけにスーパーに寄る。子どもたちに炊飯とお風呂の準備をしてもらうよう家庭用ロボットに伝言を頼む。

帰宅。子どもたちをお風呂に入れている間に夕飯をつくる。夕飯の準備ができたら必ずみんなで食卓を囲む。食べたらお風呂に浸かりながら防水の電子書籍リーダーで読書。

夜。掃除、洗濯、食器洗い、仕事の残り。最低限やらなければならないことをやる。ゲーム、読書、執筆、写真の現像、筋トレ。やりたいことをやれる範囲でやる。

これが平均的な1日だと思う。実際には雨が降った日や気分が乗らない日には家に引きこもっているし、授業参観や懇談会、PTAの活動などで仕事を抜け出すこともある。夜はひたすらSNSをながめているだけのこともあるし、早い時間に寝落ちしていることもある。

どんな1日を送ったとしても、ほぼストレスがない。正確に言うと仕事のストレスはあるのだけど、これは近いうちに改善できると考えている。仕事をする場所と時間は自由。通勤は必要ないし、眠たいときには眠る。収入が問題になりがちなひとり親家庭にあって、ふたり親と変わらないくらいの収入がある。自宅は環境のよい住宅街。自由でストレスの少ない日々を過ごしている。離婚して5年。ようやくここまではい上がってきた。

ひとり親として生き残るためには思考法をアップデートする必要があった。そのおかげで自由とストレスの少ない生活を手に入れることができたと思う。僕は学生のころから精神科や心療内科に通っていて、メンタルの弱さを自覚している。僕の思考法を使えばメンタルが弱くても折れることなく生きることができる。ひとり親でもそうでなくても、メンタルが弱くてもそうでなくても、この思考法で救われる、とまでは言わなくてもストレスが多少は軽減する人はいるだろう。そう考えてこの本を書くことにした。

2016年の父子世帯数は18.7万世帯。このうち父子のみの世帯は8.3万世帯。児童のいる世帯全体の約0.7%だ。普通に生活しているとまず出会わない。そんなシングルファーザーの経験談や悩みなども書いてみた。誰かが声を上げなければなにも変わらない。多くのひとり親世帯は苦しい生活を強いられているようだ。元気のある僕が声を上げたほうがいいんじゃないだろうか。もちろん僕の場合は自由な生活をしているので、本当の苦しさを伝えることはできないのだけど。

この本には自由になるための思考法とシングルファーザーの体験談をエッセイ調で書いてある。日本ではがんばることが美徳とされ、がんばることを強いられてしまう。ひとり親としていろいろな制約のある僕にはがんばらずに生きていくという目標がある。ひとり親が折れてしまっては子どもたちを育てることができない。いかにストレスをためないかというのが重要だ。そのためにどういう考え方をしているのか。そのヒントを書いてみた。毎日がしんどい人がこの本を読んで、少しでも楽になったらいいなと思う。

僕はめんどうくさい人間で、自分ひとりがしあわせになることに興味が持てない。みんながしあわせでないと嫌だ。ひとり親、多子世帯、心の病、一発退場を余儀なくされそうな僕が自由にストレスなく生きていられるのは社会のおかげだ。社会に恩返しがしたい。そう考えてボランティアカメラマンやシングルマザー支援の活動をしている。しかしそれだけでは届く範囲に限界がある。文章ならばもっと遠くの人にも届けることができる。本を書くことで生きることが楽になる人が少しでもいれば、恩返しできたことになるのかな。


シングルパパ起業家はがんばらない(目次)

10万字書きためた文章を書籍化して出版したいと思っています。ストレスフリーなシングルパパ起業家の頭の中を文章化しました。ご興味のある出版関係者の方、原稿をお送りしますのでご連絡ください。(宮崎ひび)


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